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転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


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403/454

403 リシューの相談

三人が部屋の中へ入ると、リシューの後ろから妖精や精霊たちも続いて入ってきた。


「お邪魔します!」


「今日はここで遊ぶぞ!」


「ルノア、何か面白いものない?」


「みんな、元気だね」ルノアが笑う。


ルルは椅子に座り、リシューもその隣に腰を下ろした。


しばらく学院のことを話していると、リシューがふと思い出したように口を開いた。


「……あの」


「なに?」


「少し、相談してもいい?」


「もちろん」


リシューは膝の上で手を握った。


「私……マムの設定が、よく分からなくて」


「設定?」


「うん。学院に来る前は、何でも周りの人がしてくれていたから……」


リシューは少しずつ言葉を続けた。


「起きる時間も、着替えることも、勉強の時間も、次に何をするのかも、いつも誰かが教えてくれていたの。

だから学院に来て、自分で決めることが増えたけど……何をマムにお願いすればいいのかも分からなくて……」


最後の言葉は、少し小さくなった。


「何もできない自分が、恥ずかしいんだけど……」


「そんなこと、恥ずかしくないよ」


ルノアはすぐに答えた。


「今まで誰かがしてくれていたことを、急に自分で考えるのって難しいもの。必要なことを、一つずつ覚えていけばいいよ」


「……うん」


「よかったら、一緒に考えよう」


ルノアが机の上に紙を置いた。


「まずは、学院生活で困っていることを書いてみようか」


「うん」


「例えば、授業の時間とか教室の場所、必要な持ち物を知らせてもらうこと。寮へ戻る時間を教えてもらうこともできるよ」


「そうなんだ……」


「それから、危険があったときに知らせてもらったり、部屋への入室を管理してもらったりもできるの」


ルルも会話に加わる。


「記録もできる?」


「うん。何か問題が起きたときに、あとから確認できるように記録を残してもらうこともできるよ。

悪意ある噂とか……勝手に話されてもちょっと心配だから」


「なるほど……」


リシューはマムを見る。


「他にもあるの?」


「あるよ」


ルノアは少し考えてから答えた。


「知らないうちに学則に違反しそうになったとき、前もって教えてもらうこともできるよ。

何が問題なのか分かれば、うっかり違反することも減るから」


「それ、いい!」


リシューは嬉しそうに頷いた。


「でも、マムが何でも決めてくれるわけじゃないよ」


「えっ?」


「マムは、お願いされたことを手伝ったり、決められた条件に当てはまることを知らせたりするものなの。

何が正しいかを勝手に決めたり、誰かを罰したりはできないよ」


「じゃあ、最後に決めるのは私?」


「うん。どうするかを決めるのはリシューだよ」


「分かった」


リシューは少し考えたあと、マムの前に立った。


「マム」


「はい。リシュー」


「学院生活で困らないように、授業の時間と教室の場所、必要な持ち物を教えてほしいの。

忘れ物がないか私に確認で聞いてほしいです。

それから、寮へ戻る時間も知らせてください」


「承知しました」


「危険なことや、不審な人が部屋に入ろうとしたときも教えてください。

何か問題が起きたら、あとで確認できるように記録も残してほしいです」


「承知しました」


リシューは少し考えてから、続けた。


「それと……私が知らないうちに学則に違反しそうになったら、何がいけないのか前もって教えてください」


「承知しました」


「私に関する悪意のある噂とか、学院生活に関係する問題があったら、必要に応じて確認してほしいです。

学則に関係することなら学院にも知らせて、私にも教えてください」


「承知しました」マムが静かに頷く。


リシューは少し緊張した顔でルノアを見る。


「……これでいいかな?」


「うん。ちゃんと自分で考えてお願いできたね」


「本当?」


「うん」ルノアが笑う。


「これから使ってみて、足りないことがあったら、そのときにまた追加すればいいよ」


「そっか……」


リシューの表情が、少しずつ明るくなっていく。


「じゃあ、最初から全部できなくてもいいんだね」


「もちろん。私だって、最初から全部分かってたわけじゃないよ。

ルノアに聞いて、ラムに何をお願いできるのかも、最初は知らなかったの。

私も、本当ルノアのおかげなんだ。」


「そうなんだ……」


リシューは安心したように笑った。


すると、部屋の中にいた妖精たちも一斉に声を上げた。


「俺たちも手伝うぞ!」


「リシューが困らないようにしよう!」


「明日の教室も忘れないようにしないとな!」


「でも、お前たちだけじゃ教室まで案内できないだろ」


「……それはそうだな」


妖精たちが顔を見合わせる。


三人は思わず笑った。

リシューは胸の奥が温かくなるのを感じていた。

分からないことは、誰かに聞いていい。

一人で全部できなくてもいい。


「……ルノア」


「なに?」


「相談してよかった」


「私も、相談してくれて嬉しいよ」


ルノアが微笑む。


リシューはもう一度マムを見る。


「よろしくお願いします。マム!」


「はい。リシュー」


マムの返事は、いつもと変わらず穏やかだった。


けれどリシューには、その声がいつもより少しだけ心強く聞こえた。


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