65 ルノアを怒らせてはいけない?
二人で手を繋ぎながら執務室に到着した。入室の許可を待った。
「入りなさい。二人とも体調は大丈夫かな?」
「お義父上。配慮いただきありがとうございました。ゆっくり食事も出来ました。
体調は二人とも落ち着いております。色々と問題が…お話聞かせていただけますか?」
「あぁ…今後について話がしたい。座っておくれ。
魔術協会の話もあるからそれはヴァリーから説明がある。
秘匿が多くてな…先にルノアが聞いても大丈夫な許可はとってある。
結論から言うと国王が変わることになる…二人にも関わるから先に考えを聞いておきたいと思って。
二人が眠りについてすぐに私は体調不良と原因不明の魔力暴走という嘘で宰相を辞任した。
先に伝えておくな。」
続けてヴァリアードが臨時の魔法会議が開かれることなど決まっている事を話しはじめた。
精霊の使役の部分でルノアが激怒し魔力が高まり…
「ノア呼吸しようか?感情をおさえる事もゆっくり学ぼうね。
お父様とヴァリアードの顔を見てごらん。大丈夫かな?」
「あぁ…ごめんなさい。迷惑をかけて…続けてください。福ちゃんも心配かけてごめんね。」
呼吸を整えて福ちゃんを撫ぜながら静かに目を瞑った。
「タスワンズ湖に狩りをしにくるとは…自分が狩られる立場にならないと分からないのかもしれませんね。
経験させてあげた方がよろしくなくて?
うん。精霊を使役したものは全員自分で経験していただいたら?
サライもそう思わない?精霊王様にも伝えていただきたいけど…
干渉は駄目でしたわね。ごめんなさい。
どうしたら二度とそんな事をしてはいけないと当たり前のことを世界中が学べるかしら?
学べる方法があればしっかり学んで頂きたいわ。」
良い笑顔でルノアが答えた。
クロリナラドもラルフもヴァリアードもルノアを怒らせてはいけないな…
と魔力の息苦しさをなんとか結界で凌いだ。
「ラド様はどう思われます?」
「干渉になってしまうが良いのか?現在の王位継承権で言うのであればお義父上しかいないとは思うが…
お気持ちがないのならヨーリアン帝国にお願いしたらどうだろうか?
本当であれば今の王ではなく優秀な妹がカーナリアン王国の女王として立つはずだった。
そこにヨーリアン帝国の帝王が番だと掻っ攫ったのは有名な話だ。
息子二名と娘も優秀だと聞いてる。ヴァリアードは同じタイプだから苦手なんだろ。
長男が王太子としてもう決定して後継もいる。
次男も優秀で後継もいる。次男に頼んだらいいんじゃないか?」
ヴァリアードが聞いた。
「たしか継承権を放棄して嫁いでるぞ。クローとルノアが引き継ぐ事もできるか二人はどうなんだ?」
「あぁ…そうだったのか…私達かそうだな…どう思う?ノア?」
「すみません。お父様。伯父様。私はもう社交界での生活を望んでおりません。これからの事はまだ竜神様にお会いしていないので申し上げられませんが…
竜神様のお手伝いだけで手一杯かと思います。
ラド様もはっきりお聞きしても?後からは無しですよ。」
「あぁ…この世界のスタンピードの監視や管理、あと魔石の調整だな。
この仕事こそまだ誰にも引き渡せない状態が危険だと思っている。
前回の魔石戦争や、天空都市への侵略行為、同時にスタンピードまで。
複数起きた。世界が危険な状態となるような、もう二度とそんな危険がないように集中したい。
すまないな。竜皇国の王太子の子供が優秀だからその子に引き継ぐまでは無理だと判断している。
世界の均衡を守らなければノアの負担が増える。
優先順位はノアを守る事だけなんだ。」




