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0010 Government official(国家公務員)

基本設定は文章の勢いを止めるものでもあるけど、このような蘊蓄小説は、しっかりと設定を決めておくことが非常に大切。設定を最初に書いておくと、文章をかうくうえで、間違いなく、確認しやすい事に気が付いた。書いている最中に設定が変わるときはその都度に変更。名前などを忘れてしまうので、カット&ペーストが使いやすい。


主人公:テオ・シュチュッツ

チリティス共和制国家、国家政策局所属、国家公務員(上級)


チリティス共和国:

首都 サンチャゴ・デ・チリティス

他都市 ピクンチェ アコンカグア カモメ マプーチャ ケチュア ティリ

共和政治の国、多種民族混合の国。貴族・金持ち、軍閥という身分からの選出政治家による協議制政治国家。万人にひらかれてはいない。国家運営の情報から、自らの権力を、お金を、軍事をもつものがさらに増やすという形態。だけど独り勝ちするようなことをすると、他の勢力に一斉に処分され、政治家が変わるという現象が起こる。そのためか安定運営できている。そしてそれが繰り返されてるうちに、政治家は良人ばかりとなる。人種差別行為は唾棄される。

国家の存亡時には5人による国主が立てられる。

先の幻魔大戦からの復興途中


幻魔大戦:

バンパイア・夢魔による人間支配地域の侵略。5年続いた。相互間の途絶による不信から小競り合いが起こり、紛争に発展、戦争状態になる。停戦条約締結後、国境は以前のところに戻され、戦争再開がないように相互理解のために人材交流を推進、貿易などもを行う。


ニューディール政策(イメージしやすそうなので名称まんまパクりました。)

戦後の国力回復政策。政府指導の公共工事だけでなく、回復期間中に無駄な過剰生産が起きないよう、農業・工業・生産業・サービス業などに手を入れるため、地方自治体による仕事の斡旋、など様々なコントロールを行う。

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 ある日、隣国のバンパイア・夢魔の支配する幻想帝国がわれらのチリティス共和国に対し宣誓攻撃を行ってきた。


まずは外郭の国境近くの砦が落とされ、幻想帝国に近い地方都市のマプーチャが攻めおとされた。砦からの連絡で、帝国が地方都市のマプーチャに到着する前に市民や都市民たちは逃され、多数の難民として首都へ押しかけていた。首都内に入れても保護のしようがないので、ちょうど首都の向こう側となる2日ほど離れた距離にある農場を避難キャンプにして、多くの避難民を受け入れた。

まずはテントと食料が首都内の備蓄から提供され、政治家によって戦災寄付金がかき集められて、避難民の受け入れのために提供された。

そして敵軍は首都を目指し進軍してくるはずなので、背後の地方都市の軍事施設から兵がまず首都に集められた。3日もすると首都に10万の兵が集結した。 


そうして防備を固めた共和国の防衛ラインに、小競り合い程度の小さな衝突を繰り返してるうちに、幻想帝国側から一方的に停戦を申し込まれた。


急きょ本国上層部では首脳会議が行われ、共和国の重鎮が出席して停戦会議が催され、30日ほどで幻魔大戦と呼ばれる戦が終わった。


非もなく攻め込まれたというメンツがあるので、一方的でもあった停戦は受け入れられないと思われた。

落ちた衛星都市の損害も膨大なものだ。砦と都市戦で倒れた兵士たちにも言い訳もできない。


極秘情報だが、チリティス国軍短期の衝突に対しては長じているが、長期にわたる消耗戦を不得意としている。参謀本部での無数に行われた卓上模擬戦では僅差での勝利か敗北になる結果ばかりだった。僅差ならいい勝負になるとかとる人もいるかもしれないが、全面戦争で余力を残せない戦はそもそも復興も自力で行えないからそもそも大負けなのだ。第3国である他国に貸しを作るなど、どんな条件貸しを今後返すことになるのか、復興速度が著しく遅くなってしまう事だろう。情けないかもしれないが、クレバーな参謀本部の報告書では、戦をやめる機会があるのなら、交渉材料しだいでは即やめるべきとの意見だった。


そして今回の停戦は幻想帝国側の大幅な譲歩があって、政治的に折り合いがつくことができたようだ。

まだ確実なウラは取れていないが、停戦は幻想帝国側で何らかの政変があったらしいとの極秘情報が伝わってきた。



戦後初めての合同集会が行われる。軍人は演習場に、われら国政に関わる文官は競技場に、いつも仕事が始まる時間に召集がかけられた。数千人もの人々が、省庁ごとに分けられ固めて集められた。われらを囲むように、五つのやぐらが配置され、マジックアイテムである拡声器が大量に設置されている。それぞれの上に国主が立っている。訓示が始まる。


国主の訓示を聞いているとまずは総国主による戦勝の祝い事から始まった。そして5人の国主による報告が始まった。開戦状況、敵国情報、対応対戦状況、被害状況、わが国の現状状況と、国主の持ち回りで話が始まり、長々とした国内状況が発表され続けた。正午の鐘がつかれる前に報告が終わった。そして最後に取りまとめする総国主から

「報告は以上だ。明日からわれらがあなたたちに求めるのは、国力の復興である。まずはできる事からの提案を求む。それらの意見がまとまった時、あなたたちは紙の戦場におもむき、紙の敵とむかいあい、そして勇敢に戦ってほしい。知恵を出し、その知恵を実施し、そしてその結果を出して、国の繁栄としてつなげてほしい!!戦争はおわったが、これからはあなたたちの戦いだ!!健闘を祈る!!以上!!」


薄々は気付いていたが、やはり明日からがわれらが文官の戦が始まるようだ。


我が国はちょっと変わっていて、共和政治の形態をとっている。周りには王国や帝国を名乗る国ばかりの中、国王や皇帝など一人の最上権力者をもたない国として知られている。

最初は広大な版図の中で、多種民族がすむだけの地域だったのだが、民族ごとのイザコザの種が多く、小さな紛争がいつまでも何度でも起こったりしていた。そんな中ある部族の族長が、英雄王を名乗り、版図内で遠征を繰り返し、国を無理やりまとめ上げた。


しかし、英雄王の子供・孫による勢力争いが行われ、王の力はなくなり、部族会議によって国を運営することになり、各勢力の意見をくみ上げるべく、合議によって国が運営されるようになった。国王権力は脆弱になり、形骸化していき、本格的に共和制が始まった。

多数の政治家による協議制政治国家。豪族・金持ち、軍閥という影響力を持つ身分から議員は選出される。選挙権とかはなく、影響力のある者からえらばれる。そのため政治は萬人にひらかれてはいない。


初期のころは国家運営の情報から、自らの権力を、お金を、軍事を、さらに増やすということが行われていたが、多数勢力が存在するために、独り勝ちのようになると、他の勢力に一斉に処分され、政治影響力の状況が変わるという現象が起こる。そしてそれが繰り返されてるうちに、政治家は公正な視野の元、所属するグループの影響力を維持するような政治形態になっていった。


周囲の国々が侵略の意図をもって、攻め込んでくると、権力争いをしている最中でも、得た権力を目減りさせないように、権力争いは一時棚上げして、一致団結してことに当たるということがたびたび行われた。そのため国として安定運営できた。


普段は150人からの議員の合議よって、政策が定められ、運営される。しかし国家の存亡時には、意思決定を早急にしないといけないことはわかっているので代表者をたてるのだが、判断ミスを防ぐため、5人の国主が選出される。



一晩を置き、翌日。今朝の局では、300人を超える文官が、建物の外に椅子を持ちより、椅子に座り局長の指示を待っている。

櫓の上に局長が上がり、拡声器を手に、

「国家政策局の皆!朝からの集合に集らせて申し訳ないが、今回の戦後復興政策は弱体化した我が国の今後100年の繁栄をもたらすか、そうでないかを決める政策になるかと私は考える!!

対国外、対国内の政策の大筋は国主たち議員たちにゆだねることになるが、意見を上奏し、われらも国策に加担しているところを見せねばならない!!

各部署ごとに提出して、部署長の会議で意見をすり合わせ、実現可能な案を取りまとめ、上奏し実行したいと考えている。各部署の得意な事はもちろん、部署外の事案外の事なども考慮すべき点があれば、忌憚なく提出してもらいたい!!興国の繁栄は我らにあり!!奮戦奮起を期待する!!では解散!!」

号令と共に局員が椅子を片手に建物の中に一斉になだれ込んでいく。


我の名はテオ・シュチュッツ。チリティス共和制国家、国家政策局所属、国家公務員(上級)。

10歳ごろから勉強を始め、最初の5年は読み書き、次の5年は算術、最後の5年は私塾の講師に師事しながら科挙対策をした。25歳の時の科挙試験で一発で試験合格し、8年ほど前に入局した。現在33歳になる。妻は一人、幼馴染で、科挙合格したときにプロポーズした。5歳と2歳の子供がいる。

最初に配属されたのは通信局。国内の政治にかかわる様々な局の情報を書かれた通信文を運ぶ部署で、さまざまな手段で入手した情報を必要とする部署に間違いなく届ける仕事でした。

今の配属先は情報分析室。国内から上がってくる情報と、現地の実際を比較し、国内の状況を把握し、情報としてまとめる部署で、重要な政治局に配属され、立身出世まちがいなしと喜んだ。


でも、今の状況はずいぶん変わってしまった。本来の仕事の内容が情報をまとめるだけだったものが、今回のの幻想大戦の被害報告の至急に取りまとめと、予想される状況に対しての意見かぁ・・・・トンでもないな、仕事量が。

今回、俺、紙の戦争で殉職するかもしれん。今日はとりあえずは情報処理のためのオペレーター、特に口の堅いパートタイマーの増員申請を優先してもらうために、早急に手配だけはしておこう。


本来、私は魔法が使えない。魔法量が希薄で、放出するほどの魔法力がない。そのため魔法使いという選択が存在しない。魔法力を必要とする職人・農民のような技術・生産の仕事に付けないので、実家を手伝いつつも、何か手に職をと思い、唯一の自信がある「考える能力」を最大限に使える仕事として役人というのを見つけた。その仕事に就くには阿呆はなれない。その選別をするために科挙試験という難物が存在する。それから科挙試験に向けて勉強にがっつり取り組んだ。祖父祖母・両親・兄弟姉妹だけでなく、コミュニティの周りの理解もあって、勉強は非常にしっかり取り組むことができた。非常に恵まれた環境であったと思う。

でも、今の状況は歓迎できない、どこで人生計画を間違えたんだろうか?もっと楽で適した仕事があったはずなんだ。見つけれなかったなあ。


昨日の国主の報告文の草稿は、我らの部署と軍部参謀が数字だけをまとめた傑作な作品だ。古い数字から予測される数値を経験で割り出し、報告書としてでっち上げたものであったのだ。国の現状である情報に接する機会のない他の支局の局員たちにわかってもらうためにどうしても必要で、上層部より作成命令が出ていた。実は3日ほど前から泊まり込みで、ここ2日まるで寝させてもらっていない。そうしてまとめ上げた傑作のために、実は部署内は死屍累々の状態だ。昨日の訓示の時にはわが部局とやぐら下に立つ参謀本部員はばたばたと倒れる人が続出していた。私は部下の手前最後までふんばることができ、終わった時自分で喝采したほどだ。


一晩たっても皆の体調はやはり芳しくない。今度は数字のまちがいのない報告書を作らないといけない。また泊まり込みになる。今日のところは仕事は早く切り上げ、しばらく会えなくなる嫁とイチャイチャするなり、子供たちと遊ぶなりして、個々の英気を養わせるために、われらの部署だけに局長から異例の退局命令が出ている。ありがたい。


家の扉の前に立って、扉を開けようとすると、家のなかから食事を作るにおいがする。妻がちょうど昼食を作っているようだ。においからすると肉と野菜の煮物と、主食である芋の粉を練ったもののようだ。昨日早く帰れることがわかっていたので、朝家を出るときに言っておいたから、私の分の昼食もあるに違いない。扉をたたいて、「父帰宅―――」と言いながら入ると、気付いた子供たちが飛びついてきた。ああ家族っていいなあ。妻が手を拭きながら入り口に顔を出して、「おかえりなさい。」と言ってくれる。本当に幸せだ。


妻は幼馴染で一つ年上の姉さん女房で、ラルという。子供たちは姉弟では姉はラリー、弟はテリーという。かわいい奥さんにかわいい子供たち。今度の幻魔大戦では王都に敵が迫る前に実家のある副都心のケチュアに疎開させるつもりだった。あのままでは私は王都を死守するために兵隊の一人として武器をとることになったであろう。そうしていち兵隊である私などは真っ先に戦場で死んでいたかもしれない。本当に家族がバラバラになる前に戦にけりがつき、停戦の話を聞いたときとても安堵した。そのせいか家族がとてもいとおしい。


「大地を作り生命を作り出した主神アーカレブ、大地を豊かにし食料を作りだす手助けをしてくださるマーレン、そして戦の神テレスト、われらがここにいるという事はあなたたちのおかげです。いただきます。」

「「「いただきます。」」」

家族で食事をすることなどたいしたことではないが、今それが非常に新鮮だ。本当にありがたい。家族との会話が本当に楽しかった。


食後のだんらんにお茶を飲みながらも、明日書く報告書の事を考えはじめた。

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