37 白銀の番の誓い
「ルノア。白銀の番の誓いが何なのか、聞かなくて大丈夫かい?」
「あ……」
そうだった。
白銀の番の誓い。
それは、私が一番欲しかったレアアイテム。
二年以上、クロリナラド殿下と会えなくても、絶対に手に入れたいと思っていたものだ。
前世の私は、攻略情報を毎日、毎日検索していた。
どうすれば手に入るのか。
どこで発生するのか。
どんな条件が必要なのか。
ずっと探し続けていた。
そして、ようやく出会えたクロリナラド殿下。
お互いが運命の番だと認め合ったときに交わされる、二人お揃いの白銀の腕輪。
情報としては知っていた。
でも、実際に目の前にいるクロリナラド殿下から聞くとなると、胸がいっぱいになってしまう。
涙で濡れた顔のまま、私は尋ねた。
「……教えてくださいませ、殿下」
クロリナラドは、静かに頷いた。
「竜神様の白銀の番の契約とは、運命の番に出会えたときに交わす、番の契約なんだ。
『白銀の番』と呼ばれているのは、竜皇国の王家の者が皆、白銀の髪を持つことが由来だよ。
お互いが成人していれば、そのまま婚姻契約へ移行する。
どちらか一方、あるいは二人とも未成年の場合は、二人が成人するまで、互いの精神を安定させるための契約になるんだ」
クロリナラドは、白銀の腕輪を見つめながら続けた。
「この腕輪には、お互いの命を守る力もある。
番以外の異性からの接触をはじめ、魔法や呪い、物理的な攻撃まで、すべて弾く力があるんだ。
そして……寿命も、番同士で整えられる」
「寿命も……?」
「そう。
だから私は、君と白銀の番の契約を結びたい」
その声が、少しだけ震えた。
「私は、今まで一度もこの契約を交わしていない。
前回は……自分たちのことよりも、世界のことを優先してしまった。
本当は、私たちにとって絶対に大切なことだったのに……」
クロリナラドは、一度目を伏せた。
「今回は、私の我儘だと分かっている。
それでも……番の誓いだけは、先に結ばせてもらえないだろうか?」
その瞳には、強い決意と、深い悲しみが滲んでいた。
「もう二度と、後悔したくないんだ。
この誓いを結べば、私たちは最後まで一緒にいられる。
私は……もう、取り残されたくない。
お互いの寿命を整えて、安心して一緒に生きていきたいんだ」
そして、まっすぐに私を見つめる。
「私の我儘を許してほしい。
こんな重い気持ちでも……受け入れてほしい。
私のそばで、安心して笑って生きていってほしいんだ。
心も、身体も……君をすべての危険から守らせてほしい」
……ああ。
やっぱり、重い愛なんだ。
そう思った。
なのに――嬉しかった。
胸の奥が震えるほど、嬉しい。
今のルノアとしての私と、前世の田中祐希としての私




