第3話 お泊まり会
楽しかった創立記念日も終わり、今日からまた学校が始まった。
何事もなく6限まで終わり、放課後、部活に来ていた。
「一樹一昨日無断欠席でしょ?顧問結構怒ってたぞ。」
「まじか...」
そこまで親しくもない部員が声をかけてくるほどってことは相当怒っているのだろう。
「あー疲れた。」
俺は誰に言うわけでもなく1人でそう呟いた。
ちなみにしっかり怒られました。
あれ、俺誰に説明してるんだろ。
しばらくして俺は家に着いた。
「ただいま〜」
「おかえりっ」
「...なんでお前がいるんだよ。」
「ん〜気分。」
はい本日も出ました気分。
「今日も泊まってくからよろしくね〜」
「勝手に来といて何がよろしくねだよ。」
「勝手に来てないよ。楓さんに許可取ってたし。」
「え、聞いてないんだけど。」
「そりゃそうだよ、許可取ったのさっきだもん。」
「はぁ。」
俺はため息を付いた。
「なによ溜息ついちゃって。こんな超絶美少女が家に泊まりに来てるんだから喜びなさいよ。」
「七夏じゃなかったら喜んでたんだけどなぁ。」
「だからいつもひどくない?」
「部活終わりで汗かいてるし風呂入ってくる、適当に過ごしててくれ」
「無視するなぁぁぁ」
無視するなと言われれば無視したくなるのが人間の性である。
だから俺は無視することにした。
「なんで無視するのよ。」
七夏が小さい声でそう言った。俺は心のなかで「気分」と返しておいた。
少しやりすぎただろうか。
風呂から出てくると七夏の姿が見当たらなかった。
コンビニにでも出かけたのだろうか。
まぁとりあえず部屋でゴロゴロするか。
そして部屋のドアを開けると、
「あ、上がってたんだぁ。」
そう言ってベッドから出てくる七夏。
「え、今お前どこにいた?」
「どこってベッドだけど。今日ベッドで寝よかなって思って。」
「人の寝床を奪うなよ、いつも寝てる布団で寝てくれ。」
「やだ、ベッドがいい。一樹が布団で寝てよ今日は。お願い。」
「上目遣いでそんなこと言っても俺は譲らないぞ。」
「え、じゃあ一緒に寝るってこと?
いや〜いつぶりだっけ一緒に寝るの。」
「お前がベッドから出るという選択肢はないのか。」
「ない。」
即答である。
どうしたものか。流石に一緒に寝るわけにはいかないのだがベッドでないと寝れない俺は頭を悩ませていた。
「あ。」
「どしたの一樹。」
「何もない。」
天才的な案を閃いてしまった。
今七夏はベッドにいない。つまり、
「早い者勝ちだぁ。」
そして俺はベッドを先に占領した。
そこの10分程度七夏がベッドに入ろうとしてくるのを阻止すべく熾烈な攻防戦を繰り広げていた。
1階まで音が聞こえていたのだろうか、母さんが部屋にやってきた。
「どうしたのあなたたち。仲がいいのはいいことだけど少しうるさいわよ。」
「ごめんなさい。」
俺たちは口を揃えて謝った。母さんが部屋に戻った後、
「一樹のせいで怒られたじゃん。」
「絶対七夏が悪いだろ。」
っというか母さんに怒られるときは十中八九は七夏が悪い。そして残りの一、二も七夏が悪い。いや、結局全部七夏が悪いじゃねぇか。っとセルフツッコミをかましたところで
「結局どこで寝るんだよお前。」
「布団。」
「いやベッドじゃないのかよ。」
「じゃあベッド。」
あ、ミスった。
せっかく布団で寝ると言ったのに俺が七夏の気分を変えてしまった。
たまにやるやらかしである。
ベッドを取られてしまった。
どうしよう...
幸い明日は土曜日なのに部活がオフだ。
「徹夜するかぁ。」
「徹夜はだめだよ。体に悪いよ。」
「あなたのせいなんですけど...」
「じゃあ、私布団で寝る。おやすみ。」
え、何急に。こわ。まぁいいや
「おやすみ。」
なぜかわからないがベッドを手に入れたので、いや手に入れたというかもともと俺のなんだけど。寝るか。
そして部屋の電気を消して俺達は寝ることにした。
「寝れない...」
稀にある寝れない日である。
あれ、七夏の方からゴソゴソと音が聞こえる。
七夏も寝れないんだろうか。そして声をかけるかどうか迷っていると
ん?なんか。七夏がベッドに入ってきてる気が...
いや間違いなく入ってきてるなこれ。
「えい。」
俺はベッドに入ってきてるそいつに蹴りをかましてみた。
「痛っ。」
「なんでベッド入ってきてんだよ。」
「あんたまだ起きてたの?今何時だと思ってるのよ。」
「もしかして最初から俺が寝た後にベッドに入り込むつもりで譲ったんじゃ。」
「そうだけど?悪い?」
「悪い。てか七夏の場合悪い?って聞いてくる時大体ほんとに悪いからな。」
「そっかぁ。ま、いいや。おやすみ。」
そういったまま七夏は寝てしまった。
え、なんで結局人のベッドで寝てるのこと人。
はぁ、結局徹夜か。そう思ってベッドから出ようと思ったのだが。
寝ている七夏にがっつりホールドされてしまった。
逃げようにもこんなに気持ちよさそうに寝られると起こすのもなぁ。
ってか寝顔も可愛いなおい。そして段々と眠くなってきた。
俺も寝るか。
翌朝。母さんが俺たちを起こしに来た。
「一樹〜、七夏ちゃ〜ん、そろそろ起きなさい。」
やばっ。今俺は七夏にホールドされている。
そしてそれを母さんに見られたら...
早く逃げないと。
ガチャ。
あ、終わった。
「あら〜あんたたち付き合ってたの?
付き合ってるんだったら教えてくれたらよかったのに〜
まぁとりあえずご飯できてるから早く降りてきなさい。」
そう言って母さんは言ってしまった。
「ねぇ一樹聞いた?あんたたち付き合ってるの?だって。
どうする?ほんとに付き合っちゃう?」
ニヤニヤした顔で七夏が言ってくる。
「どうせすぐ気分じゃなくなったとか言って別れようとするんだろ。」
「...そんなんじゃないのに」
「今なんか言ったか?」
「何でもない。」




