247 三兄弟の教育係の肩書き
謁見室の隣からヴァリアードは、リアムとルディノールを警護する隠密の動きを見ていた。
王弟と公爵の不審な動きがないか魔法発動時の独特な魔法色を確認していた。
二人には最凶いや、最強のイヤーカフも装着しているので大丈夫だが…。
今までとは違う隠密の動きや魔術、技術力の高さに驚いた。
短期間でこれだけの人材の総入れ替えができるルディノールの手腕と、竜皇国の学院の魔力、魔術学習の質の高さを改めて感じた。
不正前の学院の状態に早くしっかりと、戻してもらわないといけない思った。
世界の均衡を保っている竜皇国が崩れていけば…。
ヤヌスの未熟さ…同類であろう公爵の魔力の低さ…この姿をルディノールの息子の三兄弟と重ねて見てしまい恐ろしかった。
謁見が終わったあと、国王夫妻と王太子夫妻のいる私室に通された。
「よく来てくれた。ヴァリアード。
竜皇国の魔道具門や魔道具作成ではルディノールを助けてくれて感謝する。
ルディノールからは、魔道具作成に限界を感じているとはじめて本当の気持ちを聞いた。
公式な場所ではない所で打診をしたかった。断っても構わないから検討してもらえないか?
我が国の魔導省外部最高責任者顧問の座に、就いてもらえないか?
実はラルフ殿にも打診をしたのだが、ヴァリアードの補佐ならとの返事だった。
三兄弟の教育者としての肩書きは、やはり必要だと感じた。
実はサラも侍女精霊ではないのだ。魔導省外部精霊魔法最高責任者顧問となったぞ。長いと笑われたがな。
仕事内容は今までと一切変わらず。新しい仕事をお願いする時は要相談となっておる。
サラ達も、ヴァリアードも、ラルフ殿も、金銭的な交渉は無意味だと分かっているのでな。
ヴァリアード。魔道具開発における費用に関しては、すべてルディノールと相談して決めてくれて構わない。権利の配分についても、財務省の試算では、我が竜皇国に二割の利益を入れてもらえれば赤字にはならないという返答が来ている。
それともう一つ、頼みがある。竜皇国の魔術学院で、特別客員教授として教鞭を執れる時に執ってもらいたいのだ。
不祥事ののち、学院の早期再開は我が国にとって急務だからな。
もちろん、ヴァリアードの負担にならぬ範囲で構わない。どうだろうか?」
「あの…。カーナリアン王国の魔塔の長を辞めていますが…大丈夫でしょうか?
ヨーリアン帝国の魔術学院も特別客員教授の契約は継続中です。
他国で教鞭を執る場合はヨーリアン帝国にも許可を取る契約になっています。
あと、もう金銭的なものは必要がないので正しく人数割、個人の場合は相手と半分と決めています。
今までと変わらず、ヨーリアンの許可がとれるならお受けいたします。」
「あぁ…クロリナラドがもうヨーリアンには許可を取っておる。大丈夫だ。
こちらがヨーリアンからの新しい契約書だ。少し立場がヴァリアードが低いと感じたのでな。お節介だとは思ったが正しておいたぞ。
ナザルはもういない。ヴァリアードは優しいのだな。
それと私のことはリアムと呼んでおくれ。様も敬語もいらん。ほら。」
「あぁ…。リアム。了解した。ナザルもそうなったか…。ありがとう?が正解か?めんどくさくて放置してたんだが、ヨーリアンの帝王からはいつも謝罪があった。そうかようやく帝国も整理できたんだな。」




