8 魔力の大きさ タスワンズ湖
学園でも一つの魔法でも、基本詠唱をまず習う。
そこから自分で自由に、変換習得していく、と説明してくれた。
ヴァリアード様が「一通り試してみて、私とラルフ殿でルノアの周りの変化を、どう感じるか?を
検証していったほうが、良いかもしれない」と言われ試していった。
まず小さくする方法を試した。左胸に手を当て、小さくしようとしても、掌から塊が横から溢れ出てきてしまった。何度しても小さくは出来ず断念した。
次に薄い膜に、閉じ込めてしまう方法を試したが…
どんどん薄い膜が、大きくなってしまった。
体が薄い膜の袋に、引き摺られてしまい、歩けなくなってしまい断念した。
二人とも苦笑いだ。
最後に魔空間へと、試す前にヴァリアード様が待ったをかけた。
「ルノア。魔空間のイメージを、引き出しに例えてしまう事が多いんだけど、魔力が多いからね。
溢れ出てしまうと思うんだ。小さい物を収める時は引き出しにして。
大きいものは、マクアリール領にあるタスワンズ湖の水を、想像してごらん。
そこに水を出したり、閉まったり、使わない時は全て、湖に貯めておけば安心でしょ。大きいから。
ほら楽しんでやってごらん。
失敗はこれからも、沢山していくんだよ。
ラルフ殿だって、私だって、学園には皆に語られている大失敗が多くあるからね。
失敗から、学ぶ事も多いから。そこからまた別の閃きが、あったりするんだ。
とにかく魔法を楽しんでいいんだよ。」
ルノアの肩から力が抜けたのが分かった。目を瞑り静かに呼吸を整えた。
お母様と最後に行ったタスワンズ湖を、思い出し魔空間に作った。
其処に全ての塊を、水に変えて流れて行ったり、帰って来たりする水流を作った。
体の中の熱さが、徐々に無くなっていった。静かな鼓動が聞こえてきた。
二人はその小さな体を、エミリアを重ねて見ていた。




