5 ヴァリアード 護りの指輪
母もとても優秀な魔術師だった。
魔力量も多く、浄化と、解呪に、優れていたが体が弱かった。
ヴァリアード様は頭を上げ、目をつぶり何か小声で呟いていた。
そして私と父を見て、笑顔をむけた。私はゲームの知識を伝えた。
「夢の中にお母様が出てきて、この指輪を左小指にって。他にも何か言われたと思いますが…
思い出せなくてごめんなさい。今日お会いして、ヴァリアード様のまわりが、黒銀の鎖が沢山見えたから。
お母様は知らせたかったのかなと。
この指輪の事は、昨日お父様からもお話を聞いて…
お母様が、ヴァリアード様とお父様に!って
お揃いで準備していたものだそうです。」
と父の指輪をヴァリアード様に見せた。
「素晴らしい。流石エミリアだ。全ての鎖が解け、術返しされた。私は自由になれた。
ラルフ殿、左小指を出してくれ。私の魔力を追加して、ラルフ殿を守ろう。」
父とヴァリアード様は、同じ青白い膜に包まれている。
「そうなるとルノアにもいるな。これは結婚の祝いで、エミリアに渡すつもりだったんだ。
私が作った護りの指輪だ。良いだろうか、つけても?」父は大きく頷いた。
私にも左小指に、指輪をつけてもらった。
これは魔塔の長の「護りの指輪」は、本当にレアアイテムだ。
私の給料では、ガチャ課金が少ししか出来なかった。
マリナとして、ヴァリアード様を、攻略すれば成功の証として貰えた。
本来の私は、ヴァリアード様と、父ラルフは攻略対象に、見ていなかった。
ただゲームの進行上、この「護りの指輪」があれば、楽にゲームを進められるのに、課金出来れば…お金さえあれば…と恨み節に近かった。
本物の護りの指輪なんだ。重さを感じ、装飾のデザインの素晴らしさ、じっくりと見て涙目になった。
三人は、指輪から祝福されているように、頭上から青白い光に包まれた。
今回はヴァリアード様に、母の指輪を渡すことが、一番大事なことだった。
そして出来たら私にも、ヴァリアード様と同じ能力が出現したことや、王宮でのお茶会の事を、相談したかったのだ。
「私の黒銀の鎖が見えたとなると、世界で二人目なのだな。私は自由の身にはなったが…
王家からは、マクアリール公爵家の安全を、盾にされている。
当面は私の指輪で大丈夫だが、王家からの婚姻等となると、かなり難しいな。
いざとなったらマクアリール公爵家の領地が、隣国のヨーリアン帝国に隣接しているから。
領地ごと仕える国替えも、してもいいのではないか?
技術も、魔術も、我が国より発展しているから、住みやすい国だ。
エミリアも健康であれば、留学に行きたいと話していた国だからね。
最悪ラルフ殿の実力があれば、ヨーリアン帝国は喉から手が出るほど、欲しい交渉力の人材だ。
私は世界魔法会議に出ると、ヨーリアン帝国の帝王に、必ず言われるのだよ。
義弟殿とは交流を再開させないのか?」と。
ヴァリアード様に、父は苦笑いを返した。




