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転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


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376 授業開始

入学式を終えた新入生たちは、それぞれ指定された教室へ向かった。

特級クラスの教室へ入ったルノアは、思わず足を止めた。

そこは、これまで見たことのない造りになっていた。

教室全体が円形になっており、中央へ向かって緩やかに低くなる、すり鉢状の造りになっている。中央には教師用の机が置かれ、その周囲を囲むように生徒たちの席が配置されていた。

一人一人の席は十分な間隔を空けて配置されている。隣の席とは距離があり、周囲を気にせず授業に集中できるようになっていた。

さらに、それぞれの席の上には名前が薄い光をまとい、頭上に静かに表示されている。


ルノアは自分の名前を確認しながら、小さく呟いた。


「……名前が表示……」


中央の教師用の机を挟むように、男女別に席が配置されていた。魔道具黒板が設置された正面側から見て、もっとも見やすい位置から成績順に並んでいる。

それぞれの生徒の魔道具人形も、指定された椅子に静かに待機していた。

最前列には、男女三人ずつ。


女性側にはルノア、リシュー、ルル。

その向かい側には、フォル、ジュスト、ライルズが座る。

四番目にはフォルの教育者であるギルト、五番目にはジュストの教育者であるバルトが、それぞれ指定された席にきちんと腰を下ろした。

女性は二十一名。七列目まで席が用意されている。

男性は二十九名。

人数には差があるものの、教室そのものが非常に広いため、最後列まで窮屈さは感じられない。どの席にも十分な空間があり、生徒が魔術を扱う際にも互いの魔力が干渉しにくいよう配慮されているようだった。


ルノアは自分の机の上を確認した。

教科書、辞書、魔道具の無限ノート、そして魔力ペン。

学院で使用するために必要なものが、すべて整然と並べられている。

ルノアはノートを手に取った。

表面を指先でなぞると、薄く魔力の通り道が刻まれているのが分かる。


「……これも魔道具」


少し離れた席で、リシューも自分のノートを確認していた。


「案内書に書かれていた通りだわ……」


さらに離れた場所では、ルルも机の上を確認している。


「……便利そう」


皆、それぞれ自分の席で小さく呟いている。

すべての魔道具は、使用者自身の魔力、あるいは精霊魔法によって充填する方式になっている。

入寮した際に渡された『寮生活の案内書』にも、そのことは詳しく記されていた。


ルノアは案内書の内容を思い出しながら、ノートと魔力ペンへ魔力を充填する。

フォル、ジュスト、ライルズも同じように準備を終えていた。

他の生徒たちも、それぞれ自分の席で静かに準備を進めていく。

教室内に大きな会話はない。

聞こえてくるのは、魔力を充填する微かな音と、机の上の道具を確認する音だけだった。


やがて、教室の扉が開く。

入ってきたのは、一人の男性教師だった。

教師は教卓の前まで歩くと、生徒たちを一度見渡した。


「特級クラス担当、魔法陣構築学と術式解析を専門とする、アガサだ」


簡潔な自己紹介だった。

余計な説明も、入学を祝う言葉もない。

アガサはそのまま魔道具黒板へ視線を向けた。


「まず、最低限の魔法陣の確認をする」


黒板に次々と魔法陣が表示される。全部で十五種類。

アガサは表示された魔法陣を確認してから、静かに口を開いた。


「入学試験から今日までの間に、どれだけ魔術を学んできたのか。そして、これからも学び続ける意思があるのか。それを確認するためだ」


アガサの声は穏やかだった。


「学院に合格した。それで終わりではない」


生徒たちは静かにアガサを見つめる。


「特級クラスでは、最低でもこの十五種類の魔法陣を扱えることが前提となる。入学式までの間に、どれだけ準備してきたのかを見るための、最低限の確認だ」


アガサは一度言葉を切った。


「もちろん、今の実力だけを見ているわけではない。人によって学ぶ速さは違う。だからこそ、私は魔術の知識だけではなく、学ぶ姿勢も見ている」


その言葉に、生徒たちは自然と背筋を伸ばした。


「ここで不合格となった者は、明日一限目開始前に再試験を受けなさい。

それでも不合格の場合は、明日下級クラスへ移ることになる。

そして半年後、全員学力判定を受ける。結果次第で、記録に『学力不足』と明記され、退学となる。」


教室に緊張が走った。

アガサは生徒たちを見渡し、静かに続ける。


「厳しいと思う者もいるだろう。だが、ここは魔術を学ぶために選ばれた場所だ」


誰も口を開かない。


「この教室には、ここで学ぶことを目指して努力してきた生徒がいる。君たちが今座っている席も、入学を望んだすべての者に与えられたものではない」


アガサの視線が、一人一人の席をゆっくりと巡った。


「この一席に座るということは、ここで学ぶ責任を引き受けるということでもある。自分のためだけではなく、同じように学ぶことを望んでいた者たちのことも忘れないでほしい」


アガサは魔道具黒板へ視線を戻した。


「では、始めよう」



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