36 お母様の緑茶とオハギ
クロリナラドがそっとルノア前に緑茶を置いた。
「ルノア緑茶飲むかい?君のお母様が緑茶を作ったのは知ってる?私も大好きで茶菓子もある。
泣いたから…喉が乾いたでしょ。大丈夫かな?少し休憩しよう。」
えええ!あったの?緑茶にびっくりだ。久しぶりに飲んだ懐かしい味にホッとした。
魔空間からまた殿下が何かを出した。おはぎが目の前にある。
またびっくり顔の私をクロリナラドは楽しそうに笑った。
「これももちろん君のお母上様だよ。モチゴメもアズキアンも一から作ったとほらこの包み紙に。
作った歴史が手紙のように書いてあるんだ。
このオハギをどんな思いで作った…なんて書く人いなかったからね。
ほら構想から15年と書いてあるでしょ。創業から何年とか毎年変わる包み紙なんだよ。
モチゴメも東大陸ランズ王国で見つけて、南大陸で育つように改良したとか。
真っ黒豆を甘くなんて味付けがなくて。
高価のサトウでなくテンサイをサトウ代わりにって、ほら書いてあるでしょ?
食べたことがなかった人も、食べてみようかと思う気持ちにさせる、包み紙の手紙だったんだ。
この包み紙は腐敗防止になっていて、開けたらその日のうちにと書いてあるでしょ?
冒険者達の美味しい携帯食にもなった。
緑茶も東大陸ランズ王国からマクアリール公爵領で改良してって。
汚い水でもお湯でも一杯なら浄化するから一緒にどうぞ!と書いてあるでしょ?
あっ又新しい情報だ。
緑茶は南大陸で冒険者ギルドの一番人気になったと書いてある。
この包み紙は安いんだよ。魔法を使える人ばかりではないから。
作り方はマクアリール公爵領でしか今の所作れない物みたいだな。
でも美味しいからハマってしまった人が多いんだよ…竜皇国でも、今は南大陸でも。
マクアリール公爵領の特産品のオハギと緑茶を知らない人はいないんだよ。」と教えてくれた。
王宮のお茶会でも確かに提供されていたと思い出した。
各領地のお土産が並んでいて皆10個入りオハギと10袋緑茶付きがすぐに無くなったと。
隣の女の子が話していたなと思い出した。
お母様どうしても此方でも食べたかったんだなぁ…
作るしかないから頑張ったお母様の奮闘姿を想像した。




