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転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


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337/349

337  クロリナラドの秘密

竜舎で起きている変化と、もう一つ。

竜皇国の王城では、国王夫妻と王太子夫妻が、静かな話し合いを行っていた。


『竜環の繋ぎ手』

その存在が、これからの竜皇国に何をもたらすのか。


「竜神の愛し子が現れる年に、時々現れると伝承にはあったが……ルノアが『竜環の繋ぎ手』か……」

リアムは静かに皆を見た。

「竜たちの声を聞き、気持ちを理解し、必要なことを伝えられる。しかも、竜たちの側からもルノアを受け入れている。

エルナと『竜の誓い』も済ませたんだな。」


竜と竜人。

長い年月をかけて築いてきた関係が、今、大きく変わろうとしていた。


「そして、もう一つあります」

王太子ルディノールが口を開いた。

「父上がこれまで、クロリナラドについて秘匿にされていたことです」


リアムが静かに息を吐く。

クロリナラドが……『竜神様の愛し子』であるということ。

それは、これまで国王であるリアムだけが知る秘密だった。

ルディノールにも、あえて伝えられていなかった。


「隠密から報告を受けました」

ルディノールは父を真っ直ぐに見つめた。

「私たちの契約白竜四頭が、クロリナラドに頭を下げたと。そしてその後入室したルノアにも……。」


「……そうか」


「はい。そして、それを竜舎全員が見ております。

その場にいた全員と新しい魔法契約書を交わし終わっております。」

ルディノールは穏やかに微笑んだ。

「父上。もう、皆が知っています」


リアムはしばらく黙り、それから小さく笑った。

「そうだな」


「私の立場を考えて、これまで秘匿してくださったことには感謝しています。

クロリナラドからの提案だったのでしょう?」


「ああ……そのとおりだ」

リアムは苦笑しながら、魔空間から一枚の書類を取り出した。

「『兄上が次期国王にふさわしい。自分には荷が重い』と言ってたな。王位継承権放棄書に署名した書類だ」


「ですが、もう大丈夫です」

ルディノールの声に迷いはなかった。

「これからは家族の間で、何も隠さず、話し合えるようにしましょう」


アリエナ王妃、ユキノア王太子妃も、穏やかに微笑んだ。

「家族なのですから。秘密を抱えるより、支え合い、話し合えるほうがよいでしょう」


「そうだな」リアムは頷いた。


しばらくして、ルディノールは父へ向き直った。

「父上。私も、王太子として、次期国王として、六百五十年の任期を誠実に果たします」


リアムの目が細められる。

「その先は……?」


「私たちが崩してしまった慣習を、曖昧となってしまった後継者教育について、歴史のとおりに元に戻してください」

ルディノールは穏やかに続けた。

「候補者たちの中から、次の国王を決める。本来の慣習へ戻すべきです」


ユキノアも頷く。

「私たちは、王族として守るべき慣習を崩し、その結果、王位継承権候補者が、いなくなる危機まで招きました。

だからこそ、自分たちの手で正したいのです。慣習には、理由がありました」


ルディノールは静かに言った。

「代々、王族の養育者、教育者兼執事長を務めてきたナダルノ侯爵家に、以前の役目を戻していただき、今後は、王族であっても、その役目に一切干渉しない。

ナダルノ侯爵家は、常に監察院を受け入れ、学習法は進化しております。

昔ながらの物も残しながら柔軟な考えも取り入れ、努力し、立ち止まってはいないのです。」


リアムはしばらく二人を見つめ……やがて、静かに頷いた。

「分かった」


竜環の繋ぎ手が現れた。

竜神の愛し子も、もはや王族だけの秘密ではない。

そして、ルディノールの息子たちも過去の愚かさを認め、未来へ向かって歩き始めている。

王太子夫妻もまた、自分たちが崩した慣習と、その結果生まれた危機を認めた。

そして、弟夫妻とその子供たちにも、正統な王位継承権候補者として、その仕組みに参加してもらう。

それが、彼らが過ちを正すために選んだ道だった。


後日、王族、高位貴族、有識者、監察院、王位継承院で協議し、本来の慣習へ戻すことが正式に決定された。

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