230 影の支配者
「リオンブラン王国前国王夫妻をも操った二大公爵家、ジュニア王太子と二王子の知略により謀反直前に収監!
獣人売買の影の支配者アシノニックス公爵家ルフォコン公爵家親戚筋一斉検挙の全貌!」
新聞を読みながら憤り震える手で紙面を握りしめた獣人は多かった。
臨時世界魔法会議の後、マーカーハザ王国からも南大陸カーナリアン王国からも誘拐された者達は数多く帰ってきた。
しかしその傷跡は深く未だに苦しんでいる者達が多くいた。
その日は前回と同じく午後一番にレオン国王の映像と音声が王国主要都市の中心部に浮き上がり響いた。
「先日は私の生誕祭を心より祝ってくれて感謝する。これからも愛する我が国と民のために尽力していく。皆協力してほしい。」
一つため息をついたあとゆっくりと話し続けた。
「前王妃主導で行われていた獣人売買だが、前回二家の公爵家の収監を苦渋の決断で断念した。証拠が全く掴めず、見送り、時を待った。
そしてついにアシノニックス公爵家ルフォコン公爵家親戚筋一斉収監ができたことをここに報告する。
十家一族全員を連座、爵位剥奪、全財産、領地の没収とし、強制労働を命じた。北大陸では生ぬるいとの声が多かった為、西大陸の砂漠地帯の鉱山に逃走防止の魔道具を付け送ることとなった。
怖い思いをした者たちの心が今も深い傷が残っていることを私は知っている。
王でありながら助けが遅れたこと、我が力が及ばす収監に時間がかかり本当に申し訳なかった。
お前たちの尊厳を踏みつけた者たちを私は決して許しはしない。
犯した罪を法のもとで最も重い刑で生きて償わせる。
我が名と竜神様に誓う。
お前たちの未来を私が守るから一緒に歩み続けてほしい。
生きることも辛いお前たちに生きてくれという願いが、どれほど残酷な言葉であるか…私を、傲慢な王だと罵ってくれ。ただ、生きて帰ってくれたこと、それだけが私の救いだ。リオンブラン王国に生きて帰ってきてくれて本当に本当にありがとう。」
目に涙をためながら苦しそうに話すレオン国王様にまた民も声にはならなかった。
末永くこの穏やかな泰平の世が続きますように…
傷ついた者が早く穏やかな日常を取り戻せるようにと竜神様に祈った。




