221 ラルフの癒し
ラルフが続けて話した
「話は変わるのですが…蛇さん達はみな意思の疎通が取れるのですね。
驚きました。クロリナラド殿下もルノアもサラ達からもとにかくつぶらな瞳が可愛いと…
大変失礼いたしました。私のところに来ていた綺麗なグレーの鱗と真紅のルビー色の赤目の子が最近見かけなくて…
ルル姫様と帰られたのか本当に寂しいです。…なんだか安心するんですよね。
大きな体でいつも静かで不思議と…時々遊びに来て欲しいと伝えて下さい。あと…これを渡して下さい。食べる時だけ小さな体になってお腹を飴分膨らませて本当可愛くて…
よく好んで食べてくれたので癒されいつも欠かさず置いていたのですが…
はぁ…こんなに溜まってしまって…販売の目処がたち、来月から新商品で塩コシアン飴を発売予定です。体調に気をつけて、無理をしないように、綺麗な鱗を傷つけないように、大切にねと伝えて下さい。」
優しい顔つきの照れ笑いだ。
ノワールルセポン侯爵家四男リキは、マクアリール公爵様の言葉に震撼していた。
グレー鱗に赤目の大きい蛇姿も見られても可愛いと話されているが…
ブラックマンバ公爵家次女ネネ様の事だとすぐに分かった。
ネネ様はごく稀に生まれる人型にはなれない始祖かえりだ。
ラルフ様が話されている意思疎通ができる蛇はみな蛇獣人だ。
ネネ様以外は皆人型となり警護もして隠密は蛇として隅々を調べ上げる。
皆魔力が多く魔術が得意な者しか隠密警護にはなれない。
ネネ様は例外で普段は3mの巨体をずるずると這ってわざと畏怖させ皆と群れる事はしない。
しかし何かあれば国内最速で移動し、掌の大きさまでに変幻できる為情報収集にも欠かせない存在だ。
そして神経毒と心臓毒を持ち、噛まれると極めて短時間で死に至る猛毒蛇と恐れられている。
そう蛇が可愛いとマクアリール公爵家の皆さんは平気で手で撫ぜ、顎下を擽り、鱗を褒め、給餌をする。
全て求愛行為であることを知らないであろうことは予測できたが…
リオンブラン王国では蛇は特に嫌われ者だ。
長く仕えている王族の皆さんだけはいつも平等で侮る発言をする者を絶対に許さない。
いつも守っていただいてきたのに…初めて使われた睡眠無臭薬が部屋に充満してることにも気が付かず…
皆が眠ってしまった。その間にルル姫様が誘拐された。
私は責任者として失態を命で償うと申し出たが、その命はルルの為に今後の仕事で償ってくれと…
王族の皆様に強く言われ留まった。発見後すぐにマクアリール公爵家に部下を連れ隠密でついたが…
皆から悪意や侮る気持ちが全く無く、本当に可愛いと思っている事は、よくわかった。
リオンブラン王国よりも美味しい食事と、清潔な寝床がいつも準備され、一日何度も高度な消臭魔法で配慮される。
そしていつも不足はないかと温かな言葉で気遣ってもらえる。
高待遇な毎日で皆がリオンブラン王国に帰らずマクアリール公爵家に骨を埋めたいと嘆いた。
今回の隠密警護任務も激戦を勝ち抜いた者しか帯同を許されなかった。
ネネ様はマリア様の護衛を任されている為帯同出来なかった。




