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転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


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267 過去問対策と全言語の習得

ハーマイル公爵家の商会から、「世界全言語翻訳魔道具」と「対応問題集」がマクアリール公爵家に届いた。

ラルフはまず、それを三王子に手渡しながら静かに話し始めた。

「こちらの魔道具は、我が国の外相ナイド殿がまだ学生であった頃、私がその開発と作成の支援をしたものでございます。

そして、これがその最新版にございます。この魔道具であれば、きっと皆様の学びの大きな助けになると思い、私の方で購入いたしました。

現在は世界の魔法会議でも実際に使用されている、非常に優れた一品です。どうか皆様、異国の言葉を楽しく学んでくださいませ」


それからの日々は「世界全言語翻訳魔道具」と「対応問題集」を使い、日々学びを深めていった。

世界魔法会議でも使われる最新の翻訳魔道具は、極めて厳格で、そして親しみやすい先生でもあった。

新しい機能で、三王子が其々の魔道具に向かって異国の言葉を発すると、正しく発音できるまで、魔道具は何度でも柔らかな光を明滅させて間違いを教えてくれるのだ。

文法などの間違いもその場ですぐに正解を言ってくれ、直し、話しを繰り返した。

フォルとジュストの二人は順調に進んでいるが、サンセールだけはまだ苦戦を強いられていた。

それでも、反復練習を幾度も重ねた結果、劇的な進化を遂げていった。


そんな彼らを支えるマクアリール公爵家の騎士団もまた、異色の経歴を持つ最強の集団であった。

かつては他国から送り込まれた間者であった者たちが殆どだった。

この地で公爵様と商談などでの詐欺……もしくは命を狙い対戦したが……全員がラルフの頭脳や強さに何もかもが圧倒的で敵わなかった。そして高潔な人柄も素晴らしく器が大きい。そして美しきタスワンズ湖の環境や、公爵家の美味しい食べ物の虜になってしまったのだ。

彼らは進んで間者稼業から足を洗い、公爵家と魔法契約書を交わして忠誠を誓い、一丸となって最強の騎士団を作り上げていった。

平民出身の荒々しい言葉遣いから、高貴な貴族の言葉まで、使いこなす。

騎士たちも皆で協力し、日々の戦いの中で四言語を使い話し教え合っている。

フォルもジュストもサンセールも皆幾度も叩きのめされ、泥に塗れながらも、その言葉の壁に挑み続けていた。ただ無闇に剣を振るうのではない。戦いの中で交わされる刹那の言葉を拾い上げ、身体と頭のすべてを使って、異国の言語と技を貪欲に吸収していく。

ただ机の上で文字を睨むだけでは苦戦していたサンセールだったが、実戦を模した激しい戦技訓練の中であれば話は別だった。

剣を交え、盾をぶつけ合い、息が切れるほどの極限状態の中で交わされる言葉は、彼の脳ではなく、鍛え上げられた肉体へと直接刻み込まれていった。

平民出身の荒々しい騎士が叫ぶ、生きるための泥臭い戦術指示。

それらを瞬時に理解して叫び返し、同時に、王族としての矜持を示す高貴な貴族の言葉使いをも、状況に応じて使い分ける。

「我が剣にかけて、ここの防衛は死守いたす。……おい、後ろの奴ら! もたもたするな、右の退路を塞げ!」最初は間違いだらけで騎士たちに笑われ、魔道具の音と声に苛立っていたサンセール。

しかし、彼は決して諦めなかった。何度叩きのめされても、土を舐めても立ち上がり、正しい発音が響くまでがむしゃらに言葉を叫び続けた。

戦法を通じて異国の言葉を理解し、言葉を通じて異国の戦術を深く浸透させていく。そのめきめきとした成長ぶりには、かつて彼を

「隙だらけだ」と侮っていた多国籍の騎士たちも、次第に畏敬の念を抱くようになっていった。

「あの脳筋王子、今では四つの言語の戦術命令を、完璧に使い分けていやがる……」

気づけばサンセールは、激しい攻防の最中でも、四言語を正しく、かつ流暢に使いこなして、膨大な魔力で皆を守る盾になり、時には隙間なく魔弾を放ち、仲間を率いる側の立派な指揮官へと変貌を遂げていた。


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