90 臨時世界魔法会議4罪の証明映像
「ヴァリアード、お前の魔力でカーナリアン王国の繁栄を導いてくれ。
これが約束の証だ。XXXXX公爵家の安全は保障する。お前の妹が生んだXXXXXが死んでほしくはないだろう?」
映像には、両手を後ろに回され、『黒銀の鎖』で拘束されたヴァリアードの姿が映し出されていた。
ヴァリアードが静かに説明を始める。
「私は記憶魔法を得意としています。
これは十年前、私が初めて『黒銀の鎖』という違法魔術を確認した時の映像です。
当時、私は国王から『逆らえば妹夫婦を……』と脅され、命令された仕事をするよう強要されていました」
次の映像へ切り替わる。
「こちらは三年前の映像です」
そこには、魔塔の職員と、現在より幼い第三王子ライドが話し合っている様子が映っていた。
さらに映像が切り替わる。
『黒銀の鎖』の術式を改良し、鎖の数を幾重にも増やしていく様子が映し出された。
そして――。
「これなら、いずれ世界を取れるかもしれないな」
そう話す国王と三人の王子たちが、『黒銀の鎖』に拘束され、苦しんでいるヴァリアードを笑いながら見下ろしている映像が流れた。
ヴァリアードが淡々と続ける。
「見ての通り、私が見たものは記憶として映像化されます。
そのため、当時の出来事を証拠として残していました。
『黒銀の鎖』の原案については、魔塔職員が作成したものだという確認も取れています。
国王と王子たちが、世界制覇や戦争への利用を目的とした違法魔術の開発に、次第にのめり込んでいったことが分かる映像です」
再び映像が切り替わった。
「こちらは、魔力をほとんど持たない国王と、第一王子、第二王子が、第三王子に魔法について相談している場面です」
映像の中で、国王がライドに問いかける。
「ライドよ。何か別の魔法や魔道具を使った方法はないか?」
「魔塔の職員の中に精霊魔法を使う者がいて、そこから閃きを得ました。
XXXXX魔法を利用し、精霊をXXXXXする魔術を開発しました」
そこでヴァリアードが映像を一度停止した。
「ここまでで、カーナリアン王国国王に発言はありますか?」
ハルド王が声を荒らげる。
「作られた映像など認められない!
これは捏造だ! 私は嵌められた!
作られた映像など真実の証拠にはならない! 私は無実だ!」
魔術協会の長は動じることなく答えた。
「では、続きを確認していただこう」
映像が再び流れ始める。
「アキドもサリドも、これから精霊魔法を極めていきなさい。
魔術や魔法が使えなくても、いくらでも精霊をXXXXXしていけばよいのだから……。
ライドのXXXXXがあって、魔塔の研究者たちも便利な魔術を完成させることができたと喜んでいたな!」
国王は笑いながら話を続ける。
「……だが、王都内の精霊が数を減らしているとも聞いた。
魔法会議の後、XXXXXへ行く準備をしておきなさい。
ライドが行くんだ。あそこは精霊が多いと言われているからな。
お前のXXXXXで頼むぞ」
国王と三人の王子たちが笑いながら話す姿が映し出され――そこで映像が消えた。
大会議場に静寂が広がる。
ヴァリアードが最後の説明を続けた。
「これが、今回の魔法会議を前に王宮へ呼び出された時の記憶映像です」
魔術協会の長が大会議場を見渡した。
「以上の映像を確認した上で、発言のある方は、所属と名前を名乗ってから挙手してください」
大会議場には、誰もすぐには声を上げられないほどの重い沈黙が広がった。




