どす黒い腐敗と姫騎士の怒り
ネメアの獅子に壁際まで追い込まれている人は、声からしてかなり若い少女だ。おそらく自分と同じくらい。
未成年がダンジョンの下層に行くのは恐ろしく危険。夢想の雷霆の未成年メンバーや姫乃のような飛びぬけた強さや、あの黒葛原晴章のように一対一の特化になるが確実に相手を上回れるスキルがないと、三十分もろくに生存できない。
中にはかつて、パーティーメンバーに下層の最下層で追放されて放置され、その階層から動くことができず辛うじて見つけた安全地帯で、湧き出る水を命綱に三週間生存した例もあるが、あれはかなり特殊な例だ。
それはあくまでボス部屋以外の話。今この場所は当然ボス部屋で、下層全体を見てもトップクラスに化け物であるボスがおり、逃げ道がない。
逃げようと思えば逃げられる。要は入ってきた扉から外に出ればいいだけなのだが、開けるのには少し時間がかかるしあの獅子がそれを許すとは思えない。
「い、いや……いやぁ……! た、食べないでぇ……!」
消え入りそうな声で、震える声で懇願する。当然深層のボスモンスター以外は人の言葉を理解できない。奴らにとってただの耳障りな音だ。
ネメアの獅子が一歩踏み出して、大きく口を開けて少女を食らおうとする。あまりの恐怖に、悲鳴すら出なくなっているようだ。
地面を蹴り一気に距離を詰めていく。救出が優先だがかなりギリギリなので、まずはこのネメアの獅子を引き剥がすことを優先する。
「まだ魔力溜まり切ってないけど……『全放出───腕撃』!」
満タンまで溜まり切っていないが、それでも大魔の吸入を行い二割は溜まった。その二割を全消費してネメアの獅子の横っ面にパンチを一発食らわせる。
バッゴォンッ! という音を立てて殴り飛ばされ、体を数回バウンドさせて地面を滑る獅子。今ので頭を吹っ飛ばせればよかったが、普通に起き上がってきたので二割じゃ無理かと小さく舌打ちする。
ただ二割でもかなりダメージが入ったようでふらついており、警戒もされているのか低い唸り声を出すだけで近付いてこない。
これは好都合と助けた少女に目を向ける。魔術師が好んでするようなローブのようなものを着ているが、その下には動きやすい伸縮性のある剣士系が好む服を着ている。
「ひめ、さま……?」
「おっと、ボクのその呼び方知ってるってことはリスナーさんだったかな? もう大丈夫、ボクが来たからね」
優しく頭を撫でると、助けられたという実感を得たのかぽろぽろと涙をこぼし始める。よっぽど怖かったのだなと、安心させるように微笑みを浮かべると、少女のあることに気付く。
カメラが少女の姿を捉え全身を映そうとしていたので、ひっ捕まえて上半身だけが映るようにする。
あんなでかい怪物に襲われて食われそうになっていたのだ。自分と同じくらいの女の子があんな死の間際を経験して、普通でいられるはずがない。
流石にこの少女の尊厳やらがあるので、それを数十万人というリスナーがいる前で晒すわけにもいかないので、少女を映そうとするカメラを無理やり自分だけに向けさせる。
「グウゥ……」
「そ、そんな……。姫様の攻撃を受けて、なんで……」
腕撃、というより七式真装の火力の高さを知っているのだろう。思い切り顔面パンチを食らいながらも生存しているネメアの獅子に、少女が絶望したように声を漏らす。
「二割程度しか使えなかったからね。でももう大丈夫、充填率百パーセントだから」
真装を雷霆軍靴に接続して強化。名前の通りの雷霆をまとわせ、姫乃の脚力を超絶強化。ついでに追加した機能もあるので、それを試すことにする。
「ガアァ!」
ネメアの獅子という名に相応しい咆哮を上げて突進しようと身をかがめた瞬間、姫乃が地面を強く蹴る。
追加した機能は、一定以上の強さでの攻撃や移動の際に衝撃波を発生させて動きや威力をブーストするというもの。そしてそれはその強さに比例するように強くなる。
結構思い切り蹴ったため想像以上の衝撃が出て制御をミスって明後日の方向にかっ飛びそうになったが、辛うじて体勢を立て直すことができた。
それでもネメアの獅子を通り過ぎそうだったので、移動先に念のためにと出しておいたショックイーターを足場にしてそれを蹴って跳躍。獅子の顔面に接近する。
「『雷霆・脚撃』!」
回し蹴りのように蹴りを放ち、全力で顔面を蹴り飛ばす。雷霆軍靴を真装で強化して超絶高倍率の強化がかかった蹴りに、それに比例するように発生した爆撃のような衝撃波。
顔面がもげるよりも速く地面に叩きつけられ、反動で巨大な体が浮き上がって一回転する。
叩きつけられた顔面が大魔の影響で異常な強度となった地面と、叩きつけられた衝撃で潰れる。
「え……えぇええええええええええええええええええええ!?」
救出された少女が驚いた声を上げる。着地して彼女の方を見ると、目を大きく見開いて開いた口が塞がっていなかった。
「流石は下層最高の物理耐性持ち。今の蹴りで首千切り飛ばすつもりだったのに、普通に耐えられた」
”あのワイバーンですら耐え切れずに風穴開けられたり、衝撃波で消し飛んだりしてるのに。やっぱこいつの物理耐性は伊達じゃないわ”
”そりゃまあ、ネメアの獅子の素材で作られた防具って深層でも通じるレベルの物理耐性って言いますしおすし”
”あくまで首が吹っ飛んでないだけで、余裕でほぼワンパンしてるのがやばいんだよな。叩きつけられた頭は、地面に叩きつけられる勢いで潰れてるけど”
”普通にグロ動画で草”
”潰れたうえで地面に頭めり込んでる辺り、どれだけ威力があるのかが分かる”
”何なら姫様、もしかしなくてもまた雷霆軍靴に何か付け加えてない?”
”もう何されててもおかしくねえわ”
完璧に絶命した獅子は立派な毛皮と牙、そして核石を残して体をぼろぼろと崩壊させる。
コメントにも書かれていたが、こいつの素材で作れる防具は深層に行っても通じるほどの防御性能を持つため、ものすごく価値が高い。
未成年なので素材の売却はできないが、この素材で毛皮のファーコートだったりマフラーを作るのもありかもしれない。ただこの素材や核石は姫乃が独り占めするわけにもいかないので、地上に戻った後に核石は換金した後少女に渡すつもりだ。もちろん素材も。
「よし。それじゃあ一旦カメラとマイクだけ切るね」
素材を回収した後、浮遊カメラに向き直ってそう宣言する。どうしてだというリスナーたちのコメントが流れるが、説明は後だとカメラとマイクだけを切る。
いつまでも濡れてしまっているパンツや下着を穿かせたままにするわけにもいかないので、これから少女を着替えさせるのだ。
「怪我はないかな?」
「は、はい。右足を少し捻ったくらいで、特には……」
「よかった。それじゃあ、まずはこれに穿き替えてね」
「え? ……ぁ」
収納の中から下着とスカートとタオルを取り出して差し出す。一体どうして、と小さく首を傾げかけるがすぐに察して、顔を真っ赤にして俯かせながら受け取る。
人の着替えを直視する趣味はないので背中を向けて少し距離を取り、着替えが終わるのを待つ。配信のコメントは今もすさまじい速度で流れており、先ほど姫乃がすれ違った四人組が殿にしたのはあの少女ではないかと推測されていた。
まずこれは間違いなく、彼女が無理やり殿にされた人だろう。望んで残ったわけじゃなく無理やり残されたから、命からがら救援要請を出した。
到着するのがあと少し遅かったら今頃はあのボスモンスターの腹の中だったと考えると、間に合って本当によかったと安堵する。
「お、お待たせしました。その……タオルとお着替えありがとうございます……」
着替え終わった少女が声をかけてくる。まだ顔を赤く染め上げており、いくら同性とはいえお粗相をしたのを見られたら恥ずかしくてたまらないだろう。
タオルと着替えを受け取り、収納の中に放り込んで少女をしっかりと見る。姫乃より若干背が低いが、おそらく同い年とかだろう。
色々と話を聞きたいし、それを配信に乗せてもいいのかの確認を取ってからカメラとマイクを点け直し、戻るとまだあれがいるかもしれないのであえて先に進み、第五階層へ通じる階段を半分ほど降りたところで止まって腰を下ろす。
「よし、それじゃあどういうことか教えてもらえるかな? まずは名前から聞いていいかな? あ、先にボクからね。知ってると思うけど、ボクは姫乃。よろしくね」
気持ちがまだ落ち着いていない様子だったので、残り物になってしまうが紅茶を飲ませた後、震えもなくなってきたのでそろそろかなと話を切り出す。
「は、はい。私は、志野原楓恋って言います。探索者は、三か月前に登録したばかりで……」
「三か月? それでもうこんなところに?」
三か月と言ったらまだまだピカピカのルーキーだ。姫乃でもせいぜい中層かそこいらが限度だったのに、どうして下層なんかにと思ったが間違いなくあれらのせいだろうなと推測する。
「……無理やり、連れてこられたんです。まだ登録したばかりだし、スキルだってまだ上手く使えていないし、戦い方だってよく分かっていないし、魔力刻印の大きさも魔術回路の本数も下層に挑むには何もかも足りていないって、ずっと……ずっとっ……」
先ほどの死の間際のことを思い出したのか、また体を震わせ始める。新人でいきなりあんな怖い思いをしたらこうもなるなと、こんな風に怖がらせたあの四人組に強い怒りを抱きながら楓恋をそっと抱き寄せる。
「っ……! 私、行きたくないって……ずっとずっと言い続けてたのに……! 自分たちのクランが最近傾いているから、功績、を、もっと上げるためにも……無理をして、でも、下層に行くしかないって……! 特級呪具に特級魔術道具も持ってて、これさえあれば下層どころか……深層に、行っても……ぐすっ……負けることはないって、調子乗っててぇ……!」
優しい手つきで頭を撫でていると、言葉を少しつっかえさせながらも話し始める。自分たちの成した行動のせいで評判も株価も大暴落し続けて大赤字になっているのに、それの見直しもせずに何をやっているんだと呆れる。
特級呪具も特級魔術道具も、数千万から億単位で取引される探索者や術師が使えるものの中でも最上位の代物だ。眉唾だが、天逆鉾のオリジナルは神話上の特性上世界の創生すら可能らしい。そのオリジナルは紛失しているので、真偽のほどは定かではないが。
他にもあるとすれば、夢想の雷霆の初代と現代のクランマスターである雷神のみが扱える、薙刀の特級呪具の雷薙と野太刀の特級呪具の雷断とかだろう。
特級呪具は値段もそうだが性能が一級までのものと隔絶しているため、入手は困難だし扱いこなせる人もごく一握りだ。
先ほど見た四人組は、お世辞にも特級を扱いこなせるような強さをしているとは思えない。おそらく、とにかく功績を上げて来いとあのクランのアホマスターに尻を蹴られるついでに下賜されたものだろう。
「私、一緒に活動できる人とかいなくって……ソロで少し潜ってて……。そしたらギルドの人に、パーティーを組んだ方が安全だし先輩の人と組めればノウハウも学べるって」
「そーいえば駆け出しのころはとにかくパーティー組むことを推奨されるっけ。ボクもされたなぁ」
その結果、十四歳の女の子に欲情して襲おうとしてくるロリコン変態に引っかかったわけだが。
「それで最初は、年が近い人たちとパーティー組んでたんですけど……その頃既にあのクランのせいで、モンスターの数多くなりすぎてて。組んでた人たちがたくさんのモンスターに襲われて、大怪我して入院しちゃって」
また少し落ち着きを取り戻したようで、声はまだ震えているがつっかえることがなくなってきた。
「その人たちすごくいい人で、また一緒に組みたいって思ってたので復帰できるまでは上層とかでソロ活動しようって思ってたんですけど……黒夜の人たちに声をかけられて、最初は元の印象が最悪だったので断ってたんですけど毎日しつこかったので、一回だけならって条件で組んだんです。でも……私のスキルのことを知ってからその約束も反故にされて……」
「ここに来る途中、君のことを置いて逃げた人たちとすれ違って会話も聞こえたんだけど、物を複製するスキルなんだって?」
「はい。こんな感じで」
そう言って楓恋が左手を伸ばしてスキルを使うと、彼女の手に七式真装が繋がっている状態の七式魔剣が現れた。
ぎょっとして自分の腰を確認するが、しっかりとそこにある。つまり今楓恋が持っているものは、複製されたものということだ。
「え、すっご。現場で武器を作れるから、身軽で行けるじゃん」
「実際はそんないいものじゃないんです。もっとしっかり構造とか理解しないとハリボテしか作れないんです。これだってガワだけで中身がすかすかなハリボテです。ほら」
少し強く階段に叩きつけると、それだけで簡単に砕けて壊れてしまう。なるほどこれは確かに使い勝手がいいわけじゃなさそうだ。
「構造とかを理解すればってことは、実物をしっかりと観察して触れたりすればいいってこと?」
「いいえ、じっくり観察さえすれば大丈夫です。時間さえあれば、その物の構造とか把握できるので」
「へぇー。観察眼がすごいというか、感知系がすごいのかな。それで、そのスキルを知ったあの四人は君のことを手放さなくなったと」
「……はい。物を複製するスキルは物質の創造系で、複製なので厳密には違うんですけど無から有を造り出しているのでレアスキルに該当します。使いようによっては戦闘にも使えるので、戦闘スキルともいえるかもしれませんけど……私がまだ全然このスキルのことを理解できていないし使いこなせてもいないので、ちゃんと複製できることの方が少なくって……。最初から期待しないでほしいってずっと言っていたのに、ハリボテだけの特級魔術道具を複製してしまったばかりに手放してもらえなくなってしまって……」
ぽつぽつとより詳しく話し始めてくれる。
楓恋はソロで活動することを目的としていたが、ギルドからの推奨でパーティーを組んだ。最初に組んだパーティーが居心地もよくて楽しい場所だったのでその人たちとやっていこうと思ったが、どっかのバカクランのせいで増えたモンスターに襲われて大怪我。
幸いにも死者は出ず一か月ほど入院することになったが、楓恋は軽傷で済んだのでパーティが復活するまでは元の目的であるソロをしようとしていた。
そこに黒夜が声をしつこくかけてきたため、一回だけという条件を付けてしぶしぶ了承。するといきなりそのまま無理やり下層に連れていかれた挙句、妖鎧武者に襲われた。
その時パーティーリーダーが持っていた銃火器系の特級魔術道具を咄嗟に複製。ハリボテなので見た目だけで脅しになればと思ってのものだったのに、ここで予想外の出来事が起きた。
なんと、複製されたものはオリジナルより少しだけ劣りはするものの、能力までも複製していた。
そのおかげもあって妖鎧武者を瞬殺。これを皮切りに、パーティーリーダーは約束を反故にして非常に高圧的な態度で楓恋をパーティーから離そうとしなくなった。
ただ前述の通り、きっちりと観察して構造を理解して把握できないと中身のないハリボテしか作れず、能力が複製できて使えても一回使ったら反動で自壊してしまう。
魔力の消費量も結構高いためそうポンポン使える代物でもなく、今の楓恋の魔力量だと五回使えればいいほうだという。
モンスターを倒せば刻印の大きさも回路の本数も増えるのだが、楓恋が格上を倒すには消費の高いスキルを使ってやるしかなく、それも本物より少し劣化しているため一撃で仕留めるのも中々難しい。
もっとたくさん使えるようにしたいからとある程度弱らせてほしいとお願いしたら、リーダーが急に殴ってきて理不尽に怒鳴られて以降楓恋は自分の意見を言えなくなった。
結果、魔力量は一切増えず、スキルを使える回数も五回のまま。楓恋自身の能力的にもまだ上層の第三階層が適正なので、その先の中層や下層なんかはよほど不意を突けて運よくクリティカルヒットでもしない限り倒せない。
登録したての新人だから中層や下層のモンスター相手に怖がるのなんて当たり前だというのに、怯えて足がすくみ動けなくなっている楓恋をパーティーメンバーは口々に罵ってきた。
そして今日、楓恋はもちろん他のメンバーも全く適正じゃないというのに第四階層ボスに挑むことになり、怖くて仕方なかったが思い切って特級呪具・魔術道具を持っていても無理だと意見したところ、結局怒鳴られた。
すっかり委縮してしまい後ろをとぼとぼついていき、流れでそのままボスに挑んだわけだが、結果は楓恋が言った通りだった。
威力だけは高くても使い手が未熟であるため全く効かず、無駄に魔力をバカスカ消費したためすぐに魔力切れを起こして撤退することになった。
もうこれ以上我慢できないし、地上に戻ったらすぐにギルドの人にお願いしてパーティーを脱退しようと思っていたところ、リーダーに突き飛ばされて転んでしまう。
───ろくに働きもしない奴なんかいらない。俺たちがこのボス部屋から逃げるための時間を稼ぐ殿をやれ
自分たちが生き残るためなら他人を容易に犠牲にできてしまうその性根に、楓恋は深く絶望した。
急いで立ち上がって追いかけようとしたが、ネメアの獅子の攻撃が来たため転ぶように回避。この行動が決定打となり、他四名は扉を開けて外に出ていってしまい、楓恋だけが取り残されてしまった。
そのあとは、転びながらも必死に逃げ続けどうにかして救援要請を出すことに成功。あとは救援が来るまで粘るだけだったが、それがいつ来るかもわからないし目の前の怪物に食われるまでに来てくれるとも限らない。
いつ来るかもわからない救援。そんなのお構いなしで攻撃してくる獅子。これらの状況が楓恋の心を蝕み、余裕をなくさせ、余分な体力を使わされた。
少しでも時間を稼ぐためにとスキルを使って攻撃したが無意味。無駄に魔力を使い魔力切れを起こし、壁際まで必死に逃げるも追い込まれてしまった。
あともう少しで食べられてしまうというところで姫乃が扉を破壊して飛び込んできて、百メートル近くあった距離を一瞬で詰めてパンチ一発で殴り飛ばしたのを見た時は、心の底から助かったと安心したそうだ。
”想像以上の胸糞展開で鬱になりそう”
”ほんまにさぁ……あのゲボカス腐れ外道クランはさぁ……”
”未成年の女子高生相手に何やっとるんやあいつら”
”あまりにも酷かったので、楓恋ちゃんの告白を全部切り抜いて早速ギルドの通報フォームに送り付けてやったわ”
”ワイもギルドに通報しよ”
”ワイもワイもー”
”いやほんと、姫様が間に合ってよかったわ”
一通り楓恋の説明が終わった後、あまりのひどさにリスナーたちは騒然としていた。中にはギルドに速攻で通報している人もおり、それに便乗して次々と通報しに行くリスナーが増える。
一方で姫乃は、同い年の女の子だからだろうか。スキルがいくら強力だろうが土台ができていなければそれを活かせないことを誰よりも理解しているため、スキルが強力だからという一点だけでこんな仕打ちをしでかした連中に、はらわたが煮えくり返るほどの憤怒を抱いていた。




