244 王弟ヤヌスとカマスリド公爵家
アージラン公爵家当主ヤヌスと、カマスリド公爵家当主シューリが謁見室で待っていた。
シューリがヤヌスに問いかけた。「王城内がやけに静かだ…ヤヌス様の奥様のご実家の三人も来られることになっていませんでしたか?」
「ああ…。入城手続きで書類が不足してると言われて…別室で再度書いて欲しいと呼ばれてたな。
魔道具門の設置で書類が変わったと説明を受けたからすぐに来るはずだ。私達だけが先に案内されただけだ。」
その頃、入城手続きの書類が足りないと言われた三人は其々の部屋に一人ずつ入室した。
「はじめまして。レレファン伯爵家当主ユーリス様。登城の際の注意事項通達を読まれましたか?」
「いや。読んでいないが、何か問題があったか?」
「はい。登城の際は違法魔道具武器、違法薬物の所持だけで、その場で魔牢収監となります。」
「えっ…」「魔牢収監!」
後の二人も同じく違法魔道具武器を魔空間に所持していたため収監された。
役人に扮したヴァリアードがルディノールのイヤーカフに話しかけた。
「今魔道具で確認したが…魔空間の中までしっかり見ることができた。ただこれは魔力をかなり使う。魔力回路の改善が必要だな。」
「そうか…また回路組み直しだな…」
「あぁ…魔空間が狭くても、広くても、同じ魔力量を使用してる…そこを大きさを指定できれば、無駄が減らせると思ったが…。やってみないとわからないな。もしくは、魔力補充ができる充填魔力タンクを置けば…だが今後を考えると自然界から少し補填できる型が安心だと思うな…魔力は段々と減るかも、増えるかも、わからないから。無理なくの設計をした方が良いな。」
「なるほど…参考になった。色々試しながら…暫くはこれを改善していく。あと認識紙はどうだった?」
「あぁ…問題ないと聞いた。確認して、そちらに移転する。謁見室横の部屋で良かったか?」
「あぁ…サラさんと来てくれ。まだ時間があるから大丈夫だ。」
謁見室でアージラン公爵家当主ヤヌスと、カマスリド公爵家当主シューリが又話しをはじめた。
「…落ち着かない。本当に大丈夫なのですか?」
「あぁ…大丈夫だ。王族私室の担当侍女を買収しているから。魔力封じの薬はもう飲み終わっている頃だ。
謁見室に入室してくる頃には二人の魔力が減っていくと聞いてる。
そのまま眠って起きなくなり、政務も出来なくから俺が呼ばれることになると聞いている。
王太子の子供達が三人いても、まだ学院を卒院していないから資格がない。
王太子の指名も資格もない今なら大丈夫だと言われた。
侍女が話していたが、王太子の弟クロリナラド殿下は、継承権を放棄しているそうだ。
あと私室担当の侍女が、魔道具門がない二箇所から入城した者達を、謁見室に誘導してくれることになっている。
まだ時間前だからゆっくり合図を待てばよい。
とにかく兄上と王太子は私を信頼してる。大丈夫だ。」
「なぜ新聞記者がいるのですか?王城担当記者ではないですよね?腕章がないのが気になるのですが…大丈夫なのですか?」
「いや、王城担当は書きたい記事は書けないからな。新聞社は売れる話が大好きだろ?
知り合いの記者に話したら写真撮らせてくれたら金をはずむと言われたのさ。かなりの金額だったぞ。
侍女にも確認したが事前に入城登録をすれば大丈夫だと言われた。
兄上と王太子が倒れる姿を写真で撮らせれば金は入るしな。
私が次期国王だと記事になれば、大衆も操りやすいだろ?
大丈夫だ。口うるさい母上も山に行って帰ってこなくなった。ようやく自由だ。」




