243 竜皇国 王城襲撃?
竜皇国城の調理場業者専用出入口に入城の手続きの者が順番待ちをしていた。
奥から声がかかった。「今日も搬入が多いからこちらから順番に手続き部屋に入ってくれ。」
いつも通りだと、野菜と果物を乗せた台車と二人の男性が先に入っていった。
その後に調味料や香辛料の荷台を引く者、小麦を引いてきた者、酒などの樽を運んできた者が入った。
その中でも部屋に入る前に樽を運んできた者が問われた。
「いつもより搬入の樽が多いな。だから降ろす者も多いのか?」
「はい。腰が痛くて頼みましたが…駄目なら代わりに降ろして貰えるなら私だけで入城します。」
「あぁ…そうか分かった。では大人数だから奥の部屋に。」左奥の大きな扉を指さされた。
入室すると「通行証の確認と、こちらの書類に署名を。文字が書けなければ掌を広げて紙の上に押し付けてくれ。」
男達は、説明通りだと名前を書かず、紙の上に掌を押し付けた。
「全員押せたかな?」
「はい。終わりました。四枚です。」
「おや?おかしいことを言うな…あと八枚足りないぞ。どうする?
罪を認めるなら今しかないが、偽ればどんどん労働刑期が増える。判断は誰がする?
二ヶ月前に冒険者資格を剥奪された元強火の狼煙のメンバーの皆様。ジャンがまだリーダーか?」
「あっ…」驚いた顔と全員がジャンを見た。
「はい。ジャンから魔力攻撃確認ね。公務執行妨害追加。魔牢収監!」
いい笑顔の役人に、その中の一人の男が両手を上げ平伏した。残りの二人も続いた。
「樽の中の人どうする?」
「全面降伏します!言う通りにします。勘弁してください。」樽の中から声が聞こえた。
竜舎の森近くの業者専用出入口も業者が並んでいた。通行証を渡し荷台を引きながら通ろうとしたら役人から声をかけられた。
「竜が訓練で通るから、今日は左のドアからではなく奥の通路から出てくれ。狭くてすまんな。」
説明通りだなと男は安堵しながら奥に向かった。
2回に一度は竜の通りで変更があるから、慌てずそのまま荷車を引き歩いて行くように指示されていた。
ドアを開けると男が立っていた。「Eランクに落ちたばかりの冒険者ポール。罪を重ねるか?」
「あぁ…いいえ…。すみませんでした」両手を上げ平伏した。
「魔牢収監!」
荷車は消え、昨日あったばかりだった男達がそこにたくさんいた。
「あっ…なっ?ここは?」
一人の男が答えた。「ここにいるやつは降伏した者。借金返済の奴らばかりだよ。お前もだろ?」
「ああ…母親が人質だ。逃げられなかった。竜皇国王様に感謝してるのに…やりたくない仕事だったさ。」
皆ホッとした表情だった。




