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転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


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254/261

254  騎士団の決意

マクアリール公爵家の大広間に、フォル殿下が読み上げる「竜皇国国王リアム」の厳かな名が響き渡った。

その瞬間、大広間に整列していた平民出身の騎士たちは、長年の訓練によって表面上こそ直立不動の冷静さを保っていた。

しかし、その内面では冷や汗どころではない、凄まじい後悔の嵐が吹き荒れていた。


(…嘘だろ!? 嘘だと言ってくれ…!)

全員の掌が、一瞬にして冷たい汗に濡れていく。

彼らの認識では、せいぜい「何か訳ありの上級貴族の不祥事で、一時的に身を追われた我が儘な三兄弟」

……その程度のものだったのだ。

しかし、いざ蓋を開けてみればどうだ。

相手は世界最強の軍事力と膨大な魔力、圧倒的な魔導技術を誇り、不干渉の「竜皇国」の、王子たちだったのだ。

あまりにも重すぎる事実を突きつけられ、特に若手の騎士たちの顔色が土気色へと変わった。

血の気が引くほどの恐ろしい後悔が、彼らの脳裏を次々とよぎった。

(待て……俺たちはこれまであの三王子に何をしてきた……!?)

嘲笑う態度と生意気な口を叩く彼らに対し、騎士団は

「性根を叩き直す」という名目で容赦なく……。一切の手加減なしで、文字通り体と体で叩き合ってきたのだ。

いくら守秘義務を魔法契約書で交わした身内とはいえ、相手はあの竜皇国の王子である。

一歩間違えれば国家間戦争の引き金になりかねない。

(あの時、サンセール殿下の脛蹴りの返しに……鳩尾に入れた俺の拳、不敬罪で処刑されるんじゃ…!?)

(フォル殿下の弱い魔盾を叩き割って地面に転がしたのは俺だぞ…。誰かぁ…悪い夢だと…言ってくれ!)

平然とした鉄の表情の裏側で、騎士たちの脳内には凄まじい絶望が渦巻いていた。

あまりの衝撃の大きさに、幾多の戦場を潜り抜けてきたはずの古参の騎士団長でさえ、膝の震えを必死に堪えているのが精一杯だった。

しかし、そんな彼らの驚愕を前に…。

フォル殿下はいつもの柔らかな、しかし濁りのない真っ直ぐな瞳で。

ジュスト殿下は冷徹なまでに冷静な、覚悟を秘めた瞳で、平民である騎士たちに向けて誰よりも深く頭を下げた。

そして末弟のサンセール殿下は、白くなるほど拳を強く握りしめ、今にも泣き出しそうな顔をしながらも、何度も、何度も必死に頭を下げた。

そこには、これまでの無礼を罰しようとする傲慢さは微塵もなかった。

それどころか、ただの平民である自分たちに対して「どうか、私たちに力を貸してほしい」と、懇願する王子たちの、剥き出しの真摯な覚悟がそこにあった。

その頭を下げる背中を見た瞬間、騎士たちの胸を支配していた保身の恐怖は一瞬で吹き飛んだ。

代わりに、彼らの胸の奥底から、これまで感じたこともないほど熱い感情が燃え上がった。

(……上等だ。相手が竜皇国だろうと関係ねえ!

そこまで覚悟を決めて頭を下げるなら、我が騎士団の命を懸けて必ず合格させてやる!)

騎士団長は不敵に笑い、一歩前に出た。

「平民を侮らず、我ら騎士団に教えを請うたこと、見事でございます。………」


騎士団長の言葉を聞きながら……全員がゆっくりと呼吸し、自分自身の感情を整えた。そして熱い思いを闘志へと切り替えていったのだった。



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