第6話 避難誘導
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エマ
「何とかしてあれを海に沈めるしかない⋯⋯どうやって⋯⋯」
エマが考え込んでいると、ヘンリーがこっそり逃げようとした。
【ドンッ!】
ヘンリー
「イッタッ! 何をするんだ!」
エマ
「逃がすわけないでしょ! 名前は?」
ヘンリー
「⋯⋯」
エマ
「チッ! お前、あれをどうやって運んできたの?」
ヘンリーは黙ったまま、何も答えない。
エマ
「あれを何とかしないと、街が全部溶かされる!」
ヘンリー
「ザマァ見ろ! 私のオメガリマスでアイツらを見返して、人類を葬るのさ!」
エマ
「⋯⋯本気で言ってるの? 人類どころか、アレ以外何も残らなくなる!」
ヘンリー
「それは何より! 私の研究が正しかったと証明できる!」
エマ
「狂ってるな⋯⋯とりあえず、ここのナメクジを何とかしないと⋯⋯」
エマ
【どうする⋯⋯警察はまだいる。燃やすか、塩か⋯⋯塩一択⋯⋯】
ヘンリー
「私のオメガリマスは世界最強なのだ! お前みたいな小娘に何もできん!」
エマが悩んでいる間も、オメガリマスは自分に適した環境と餌を求め、ゆっくりと動いていた。
肉を求めて動くもの。
環境を求めて下水道へ進むもの。
それぞれが本能のままに動き続ける。
そして、その行動が事態を動かした。
エマ
「⋯⋯今、音がしなかったか?」
ヘンリー
「何の??」
エマ
「唸るような⋯⋯何の音?」
ヘンリー
「⋯⋯っ!」
ヘンリーは逃げようとしたが、エマにまた蹴られた。
ヘンリー
「イッタァ! 蹴るな!」
エマ
「逃げるな!」
ヘンリー
「まだ死ねないんだよ! 記録を! 記録を残さなくては!」
エマ
「⋯⋯死ぬ? まさかっ!」
ヘンリー
「気付いたか? その音は建物が倒壊する音だ!」
エマ
「チッ!」
エマはヘンリーを引っ張り、ショッピングモールの受付へと走った。
ヘンリー
「止めろ! 私はまだ死ねないんだよ!」
エマ
「うるさい! お前のせいでこうなっているんだ! 来い!」
受付
「あのー、どうかなさいました?」
エマ
「今すぐここから避難させろ!」
受付
「⋯⋯えっと、何かありましたか?」
エマ
「建物が倒壊する!」
受付
「うーん、なんで?」
エマ
「地面が溶けている! じきに崩れる!」
受付
「ちょっと、上と相談しますね」
エマ
【クソッ! 時間がない! アレしかない!】
エマは近くのテナントに入り、ライターを買うと、火災報知器のもとへ走った。
エマ
「馬になれ!」
ヘンリー
「は? 私に言っているのか?」
エマ
「お前しかいないだろ!」
エマは再びヘンリーの足を蹴った。
ヘンリーは痛みに耐えきれず、床に手をついた。
ヘンリー
「痛いっ! 蹴るな!」
エマは答えることなく、ヘンリーの背中に足を掛けた。
エマ
「潰れるなよ!」
ヘンリーはエマの目を見た。
なぜか、逆らってはいけない気がした。
ヘンリー
「は、はい⋯⋯」
エマはヘンリーの背中に乗り、火災報知器にライターを向けた。
ヘンリー
「早く⋯⋯しろ⋯⋯重い⋯⋯」
エマ
「お前が軟弱なだけだ! 重くない! 殺すぞ!」
エマはライターに火をつけた。
今後もよろしくお願いします。




