248 三兄弟の近況報告
ヴァリアードは、竜皇国との魔法契約書を交わした。さらにヨーリアン帝国の新しい魔法契約書にも記入を済ませ、帝王へと送付した。
その後、話題はマクアリール公爵家で過ごす三兄弟の近況報告へと移った。
三兄弟の肩に妖精様が座ってくれたと大喜びする映像や、真剣に学習やマクアリール公爵家騎士団の訓練に取り組む姿が映し出される。
その様子に、その場にいた一同は安堵の表情を浮かべた。
「年相応の表情……。こんな穏やかな顔は、母親である私の前では見せてくれなかった気がします。
私にもルーノにも後継者を育てるという重圧があったから……心に余裕がなかったのでしょうね」
ユキノアがぽつりと溢した。
すると、夫であるルディノールが静かに語り始める。「父上も母上も、私とクロリナラドに対して『何かをやれ』と強制することは絶対になかった。
ただ、どれほど忙しい時でも、私たちの話を聞く時間は必ず作ってくれましたね。
……私は当時、教育係のセバスがとにかく怖かった。だからクロリナラドのサバスが羨ましくて仕方がなかったよ。
……睨むな、セバス。だが、あの厳格な慣習を変えてはいけなかったのだな」
ルディノールは、控えていたセバスの視線に苦笑しながら、深く息を吐いた。
「私とユキノアの手で三兄弟を育てたかった。しかし、私たちは『育児』と『養育』、そして『教育』を混同させてしまったのだ。
次世代を育てるには、養育と教育は専門家に任せ、王族としての義務と責任をしっかりと先に学ばせなければならなかった。
義務と責任を真に理解する前に、三兄弟は学園での特権に溺れてしまったのだ。
私たちは家族として会話の時間をとり、親として相談に乗れる立場でいなければならなかった。
それが、私たち二人の失敗であり、後悔だ」
悲しげに俯くルディノールの手に、ユキノアがそっと自分の手を重ねた。
「ヴァリアードが来る前にも話していたのだがね。
三兄弟の教育は、かつて父上や私、そしてクロリナラドが受けた古来の学習方法に戻すと決めた。
過去の家族史を見たが……やはり同じような失敗と、この方法への回帰を繰り返していた。
ヤヌス殿も、実は祖母上が育てられた。父上は、祖父上がそれを許さなかったのですね?」
水を向けられたリアムが重々しく頷いた。
「ああ……そうだ。ヤヌスが『学習がついていけない』と泣き言を言ってな。
だが、そこで養育と教育の手を緩めてはいけなかったのだ。
義務も責任も学ばず、王族の肩書きと特権だけを欲しがった結果が、今の彼の姿だ。
これから長い時間をかけて、彼には責任を取り、義務を学んでもらう」




