251 竜皇国王様からの手紙
マクアリール公爵家に滞在している竜皇国の三殿下に竜皇国王様から正式な親書が届いた。
ラルフから応接室で渡されその場で読んだ。
「我が愛する孫たち、王孫たる三殿下へ
最後に顔を合わせたあの日から、月日が流れた。
三兄弟は皆、健やかに学びを深めていることだろう。
さて、お前たちがヨーリアン帝国の魔術学院へ進学を希望している件について、新たな学園教員により、お前たちが残した試験成績、魔力量、および魔術技能の再確認が行われた。
その結果について、国王として厳しい現実を伝えねばならない。
残念ながら、三兄弟のいずれもが、ヨーリアン帝国魔術学院が求める推薦基準に達していないことが判明した。
そればかりか、王族として必須である全五カ国の言語習得、礼儀作法や所作、さらには世界史や我が竜皇国の歴史に至るまで、すべてにおいて学びが不足しており、現状では「王族として不適格」との厳しい判断が下された。
国民の血税をお前たち一人一人の留学費用として安易に投じることは、国を預かる身として到底許されることではない。
したがって、来月実施される一般の受験生と同じ『魔導適性考査』を受験してもらう。
己の学力、魔術、そして技能が真に合格基準に達していることを、三兄弟の実力で証明してほしい。
三人揃って合格した場合に限り、ヨーリアン帝国魔術学院への留学費用、および諸経費を国庫から捻出することを決定した。
王子其々が、あの学院へ通うとなれば、移動の警備、学院内の結界補強、専用の護衛騎士団の配備など、天文学的な予算が動く。
削減できるところは、徹底して削減せねばならない。
万が一、誰か一人でも不合格となった場合は、辞退してもらう。
その時は、王城以外の市井の仕事に就いたり、自らお金を稼ぎ、来年度には自分たちの働いた蓄えをもって再び試験に臨みなさい。
王城の外の仕事に早くから触れることも、お前たちの将来において決して無駄な時間にはならないと私は判断している。
三人で互いに支え合い、知恵を絞り、揃って合格の切符をこの私に報告してくれることを、心から待っている。
最後に。たとえお前たちが王族の資格を失うことになっても、私の愛する孫であることに変わりはない。
私たちがいつでもお前たちの家族であり、帰る場所であることを、決して忘れないでおくれ。
お前たちの祖父であり、竜皇国国王リアム」
手紙を読んだサンセールのが、頭を抱え膝をついた。
「なぜ…なぜ…兄弟で…俺のせいで…兄上が…」




