53 ラルフはもてる?
「サラから連絡がきました。残念ながらエミリア様が光となり従業員の殆ど入れ替わった為、現在の執事も侍女長も不正や横領に関与しています。
以前の執事や侍女長など古くから勤めていたものは、本拠地のタスワンズ湖近くの居城に全員が異動しております。
そこは一切の不正は見当たらず真摯な運営を継続しております。」
サバスが現在の公爵邸の執事の収支帳簿と、在庫管理帳簿の不正が分かるものを、目の前に出した。
ラルフは目を瞑り深いため息をついた。「執事と侍女長に丸投げしていた結果だ。ルノアの今後の生活を支えてくれる者を早急に整えなければならない。すまないが協力をしてくれるかい?」サバスと侍女精霊は頷いた。
ヴァリアードが「勘違いかもしれないが…エミリアの側にサラさんはいなかったかい?
記憶ははっきりとはないが…その翡翠色が綺麗だとエミリアと話したことを思い出したのだが。
以前はヴァリーと呼んでくれた気がするんだが…」
侍女精霊が笑った。「やはりヴァリーとエミリアは魔力が高くて精霊魔法をしっかりとかけられていなかったのね…
思い出してくれてありがとう。はいサラさんです。
今は侍女として正式に働いていますから宜しくお願いしますね。」侍女らしくない笑顔で笑い下がった。
「以前ヴァリアード様が、魔塔に収監した侍女のアンナと、執事補佐のアレクと、同じ侯爵家と繋がりのある伯爵家などの多くでておりますが…
王妃様の生家ですよね?何か…あるのですが?」サバスが聞いた。
ヴァリーアードが笑いながら言った。
「ラルフは凄くもてるんだよ。学生時代から宰相としての未来もあるしこの容姿だろ…
体の弱いエミリアは殆ど社交界に出てこない婚約者だから皆狙えると思ったんだろうなぁ…
尽く無様に皆沈没しているのに気が付かないんだよ。不思議と諦めきれないのが王妃とその妹だな。
もうエミリアが天に還り四年だろ。
男子を三人も産み役割を果たしたと言わんばかりの王妃や、侍女として入ってきたアンナにしろ…
エミリアの遺品整理と聞いて、俺とラルフの面会を許されたのも、自分の今までの心象を良くするために王に強く言ったんだと思うぞ。
面会など閉じ込められて許されてなかったからな…驚いたよ。
あとはもう宰相ラルフがいると邪魔なんだよ。
国王夫妻を傀儡としたい家門が沢山ひかえているから。
政敵でもある親戚筋も…商会も儲けたいし…どう出てくるかが見物だな。楽しみだよ」




