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たった一人の人
「はぁ?何言ってるのよ!」
……そうですよね。
まるで援護になっていない、永瀬さんの言葉。
女性は、更に怒りだした。
「だいたい、この女なんなのよ!!」
……ただの同僚です、と私が言いかけた、その時。
「この世界で、たった1人、私が知っていた人です。」
私をそっと引き寄せて、永瀬さんが言った。
な、永瀬さんの腕の中に私がいる!
何、この状況?永瀬さん、なんかいい匂いしませんか?
ーーじゃなくて、
その言い方、まずくないですか?
「なに言ってるのよっ……やっぱり、やり直そうかと思って来たけど、こんな男、くれてやるわよ!!」
……ほら。
「ところで、あなたはどなたでしょうか?」
普通に聞く永瀬さん。
……うわぁ。駄目です、それは。
「最っ低!!」
捨てゼリフを残し、女性は行ってしまった。
よくわからないけど、あの人は元カノ?
永瀬さんも、状況がわかってないようだ。
記憶喪失中とはいえ、元カノさん?
が気の毒になった。




