63 二人ではじめての食事
福ちゃんがカチカチカチと嘴を鳴らした。
「クロリナラドうるさい。寝てた間に起きたことまず知る。竜皇国王様、王太子様に連絡が先だよ。」
「ああぁ福ちゃん。抱っこさせてください。私が寝てた時魔力どうしてたんですか?大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。ルノアありがとう。体調は良さそうだね?痛いところない?胸の当たりは大丈夫?」
「はい。胸の所がクルクルしてますが苦しくありません。呼吸が楽になりました。
魔空間のタスワンズ湖が凄く澄んでます。ラド様も大丈夫ですか?痛い所はありませんか?」
「あぁ…大丈夫だよ。俺も魔力循環が良くなった。
確かにクルクルしてるな。あぁ…ノアの魔空間に
俺の魔力回路が繋がってるな。すごいな呼吸が楽だ。」福ちゃんが言った。
「お互いの魔力があれば、急な魔力の増えたり、減ったりはお互いにできるからね。
でも無理をしたら駄目だよ。クロリナラドもルノアも大事にだよ。
お父様、ヴァリー色々相談があるのは分かるけど二人で初めてのご飯だからね。後でもいい?」
「あぁ…大丈夫だよ。じゃ食後に執務室に来て。ヴァリー俺達はお茶にしよう。」二人で仲良く退室していった。
「ラド様手つないでください!」ルノアは左手を出した。
クロリナラドはモジモジしながら右手を出した。
二人の顔は真っ赤になっている。
ぶんぶんと二人で笑いながら手を振った。
食事が配膳され支度が整った。席は隣同士だった。
クロリナラドがルノアに言った。
「この本をまた時間がある時に読んで欲しい。お義父上にも渡した本だよ。」
「はい。分かりました。本も読みますが、私が間違ったときはちゃんと教えてくださいね。
知らないことの方が恥ずかしいから。それよりラド様お口あけて!お腹空いてるでしょ。はい。あ〜ん。」
「えっ!?私からしようと思っていたのに?」
「決まり事が何かあるんですか?二人で決めていけば大丈夫ですよ。」
「はい。あ〜ん!」優しく口の中に切られているお肉をいれた。
次にクロリナラドからもお肉を貰った。
「ノア。俺はこのお肉が好きでね。はい。あ〜ん。美味しい?」
「はい。美味しいです。でもお野菜も食べないと駄目ですよ。さっきからお野菜除けてますよね?
はい。あ〜ん。お口開けてください。なんで開けないんですか?駄目ですからね。
ルノアも食べなくて病気になっても大丈夫ですか?
はい。いい子です。よく食べましたね。ちょっと大きなお肉あげますね?」
サライは少し口角をあげた。「野菜食べたことないのに…」小さく呟いてそっと野菜スープもルノアの前に置いた。
「はい。あ〜ん。」スープも口の前にもっていった。口を渋々あけるラド様にニッコリ笑った。
「好き嫌いは駄目ですからね。作ってくれた人に感謝しながらお野菜も食べましょうね」良い笑顔のルノアがいた。
ゲームをしている時の祐希は、全く会えないクロリナラドに情報を得る為とはいえ好きでもない相手に給餌されていた。
相手がクロリナラドだったらと想いを募らせていた。こんな事やってられるか!の気持ちだった。でも実際に番となりラド様が目の前にいるだけで給餌をしたくなるのだから…
起きてからゲームの記憶が薄く無くなってきてることに気が付いた。
段々と…このまま…自然に任せようと静かに思った。




