7 ユキライアナ侯爵家 魔導初期本
ヴァリアード様が魔空間から、本を取り出した。
「これはもう、爵位は返上してしまったユキライアナ侯爵家の魔導初期の本だ。
本の書込みは禁止されているのに、エミリアはよく書き足しをしていたんだ。
わざわざ難しく書かなくてもって…文句をよく言ってたよ。
次会うまでに読んでわからない所を、質問をしてくれるかい?」と渡された。
あぁ…これもレアアイテムだ。言葉が出なかった。
この本があると、すべての魔法の初期課程が、課金なしでスキップできたんだが…そう、私は本当に苦労しながら一つ一つ魔法を習得していった。いい思い出だ。
この重厚感と歴史の重み、どんなことが書かれているのか?手が震えた。
「ただ魔法は想像力と、工夫次第で誰でも自分の使いやすいやり方を、取得する事も大事だ。
ルノアが私に指輪を付けてくれた時も、無意識に私を解放したいと、願ってくれたんだ。
だからその思いの強さの、重い魔力を感じて本当に嬉しかった。
ただ誰かを強く悪い感情で思えば、そのまま相手には伝わるから。
ルノアの魔力量だと、危険になってしまうんだ。
だから誠実に、真面目に、学ばなければならないよ。
試しに一つだけ。
ルノア自分の右掌で、左胸を優しく触れてみて。
そこに温かいものが感じられるかい?」
ルノアは触れてみた。熱くて掌からはみ出してしまって、両手でも支えられない。
大きくて、重い、赤い岩の塊のような物が、感じられる事を伝えた。
父とヴァリアード様は、目を合わせ驚愕の表情を浮かべた。
その表情に、私が心配顔をしてしまった。
「あぁ済まない。簡単に説明するな。魔力のある者は、王立魔術学園に通う事になる事は、知っているな。
最終学年で魔力の多い者だけが、受ける秘匿授業があって。
先生について貰って、魔力枯渇をさせないギリギリを、習うんだ。
魔力枯渇は、死に直結するからね。その後から、自分の本当の魔力の大きさを、知るんだ。
そこを鍛えると、魔力はどんどん増えて行くからね。だけどかなり辛い訓練で、皆その時に必ず限界を感じるんだ。
私は、掌からはみ出している位の、塊だよ。」
父も眉毛をさげてしまった。「ルノアを不安な顔に、させてしまってすまない。私もエミリアと同じ位まで!と自分の掌までは、訓練を頑張ったんだよ。
それでもヴァリアード様の次に大きいと、学園でも言われていたんだ。
友人達は親指や指輪の宝石位、もしくは赤い光を感じるだけの人が多いんだ。
だから他の人の事も知っておく事は、大事なんだと今強く思ったよ。」
「ラルフ殿。今もう魔力を閉じる方法を、教えても大丈夫だろうか?
今自分の魔力を、意識出来てしまったからな。
活性してしまう可能性も危険だ。」
「分かりました。ルノア大丈夫かい?」心配顔の父に大きく頷いた。
「大丈夫です。教えて下さい。この塊を小さくすればいいんですか?
薄い膜で閉じ込めてしまう感じですか?
それとも先程のヴァリアード様の魔空間のような所に、隠す感じですか?」と聞いた。
ヴァリアード様が驚いた顔をした。
「エミリアと同じ事を言うんだな…実はエミリアも私が教えていたんだ。
よく体調を崩して、学園を休んでいたから。
その時も学園の本は、難しく書きすぎるって!って怒って。自分の言葉で書き足していたな。」
懐かしそうな…優しい笑顔を、ルノアにむけた




