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銀河戦国記ノヴァルナ 第3章:銀河布武  作者: 潮崎 晶
第23話:次なる一手
620/627

#19

 

皇国暦1565年11月1日―――


 金融自治星系エイザンとの一カ月半にわたる服属交渉は、ノヴァルナも予想していた通り決裂に終わり、オウ・ルミル宙域のアデューティス星系に集結していた、ウォーダ軍宇宙艦隊へ出動命令が下る。


【エイザン攻略部隊】


 第1艦隊/司令官ノヴァルナ・ダン=ウォーダ直卒


 第4艦隊/司令官ナルガヒルデ=ニーワス


 第6艦隊/司令官ヴァルミス・ナベラ=ウォーダ


 第7艦隊/司令官カッツ・ゴーンロッグ=シルバータ


 第8艦隊/司令官トゥ・シェイ=マーディン


 第9艦隊/司令官ツェルオーキ=イクェルダ


 第18艦隊/司令官シンモール=ザクバー


 第31艦隊/司令官ヨリューダッカ=ハッチ



【エイザン攻略別動隊】


 第1別動隊/司令官ミディルツ・ヒュウム=アルケティ


 第2別動隊/司令官トゥーリス=バシス



【対アーザイル牽制部隊】


 第36艦隊/司令官トゥ・キーツ=キノッサ


 第17艦隊/司令官セーリン=マクシミリアム


 第20艦隊/司令官リカード=サイドゥ


 第21艦隊/司令官レヴァル=サイドゥ



【対アザン・グラン牽制部隊】


 第5艦隊/司令官ブルーノ・サルス=ウォーダ


 第14艦隊/司令官ナグテック=カルネモル


 第22艦隊/司令官ナルマルザ=ササーラ


 第24艦隊/司令官ブンカー=ウォーダ


 これらに加えてヤヴァルト宙域に隣接するセッツー宙域から、ウォーダ家に従属する独立管領のイ・ターミ家とイ・クーダ家、またカウ・アーチ宙域からハダン・グェザン家の艦隊が、皇都キヨウの警備強化の名目で向かった。ミディルツの艦隊が別動隊として、エイザンに向け出動するためである。そしてミディルツ艦隊に従う第2別動隊は、中身は戦闘輸送艦『クォルガルード』を旗艦とする、ウォーダ軍第1特務艦隊であり、新設されたカーズマルス=タ・キーガー率いる、陸戦隊空挺第1師団を乗せていた。


 参加する艦隊の数からすれば、これまでの最大規模に匹敵するが、ただ“対アーザイル”と“対アザン・グラン”の牽制部隊は、両家からエイザンに増援を送らせないため、宙域国境付近に展開するのが第一目的であり、必ずしも戦闘に入るとは限らない。

 これらの戦力をもってエイザンを包囲、あらためてウォーダ家への服属と、完全武装解除受け入れの最後通牒を行い、なおも受け入れない場合は実力行使に出るのが、今回の作戦の主旨である。

 

 アデューティス城が建設中である、第三惑星ガルドヴァの衛星軌道を離れ始める総旗艦『ヒテン』の中、いつもより早く艦橋を去り、執務室へ戻って来たノヴァルナは、椅子に座るなりNNLでホログラムスクリーンを起動、机の上に展開した。


 メモリーバンクに送られていたデータを開くと、スクリーン上にウォーダ家の家紋『流星揚羽蝶』が浮かび上がり、続いてウォーダ家情報部報告書と秘匿レベル、そして通しナンバーが表示されたのち、タイトルが出現する。そのタイトルを興味深そうに読み上げたのは、事務補佐官のジークザルトだ。


「へえ…“サイガンのマゴディ”に関する身上報告書。出来上がったんですか」


 サイガール星系の傭兵惑星サイガン、そこでマゴディと名乗っている傭兵は、ノヴァルナがセッツー宙域へ遠征した際に戦った男であった。ヒト族でありながら、モルンゴール帝国のBSHO『オロチ』を巧みに操り、ノヴァルナを追い詰めた強敵である。

 そして“第一次ナナージーマ星系攻略戦”にも出現したマゴディは、ノヴァルナ配下の“ミノネリラ三連星”の一人、パイロットとしても高い技量を持つナモド・ボクゼ=ウージェルを、BSI戦で討ち取った。そんなマゴディの存在を脅威と感じ取ったノヴァルナは、対策の一環として情報部に、この男に関する情報収集を命じていたのだ。


「おう、早速見てみっか。ランも見とけ、おまえも戦う事になるかもしれねーし」


 ジークザルトの言葉に応じたノヴァルナはデータを開封する。テキストと映像・画像のスクリーンが複数枚現れ、それを指先で操って黙読し始める。






▶#20につづく

 

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