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転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


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371/466

371 ヨーリアン帝国魔術学院 入寮の朝

朝のマクアリール公爵家。


玄関には、ヨーリアン帝国魔術学院へ入寮するルノアを見送るため、玄関には全員の従者たちが、父ラルフ、侍女サラたち、そして婚約者のクロリナラドが揃っていた。


ルノアの服装は、学院から指定された質素なワンピース。膝が隠れる丈で、装飾は一切ない。

靴も黒か茶色の革靴のみ。手にしている鞄も学院から貸し出されたものだった。

身分や家柄による違いを学院へ持ち込ませないためだ。


ルノアは玄関で父ラルフに向き直った。

「お父様、行ってまいります」


ラルフは頷き、ルノアを見つめた。

「ルノアは真面目で優秀だから、心配はしていない。ただ、体調には気をつけなさい。学則を守り、何か問題があれば、すべて正しく先生に伝えること」


ルノアは素直に頷く。「はい。分かりました」


「学院は、精巧な魔道具によって生活も安全も管理されている。だから大丈夫だからね」

そう言いながらも、ラルフの目には涙が浮かんでいた。

「……気をつけて行っておいで」

ラルフはルノアを強く抱きしめる。


「はい。お父様も……」しばらく抱きしめた。


ラルフが名残惜しそうにルノアから離れた。

そして、もう一度その姿を眺める。


「……また少し大きくなったな」


ルノアは照れたように笑った。「そうでしょうか」


「ああ……」その一言に、ラルフは父親としての寂しさを隠すように微笑んだ。


「週末には、タスワンズ湖で待っている。無理をせず、しっかり学んできなさい。クローあとは頼んだぞ。」


「はい。送ってきます」クロリナラドが頷いた。


「週末にまた会いましょう」

ルノアは全員に向かい一礼し、玄関を出た。


…ー…ー…ー…ー…ー…


ヨーリアン帝国魔術学院に到着すると、古く重厚な門がルノアを迎えた。

何百年もの時を刻んだような石造りの門には、無数の魔術式が刻まれている。

入寮時間は一人ひとり指定されており、ルノアも決められた時間に受付を済ませた。


学院指定のワンピース。規定の革靴。貸し出し用の鞄。持ち物まで、すべて確認される。


門に組み込まれた魔道具がルノアの姿と所持品を自動的に確認し、淡い光を放った。


『ルノア、一年特級クラス、規則違反なし』


その文字が空中に浮かび上がる。

入寮した瞬間から、学院の規則は徹底して適用される。

服装、持ち物、生活態度、授業への出席、寮での行動。

すべてが魔道具によって管理され、違反があれば自動的に記録される。

違反点が累積すれば警告。

改善されなければ、出席停止、累積退学、学力不足退学、結果が国に報告され、再度の受験は不可となる。

家柄も財力も、ここでは関係ない。

ルノアは説明を聞きながら、静かに頷いた。


「それでは、入寮手続きは以上です」


学院の寮で使用する魔道具を受け取り、ルノアは門の外まで戻る。


門の外には、サラク、クロリナラドが立っていた。


「ルノア様……」サラクが心配そうに近づく。


ここ一年の間、サラたちはほとんどいつもルノアのそばにいた。

だからこそ、週末には会えると分かっていても、離れることが心配だった。


「……少しだけ、よろしいでしょうか」


「はい」ルノアが答えると、サラクはそっと抱きしめた。


「どうかお気をつけくださいませ。今サラたち全員と共有して、見ております。」


ルノアもサラクを抱きしめ返す。

「はい。皆いつも本当に、ありがとう。体調に気をつけてお仕事頑張ってね。寂しいけど頑張ってきます」


「週末には、タスワンズ湖でお会いできますからね」


「はい。お父様をお願いします」


「お任せくださいませ」


サラクがゆっくりと離れる。


クロリナラドもルノアの前へ歩み寄った。


「入寮から半年は心配なんだ。心配するのは許してな」


「番の腕輪がありますから、大丈夫です」

ルノアが腕輪に触れる。


サラクが苦笑する。

「ええ。腕輪が恐ろしくて、皆、近寄れませんもの」


その言葉に、三人から笑みがこぼれた。


ルノアとクロリナラドは静かに抱きしめ合った。


その時、ルノアの肩に小さくなって乗っていた福ちゃんが、翼を揺らした。


神獣である福は学院から帯同の許可を得ている。

ただし、姿を現してよいのはルノアの部屋だけだ。


「福ちゃん行こう!」


『うん』


ルノアが魔空間を開く。

福は初めてその中へ入っていった。

しばらくして、ルノアの頭の中に福の嬉しそうな声が響く。


『ルノア、すごく居心地がいいよ。もっと早くから入って、お昼寝すればよかった』


「ふふっ」思わずルノアが笑う。


見送る三人の顔にも笑顔が浮かんだ。

ルノアは最後に皆へ向き直った。


「それでは、頑張ってきます!」


「行っておいで」


「お気をつけて」


ルノアは笑顔で門の向こうへ歩き出す。

何度も振り返りながら、少しずつ遠ざかっていく。

ルノアは寮へ続く道を進んでいった。


ラルフたちは、その小さくなっていく背中を静かに見送った。

古く重厚な門がゆっくりと閉じる。


ヨーリアン帝国魔術学院での、新しい生活が始まった。


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