218 三兄弟フォル ジュスト サンセールのやり直し2
マクアリール公爵家にきて三兄弟の一番キツイ学びとなったのはヴァリアード様との時間だった。
毎回殆ど結界を張って貰えず自分達の結界だけでヴァリアード様からの授業を聞かなければならなかった。はじめての授業で私達全員魔力切れで倒れた。
魔力を増やす為には魔力切れを繰り返すことが一番で私達が一番避けていたことでもあった。
そして一日が終わり眠る頃またヴァリアード様が部屋にきて最後に魔術の基礎を何度も何度も何度も繰り返された。
魔力を使い枯渇寸前で倒れ眠り朝早く起こされる。
私達は竜神様に謝罪と毎日祈り真面目に取り組むことを誓った。
番の件があった翌日にはリオンブラン王国から護衛が三人についた。
侮る態度が相手に伝わり…「魔術でもお好きにどうぞと」言われ…カッとなった私達は相手に挑んだが誰一人勝てなかった。
竜人至上主義など一日で獣人に魔術返しと投げ技で吹き飛ばされた。
魔法を使わない獣人にでさえ敵わなかったのだ。
命の危険を感じ本当に恐ろしかった。全員で真摯な謝罪をした。
獣人はこれからも交代で付くからな…と言われクロリナラド様に聞いたが…いずれわかると言葉を濁された。
そして正直一番堪えたことが目の前にいたサンセールを見ることだった。
番の記憶さえ簡単に忘れているサンセールを見て恐ろしかったのだ。
これが私だったら……いや私だったかもしれないと危機感を持った。
そしてクロリナラド様がサンセールの記憶を戻すことなど全く考えていないことが決定的だった。
私達は番としか子供ができない。
普通王族が番を見つけたとなれば喜ばれ必ず白銀の誓いを早くにと…おめでとうございますと皆から涙ながらに祝福を受ける。
サンセールには国王様からも父上、母上からも一切の連絡がなかった。
私達は許されていない事、後継者から本当に外れたのだと理解をした。
何もかも甘かったのだ私達は…国王様からも父上からも一言も後継者の話など言われたこともなかったのに…
なぜ三兄弟の中から後継者を決めるなど安心してしまったのか…
横柄な態度、竜神様の愛し子様を侮る発言などありえない…絶対してはいけないことなのに…
何をやっていたのか…誰でも知っている常識がない。魔術も小さい時から学んできたのに成長がない。
皆真面目にやらなかった結果が今だ。
そして当たり前にあった王族としての未来が無くなった時のことを真剣に考えるようになった。
自分達には何もかも足りていなかった。実力も、体力も、魔力も、勤勉な態度も、学習能力も、本当に強い者としての責任も口先だけだった。
ヨーリアン帝国の卒院が最低条件だと王城での仕事にもつけないのだと…
成人後どんな生活をしていくのか?将来が不安となってはじめて皆必死になった。




