31/47
もう離さない
「もう離しませんよ……。」
永瀬さんは、スッと私を抱えて立ち上がる。
え、なになに、どうなっているのーー!!
完全にパニックになる私。
ふらついたのが嘘みたいに、まっすぐ歩く永瀬さん。
たどりついたのはベッドの前。
――そのまま、そっと降ろされた。
私の隣に、永瀬さんも横になる。
「こんなことがあっていいのでしょうか?」
「はるかが、私の家にいるなんて……。」
うっとりした目で、私を見つめる永瀬さん。
そんな目で見られたら、何か勘違いしてしまいそうだ。
「はるか……」
静かに名前を呼ばれ、優しく抱きしめられた。
永瀬さんの身体が熱い。
――え。
一気に、私の体温も上がった。
どうしよう!!
願ってもない展開だけど、今日じゃない気がするっ。
突き放すこともできず、永瀬さんの腕の中で固まってしまう私。
これは、ひょっとして、ひょっとする?
私、頑張りますっ!(何を?)
――それにしても、永瀬さん、身体が熱すぎでは……?
私を抱きしめたまま、動かない永瀬さん。
そのうちに、
すーっ、すー。
ん……?
永瀬さんから、寝息が聞こえ始めた。
お―い、永瀬さ―ん!!
私のドキドキ、どうしたらいいの〜!!
ドキドキする私をそのままに、
永瀬さんは、穏やかな笑みを浮かべ、深く眠ってしまったようだった……。




