↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
42/442

42 命の長さの調整

「ルノア。おめでとう。福も嬉しいよ。良かったね、白銀の番の契約が無事に済んで」


福が嬉しそうにルノアへ声をかけた。


「竜神様も『おめでとう』って泣いてるよ。移動門を作ったら、一度挨拶に来てほしいって言ってる。

福も一緒に行くから、心配しないでね。

それと、少し横になった方がいいよ。これから身体がゆっくり変わっていくから」


「うん……。福ちゃんも、ラド様もそばにいてくれる? なんだか眠くなってきちゃった」


ルノアは眠そうに目を擦った。


「お父様、伯父様、白ちゃん、水ちゃんも……ごめんね。少しお昼寝するね」


そう言って部屋を出ると、クロリナラドと福がすぐに近くへ寄った。


「福様。私より近くにいるのはいかがなものかと。私はノアの番なのですよ? 分かっていらっしゃいますか?」


クロリナラドが少し困ったように言う。


「分かってるよ。だからこそだよ。十歳の娘を持つ父親と伯父の気持ちも考えてあげな」


「……」


そんなやり取りをしているうちに、ルノアの部屋へ到着した。


ベッドに入ったルノアは、二人を見上げて微笑む。


「ラド様……福ちゃん……ありがとう。おやすみなさい」


「おやすみ、ルノア」


「おやすみ、ノア」


ほどなくして、ルノアは静かな寝息を立て始めた。


二人はしばらく、その寝顔を見つめていた。


やがてクロリナラドが福へ尋ねる。


「福様。少し執務室へ戻って、今後について皆に説明した方がいいですよね?」


「そうだね」


クロリナラドはルノアの部屋に厳重な結界を張ると、福とともに部屋を出た。


執務室へ戻ると、クロリナラドはラルフとヴァリアードへ向き直った。


「先に説明せず、契約をしてしまって申し訳なかった。

ノアの見た目も変わったから、二人とも驚いたと思う。

今は、私との命の長さを合わせるための調整をしている状態なんだ。

長くても三日ほど眠ると思う。

痛みや苦しみは一切ないと聞いているから、そこは安心してほしい。

本来なら、番である私が一人で世話をすることになっている。

けれど、ルノアが目覚めるまでは福様と私でそばにいるよ。

私自身も初めてのことだから、しばらくは隣の部屋で生活させてもらうことになる。

よろしく頼む」


すると、ヴァリアードがすぐに口を開いた。


「初めてって? 生まれ変わりなんだろ? それに、命の調整って何なんだ?

それに……見た目が変わっていくとは、どのくらいなんだ?

もっと詳しく、ちゃんと話してくれ。

番だからって、何でも許せるわけじゃないぞ、俺は!」


「ヴァリー。失礼な言葉は慎め」


ラルフが静かに制した。


「天空都市へルノアを連れて行かれてしまえば、私たちにはもう会う方法がない。

この家に結界を張り、今もルノアから離れて、こうして私たちに説明をするために来てくださっている。

それだけでも、かなり譲歩してくださっているんだ」


ラルフは一度言葉を切った。


「私とエミリアも番だった」


ヴァリアードが目を見開く。


「でも、私はエミリアと腕輪の誓いをさせてもらえなかった。

エミリア自身が駄目だと言ったんだ。

健康ではない自分と、腕輪の誓いだけはできない、と。

ルノアが生まれてからは、誰がこの子を育てるのか……

そればかり考えていた。

本当に苦しかった。今だって、エミリアに会いたいと思うことはある。

ヴァリー。お前は、私がエミリアを閉じ込めたと思って、私を嫌っただろう?」


ヴァリアードは黙って俯いた。


「だが、お前にも運命の番がいるんだ。信じていないことは知っている。

ただ、まだ出会えていないだけだ。

だから今は、とにかく話を聞こう」


「……分かった。話を聞く」


ヴァリアードは静かに頷いた。


クロリナラドは二人を見つめ、話せる範囲を慎重に選びながら続けた。


「私の年齢については、これまで詳しく話していなかったね。

二人よりもかなり年上だ。

ただ、話せる範囲となると、かなり限られてしまう。

それは二人を守ることにも繋がるから、敢えて話さないことなんだ。

ノアと私は、これからとても長い時を生きることになる。

ただし、私に何かあれば、ノアも一緒に天へ還る。

ノアに何かあった場合も同じだ。

だからこそ、二人の間には想像以上の独占欲や執着が生まれる。

世界で最も魔力量が多い私と、二番目に魔力量が多いノア。

その二人の魔石を使った腕輪は、互いを守るためのものなんだ。

だから、安心してほしい」


「……ああ」


「やっぱり、そういうことだったのか……」


二人は顔を見合わせた。


クロリナラドが外した腕輪からは、今まで感じたことのないほど強い魔力の波動が感じられた。


今回、家全体に結界を張ることができたのも、ルノアの魔石が加わったからなのだろう。


そして、二人はふと気づいた。


これまで二人の身につけていた魔道具は、エミリアが作ったものを除いて、すべて消滅していた。


だからこそ――。


クロリナラドは先に、ルノアの魔石を使って二人のための指輪と首輪を作ったのだ。


自分たちを守るために。


そして、ルノアを守るために。


その意味を、二人はようやく理解した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。