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転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


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430/452

430 元王族のアマン家ジェイド

 その頃、竜神教会の前では、クロリナラドが竜皇国の地上部隊から最終報告を受けていた。


「すべての防壁に問題はありませんでした。

最後にサラ様が持参された魔力糸を使用し、防壁は二重を基本とし、必要な箇所には三重に張り巡らせました。

水源と森林の確保についても、確認を終えております」


「分かった。地上部隊は順次、竜皇国へ帰還してくれ。ここから先は、アマン家の者たちに託そう」


「承知しました」


 竜皇国の地上部隊員が一礼して下がると、クロリナラドは教会の外へ目を向けた。


 そこには、元王族のアマン家のジェイドが立っていた。


 クロリナラドは彼のもとへ歩み寄り、久しぶりに顔を合わせた友人に声をかけた。


「久しぶりだな、ジェイド。竜神様の愛し子様が用意してくださった魔力糸の設置は、すべて完了した。これで避難する人々を守るための備えは整ったはずだ」


「本当にありがとうございます。竜皇国の国王様、そして部隊の皆様、そして竜神様の愛し子様にも、最大の感謝をお伝えください」


 ジェイドは右の掌を左胸に当て、太腿の近くまで深く腰を下げた。竜皇国の正式な礼だった。


「相変わらず真面目だな、ジェイド。今後はせめて立礼で頼むよ。

竜皇国は他国の政治や統治に干渉しない立場だ。

今回の支援も、竜皇国王から届けられたものだ。

俺たちにできるのは、ここまでだろう」


 クロリナラドは、ジェイドの目をまっすぐに見つめた。


「これから先は、お前たち自身の手で道を切り開いていかなければならない。

皆と協力して、この苦難を乗り越えてほしい。

ジェイドなら、きっと国を再建できると俺は信じている」


「いただいた支援を無駄にはいたしません。竜皇国王様と竜神様への祈りと感謝を忘れず、私にできることを最後まで務めます」


 ジェイドは一度言葉を切り、少しだけ表情を和らげた。


「この場で申し上げるのもためらいましたが……もう会えなくなるかもしれません。

今のうちにお伝えします。


クロー『運命の番』、おめでとう。本当に本当に良かった。どうか末永くお幸せに」


 その言葉には、これから背負う責任への覚悟と、友人の幸せを願う気持ちが込められていた。


 クロリナラドは一瞬目を見開いたあと、力強く頷いた。


「ありがとう。必ずまた会おう、ジェイド。いいな、約束だぞ!」


 そう言い残すと、クロリナラドは待機していた竜の背に乗った。


 竜皇国の部隊員たちも次々と竜に乗り、翼を広げていく。


 大きな翼が風を巻き起こし、竜たちは一斉に空へと舞い上がった。


 白い魔力糸が張り巡らされた山々を越え、竜皇国へ向けて飛び去っていく。


 しかし、すべての部隊が撤収したわけではなかった。

 魔力溜まりの調査を担当する一部の部隊は、その場に残り、竜に乗って上空から監視を続けていた。

魔術協会と精霊協会の長たちも、それぞれの場所から透視の魔法を使い、魔力溜まりを見守っていた。


 そして、調査部隊から新たな報告が届いたのは、クロリナラドが竜皇国に帰還の途についた直後だった。


「魔力溜まりの状態が、以前よりも不安定になっています」


 報告を受けたクロリナラドの表情が引き締まった。


 防壁の設置は完了し、避難する人々を支える道も整った。竜神教会を拠点とする支援体制も、必要な物資渡し終えた。


 だが、それらは迫り来る脅威に備えるためのものにすぎない。


 魔力溜まりの異変が何を意味するのか、まだ断定することはできなかった。それでも、事態が悪化する可能性を考えれば、残された時間を無駄にはできない。


 守るための備えは整った。


 あとは、一人でも多くの命を救うために、迫り来る危機にどう立ち向かうか。


 デューヌ山脈の空には、白い魔力糸の光が静かに広がっていた。


 その光の下で、人々は明日へ向かって歩き続けている。


 一方、スタンピードの発生源となる魔力溜まりが、確実に不穏な変化を見せ始めていた。


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