241 フォールとマール8
タスワンズ湖の大樹の下で、大きな敷物の上に其々座り、サラ達が手際よく料理を並べていった。
「おおおおぉ…これはなんだ?手掴みで食べてよいのか?愛し子様。」
「お祖父上様。ルノアと様も付けずに呼んで下さい。」
「そうか…ルノア。マールを癒してくれてありがとう。私もフォールと呼んでくれ。」
「はい。私も愛し子だ!と立場を強調しました。普段はしませんので…お許し下さい。
私も来月で11歳です。お祖父上様の行動を見て大きくなっていきますので…
どうかラド様と私の模範となる夫婦のお姿を、末永くお見せくださいませ。」
「えっ…まだ11歳?…あぁ…そうかぁ…だからスカート短い…本当色々とすまなかった。」苦笑いのフォールだった。
「お祖父上。家族で会話や食事をして話すようになって…兄上の子供達の問題も、お義姉上の心の負担も、軽くなりました。
皆で話し合いながら、未来の竜皇国の為に、解決しようと前を向いたところです。
お祖父上。お祖母上。私たちの家族としての歩みは、まだ始まったばかりです。
お義父上や伯父のヴァリアード、そして兄上の家族、サラ達、福様、私とノアと家族の礎を一緒に作っていっていただきたいです。」
「あぁ…そうだな…サラ達も見分けもつかなくて申し訳ないが…精霊様。よろしく頼む。」
「私も本当にごめんなさいね。新しいことも勉強したいので…教えて下さい。精霊様。」
皆で話をしながら、ここ最近の竜神様の神託の話、自然崩壊の話、皆がそれぞれの話をフォールとマールに伝えた。
「竜皇国の者はこのタスワンズ湖の力強いオハギはたまらないだろうな…この緑茶も、ミタラシも、センベイも。」
フォールは、生まれてはじめて地面の上の敷物に座った。
そして外での家族との食事も経験がなかった。
素晴らしい風景と自然の中で、妖精様や精霊様が微笑んで手を振っている。
こんなに心が穏やかな時間も無かった。
隣にマールがいてくれて、この大事な場所を守っていかなければならないと強く思った。
「竜神様の言った通りだった…感謝いたします。竜神様。」フォールが呟いた。
「えぇ…フォール。隣にいてくれてありがとう。竜神様。感謝いたします。」二人でそっと見つめ合った。




