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転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


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353/357

353 三国合同演習の朝

まだ闇がタスワンズ湖を包んでいる午前四時、マクアリール公爵家の広大な演習場には、すでに多くの使用人や警備兵たちが集まっていた。

普段であれば静まり返っている時間だったが、この日だけは違う。

演習場の入口付近には、数日前から設置されていた大きな臨時移動門が淡い光を放っていた。

その周囲には警備兵が配置され、少し離れた場所には各国の参加者を待つための休憩所や控えの部屋も用意されている。


「そろそろですね」

一人の使用人が空を見上げた。

まだ星が残っている。

東の空も、ほとんど暗いままだった。


「予定どおりなら、最初の到着はもうすぐだ」

警備兵の一人が答えた、その直後だった。

臨時移動門が低い音を響かせる。

淡い光が徐々に強くなり、円を描くように魔法陣が浮かび上がった。


「移動門、開きます!」声が響く。


次の瞬間、光の中から最初の一団が姿を現した。

カーナリアン王国の参加者たちだった。

先頭に隠密が立ち、ハルド王太子、マラド宰相、ナイド外相の三兄弟を囲み、周囲を見回した。

移動を終えた者たちは、すぐに演習場の様子を確認した。

「まだ暗いな」

「五時前だ。当然だろう」

短い会話を交わしながらも、彼らの表情に眠気はない。

今日のために集められた者たちである。

誰もがすでに戦う準備を整えていた。


「カーナリアン王国の皆様、こちらへ」

案内役が声を掛ける。

参加者たちは指定された控えの部屋へ移動していった。


それから間もなく、再び移動門が光り始める。

二組目の到着だった。

今度は竜皇国。

光が収まると同時に、鍛え上げられた身体を持つ者たちが次々と姿を現した。

先頭にはやはり竜皇国の騎士が立ち、フォルとジュストを守り立つ。

二人は移動門を抜けると、すぐに演習場へ視線を向けた。

「いつもの場所だな」

「まだ先まで見えないな」

ジュストが周囲を見渡す。

まだ薄暗いため、演習場の端までははっきりと見えない。

しかし、それでも二人の視線はすぐに競技場の形や地面の状態を確認していた。

「旗の位置は?」

「まだ設置中のようだ」

その様子を見ながら、周囲の兵士たちも静かに控えの場所へ移動していく。

竜皇国の参加者たちは、到着してすぐに、軽く身体を動かし、腕や足をほぐす。

魔力が一割までしか使えない今回の競技では、普段以上に身体そのものの状態が重要になる。

そのため、誰一人として無駄な時間を過ごしてはいなかった。


「竜皇国の皆様、こちらへ」

案内役が声を掛ける。

参加者たちは指定された控えの部屋へ移動していった。


やがて、三度目の光が移動門を包んだ。

リオンブラン王国の参加者たちが姿を現す。


先頭に立った隠密が一歩踏み出した。双子の弟たち、王太子レオンジュニアが続いた。

彼らは演習場へ入ると、すぐに周囲を見回した。

「前と変わっていないか?」

「いや、演習場少し広くなってます」

隠密のリキが答える。

レオンジュニアは空を見上げた。

夜は、少しずつ終わり始めていた。

ほんの僅かだが、東の空が薄く色を変え始めている。

「もうすぐ朝か」

「はい」


「リオンブラン王国の皆様、こちらへ」

案内役が声を掛ける。

参加者たちは指定された控えの部屋へ移動していった。


暫くたち、再び移動門が光った。

今度は、マクアリール公爵家二軍とサンセールだった。

サンセールを先頭に、十人の参加者が次々と移動門を抜けてくる。

同じ公爵家の演習場であるため、彼らは周囲を確認する必要もなかった。

それぞれが慣れた場所へ向かい、すぐに準備を始める。

サンセールは競技場の中央を見た。

旗が置かれる場所。相手が走る距離。

左右へ回り込むための空間。短い時間の中で、すでにすべてを頭の中へ入れていた。

「予定どおりだな」

「はい」

隣にいた者が答える。

「一軍は?」

「まもなく来るそうです」

サンセールはそれ以上、何も言わなかった。

案内されずこのまま第一試合となる。

「いよいよだな。今度こそ絶対に勝つぞ。一軍に昇給する。全員で!」

「やるぞ!」


そして最後に、臨時移動門が強い光を放った。

マクアリール公爵家一軍。

十人の参加者たちが、光の中からゆっくりと姿を現した。

誰も騒がない。それぞれが移動門を抜けると、自然に競技場の方へ目を向けた。

一人が地面の状態を確認する。

別の一人が周囲の距離を見る。さらに別の者が、すでに集まっている二軍へ視線を向けた。それだけだった。

その場で自然に二人、三人と別れ、軽く身体を動かし始めた。

誰かが指示を出したわけではない。

それでも、それぞれが必要なことを理解している。


その様子を、少し離れた場所からラルフが見ていた。

隣にはヴァリアードやクロリナラド、ルノアの姿もある。


「全員、集まったな」

ヴァリアードが言う。


ラルフは静かに頷いた。

時計を見る。

競技開始までは、まだ少し時間がある。

その間にも、演習場では着々と準備が進められていた。

境界線が最終確認される。ヴァリアードの審判を手伝うサラたちが位置についた。

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