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転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


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265/272

265 グローワール侯爵家サントス

ロバート国王は深く息を吐き目を瞑った。

サントスは自分が国王となるため、他国と手を組み、禁止された武器を密輸して多額の資金を蓄えていた。そして、自身の侯爵家や四家の親戚筋や自分の商会に多数の外国人傭兵を潜伏させ、武力による謀反の機会を窺っていたのだ。

王家の隠密に隙が多いことを見抜いた彼は、これら雇い入れた外国人傭兵の武力をもってすれば、容易に国王の座を強奪できると踏んだのだ。


ラルフ公爵から「すでにマクアリール公爵家騎士団は動く用意がございます。あとは陛下の御印がついた『勅令』をいただけますか?今すぐにでもサントス殿を捕縛いたします。」


その日のうちにマクアリール公爵家騎士団によって瞬く間に収束を迎える。

グローワール侯爵家サントスの屋敷や四家の親戚筋の屋敷、商会に抱え込んでいた「カーナリアン王国の隠密は隙だらけだ」と侮っていた外国人傭兵の宿舎に強制捜査に入った。

そこは、夜の闇に紛れたマクアリール公爵家騎士団によってすでに完全に包囲されていた。

「敵襲だ!」と叫び、密輸された禁止武器を手に抵抗を試みる傭兵たち。

しかし、彼らの前に立ち塞がったのは、カーナリアン王国の隠密を子供扱いした公爵家の『五軍』や、それすら凌駕する上位部隊の精鋭たちである。

圧倒的な武力と洗練された集団連携の前に、外国人傭兵たちは戦う術もなかった。

「なぜだ?なぜなんだ。この圧倒的な強さは……。恐ろしい魔力量だ……。押しつぶされる……俺達が弱いのか?」次々と武器を取り上げられて地面に組み伏せられていった。

グローワール侯爵家と親戚筋四家と商会には多数の禁止武器が隠されていた。証拠の帳簿はすべて押収され、関わった従者たちは顔を真っ青にして連行されていった。

すべての黒幕であるサントスのもとへも、逃亡の猶予すら与えずマクアリール公爵家の騎士たちが踏み込んだ。

「馬鹿な、なぜだ! 私の計画は完璧だったはずだ!無能な隠密しかいないんだ! 隠密どもはすべて撒いていたのだぞ!お前達はどこの所属だ!どこのどいつだ?」狂ったように叫ぶサントスに対し、公爵家の騎士団長はただ冷ややかに告げた。

「私共は国王陛下の勅令で動く者。何者でもない。」魔牢収監されていく。

ロバート国王への逆恨みゆえに、国を戦火に晒してでも王座を強奪しようとしたサントスの謀反は、王家が全貌を把握するよりも前に、マクアリール公爵家の圧倒的な手際によって鎮圧された。

事態が収束したという一報が届いたとき、ロバート国王は安堵とともに、それ以上に重い焦燥を抱くこととなった。

「……またしても、マクアリール公爵家に途方もなく大きな貸しを作ってしまった」

隣で再び胃を押さえ始めたハルド王太子を気遣いながら、侍女が静かにお茶を淹れ直す。

「……して、ラルフ公爵。捕縛したサントスや、押収した禁止武器、密輸に関わった商会の事後処理は、お前のところの騎士団が……。」

ロバート国王が尋ねようとしたその時、ラルフ公爵は実にあっさりとした、穏やかな笑みを浮かべて首を横に振った。

「いえ、陛下。我が公爵家の役目は、不穏分子の排除と、陛下の勅令を完遂することまで。

捕縛した罪人一味も、押収した武器や証拠の帳簿も、すべて王城の地下魔牢と衛兵隊へと引き渡しを終えております。

ここから先の厳罰の沙汰、および傭兵たちの背後にいる他国との外交交渉に関しましては、一臣下である私が口を挟むべき領域ではございません。」

「な……丸投げ、というわけか……?」ハルド王太子が呆然と呟いた。

「滅相もございません。国の法と陛下に委ねる、忠義にございます。国の安定のために力をお貸しし、私共の責任は果たしました」

ラルフ公爵は実に慇懃に一礼してみせる。

しかしそれは、王家側から見れば、最も恐ろしく面倒な処理をそのまま押し付けられたに等しかった。

サントスが呼び込んだ外国人傭兵の処遇。

国内外の貴族たちへの引き締め。

王家隠密たちの再教育。

これら膨大な実務を、ロバート国王と、すでに満身創痍のハルド王太子だけでこなさねばならないのだ。

「ああ、それから国王様。王家の隠密の方々ですが……我がマクアリール家の『六軍』への出向の件、私は構いませんので、陛下がお許しになるのであればいつでも我が領地へお送りください。では、私は夜も熟睡できずに寝不足でございますので、これにて失礼いたします」

言い残すと、ラルフ公爵は引き止める隙すら与えず、実になめらかな足取りで謁見室を退室していった。


後に残されたのは、山積みの書類と、冷たい地下牢に収監された謀反人たち。

そして、途方もない実務の山を前にした王族一同である。

国を揺るがす謀反は、公爵家の神速の手際で一瞬にして片付いた。

しかし、その後に残されたのは、有能すぎる臣下に押し寄せた激務の波に溺れかける、王家一同の奮闘の始まりであった。


ヨレヨレになった国王様が沙汰を出すまで、三日。

グローワール侯爵家と四家の親戚筋の謀反は、静かに公示で民に知らされた。

罪状は「国家転覆陰謀罪」。

爵位は剥奪され、一族の全財産はすべて国庫に没収されたと発表された。

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