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転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


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414/453

414 サンセール ルルへの謝罪

ヴァリアードの授業が終わり、昼食を済ませた昼休み。


魔術学院の魔術練習区域に、ルノア、ルル、サンセール、フォル、ジュストの五人が集まっていた。


サンセールが特級クラスへ昇級したことで、以前から約束していたルルへの謝罪をするためだった。


二人が初めて出会ったのは、マクアリール公爵家だった。


当時のサンセールは、竜人という血筋を理由に他種族を見下し、獣人に対しても偏見を持っていた。まだ未成年だったルルの意思を考えることもなく、腰に触れようとしたのだ。


その結果、ルルの魔力によって吹き飛ばされた。


今思い返しても、恥ずべき行いだった。


あの頃のサンセールには、血筋以外に誇れるものがなかった。自分から努力することもなく、王太子の息子であり、竜人であるというだけで、自分には価値があると思い込んでいた。


自分の言動が相手をどれほど傷つけるのかさえ、理解していなかったのだ。


そして、自分の考えを口にしたところをルルに聞かれ、嫌われた。


その後、しばらくの間は『忘却』の魔法によって、自分の『運命の番』の存在さえ忘れていた。


けれど、サンセールは少しずつ変わっていった。


自分には何もないことを思い知らされ、ようやく学ぶことの大切さに気づいたのだ。魔術も勉強も、分からないことは周囲に教えを求め、鍛錬を重ねた。そうして、少しずつ謙虚さを身につけていった。


やがて『運命の番』の存在を思い出したとき、サンセールは自分が過去に何をしたのか、改めて突きつけられた。


深く反省し、何度も後悔して涙を流した。


それでも、過去を言い訳にするのではなく、これからの自分を変えようと決めた。


そして、努力を重ねた末に、ようやくルルと同じ特級クラスへ昇級し、卒業資格の試験にも合格した。


どちらも、かつての自分には成し遂げられなかったことだった。


だからこそ、今日だけは、自分の言葉でルルに謝罪したかった。


ルノアが五人の周囲に結界を張る。


「これで外には聞こえません」


サンセールはルルの前に立った。


「ルル様。マクアリール公爵家で初めてお会いしたときのことを、改めて謝罪させてください。本当に申し訳ございませんでした」


ルルは何も言わず、サンセールを見つめていた。


「私は獣人を差別し、ルル様の意思を考えることもなく、腰に触れようとしました」


サンセールは目を逸らさなかった。


「あのとき、ルル様の魔力で吹き飛ばされ、自分がどれほど間違っていたのかを思い知らされました。ですが、本当に自分の過ちと向き合えたのは、その後、自分自身の未熟さを知り、学び始めてからです」


サンセールは一度、静かに息を吐いた。


「あの日のことを忘れるつもりはありません。自分がしたことを、なかったことにするつもりもありません」


握りしめた拳に力がこもる。


「これからは、種族も身分も関係なく、同じ世界に生きる者として相手と向き合います。困っている者や、弱い立場にある者を見過ごさず、誰かを守れる人間になれるよう、これからも学び続けます」


そして、少しだけ顔を上げた。


「王妃様にも約束しました。死ぬまで努力を続けます。魔術も勉強も怠らず、もっと強くなります」


最後に、サンセールはルルの目を見て、はっきりと言った。


「慣習に基づく『婿入りの戦い』に参加することも、お許しください。」


右の掌を左胸に当て、腿の近くまで深く腰を下げる。

竜皇国式の正式な礼だった。


ルルはしばらく黙っていたが、やがて静かに口を開いた。


「謝罪を受け入れます。」


サンセールが顔を上げる。


「ただし、これから守ってほしいことがあります」


ルルは真っすぐにサンセールを見つめた。


「私は、これからも学ぶことを優先します。学びの場以外では、異性と必要以上に接するつもりはありません」


一度言葉を切り、続ける。


「サンセール様も、必要以上に話しかけたり、近づいたりしないでください。よろしくお願いします」


「分かりました」


サンセールは迷うことなく答えた。


「ルル様の意思を尊重します。学院では、これまでどおり同じ学生として接します」


「お願いします」


ルルが小さく頷いた。

謝罪を受け入れることと、相手との距離を縮めることは別だった。


ルルはサンセールの反省を認めたうえで、自分が望む関係をはっきりと伝えたのだ。


それを見届けたジュストが、静かに口を開いた。


「今日のお話はこれで終わりですね」


続いて、フォルがサンセールを見た。


「サンセール。私たちが特級クラスに昇級し、卒業資格にも合格できたのは、これまで努力を重ねてきたからだ」


「はい。」


「けれど、それで終わりじゃない。これからも、その結果に見合う者であり続けなければならない。私たちも同じだ」


フォルは一度言葉を切り、ルルへと向き直った。


「弟の振る舞いを止められず、不快な思いをさせてしまったことを、私たち兄弟からも謝罪させてほしい。私もジュストも、深く反省している。本当に申し訳なかった」


フォルとジュストは、そろって右の掌を左胸に当て、深く腰を下げた。

二人もまた、竜皇国式の正式な礼を取った。


ルルは二人を見つめ、静かに答えた。


「はい。謝罪を受け入れます」


二人が顔を上げると、ルノアは五人を見渡してから、張っていた結界を解いた。


ルノアは穏やかに声をかけた。


「では、戻りましょう」


「うん」


ルルが頷き、ほかの三人も歩き出す。


五人は連れ立って魔術練習区域を後にした。


こうして、以前から約束していたサンセールの謝罪は終わった。


過去の自分を変えることはできない。

けれど、これからの自分は、自らの努力で変えていける。

サンセールは、その一歩をすでに踏み出していた。


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