↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
21/442

21 魔石のランクと魔術学院

ヴァリー伯父様が、ふと思い出したようにルノアへ尋ねた。


「ルノア。魔石って聞いて、どんなものを思い浮かべる?」


「あ……」


ヴァリー伯父様は少し考えてから、手を叩いた。


「そういえば、基本的なことをまだ教えてなかったな」


そう言って、魔石について説明を始める。


「魔石は、魔獣から採れるものが基本だ。魔道具を動かすための魔力源にもなる。もちろん、値段によって質がかなり違うぞ。

安い魔石なら、使える時間も短いし、出せる力も弱い。

逆に高品質な魔石なら、長時間使えるし、頻繁に交換する必要もない」


ルノアは真剣に頷いた。


「庶民は自分で魔獣を倒して採ることもあるし、冒険者が採ったものを冒険者ギルドで買うこともある。市にも出回っているけど……まあ、魔石は偽物も多いから、詐欺には気をつけないとな」


「偽物もあるんですか?」


「あるある。見た目だけじゃ分からないものもあるからな」


ヴァリー伯父様は苦笑した。


「魔石は魔道具だけじゃなく、宝飾品にも使われる。特に綺麗に光るものなんかは人気があるけど、ああいうのは大抵、討伐するのが大変な魔獣から採れるんだ」


「ヴァリー伯父様も、魔獣を倒すんですか?」


「頼まれれば倒すぞ。でも、俺は自分で魔石を作るほうが楽だからな」


「作る……?」


ルノアが首を傾げると、ヴァリー伯父様は頷いた。


「魔力を固めて魔石を作るんだ。俺の場合は、相手の瞳を見て作ることが多い。瞳には、その人や魔獣が持っている魔力の特徴が出やすいからな」


「瞳から……」


「もちろん、本物の宝石だってあるぞ。宝石に呪避けや浄化、防御なんかの効果を付与することもできる。魔石を使う場合もあるし、宝石そのものに魔力を込める場合もある」


ヴァリー伯父様は、そこで肩をすくめた。


「まあ、俺たちにもできるけど、専門の職人もいるからな。他人の仕事まで奪っちゃ駄目だろ?」


「そうですね」


「結局、魔石も宝石も魔力に関係するものだから、何を好むかは人それぞれだ。……まあ、俺は宝飾品のことはよく分からんけどな」


ヴァリー伯父様は、あっさりと言い切った。


「その辺はラルフに聞け。魔石作りは高い魔力を持っていないとできないからな」


すると、お父様が小さく息を吐いた。


「ヴァリー様。そこまで説明するのでしたら、資格や品質についてもきちんと説明してください」


「おう、そうだった」


ヴァリー伯父様は、今度こそ真面目な顔になった。


「魔石を作るには、まず自国の魔術学園を卒業した程度の資格が必要になる。その先まで専門的に学べる魔術学院は、今のところ帝国と竜皇国にしかない」


「魔術学院……」


「そう。資格を持っているかどうかでも、作った魔石の価値は変わるんだ。

それに、魔石は作った本人が勝手に値段を決めるわけじゃない。

魔力濃度や魔力量、効果、持続時間なんかを解析用の魔道具で測定して、その結果をもとに品質が決められる」


「では、品質にはランクがあるんですか?」


「あるぞ」


ヴァリー伯父様は、得意そうに胸を張った。


「俺は五S。これが今のところ一番上だ」


「五S……」


「ただし、五Sの魔石を作ると、その日は魔力が空っぽになって倒れる。だから俺は、それ以上は狙わない」


お父様が呆れたように口を挟んだ。


「そもそも、五Sより上を目指す必要がありません」


「まあ、それもそうだな」


「ちなみに、お父様は……?」


ルノアが尋ねると、お父様は少し考えて答えた。


「最近は四Sです」


「四S?」


「これ以上、魔力を増やすつもりもありませんし、無理をすると疲れますからね」


そして、お父様はヴァリー伯父様をじっと見た。


「竜人皇族の方々も五Sでしたよね?」


「ああ」


「今のところ、五Sはヴァリー様と竜人皇族の方々だけです」


「そうだな」


「四Sは帝王様と、そのお子様方でしたよね?」


「……そうだったな」


「でしたら、最初からそこまで説明してください」


お父様の顔には、明らかに怒りが浮かんでいた。


「ヴァリー様は、いつも大事なところを後から思い出されますから」


「悪かったって」


ヴァリー伯父様は苦笑した。


「これも毎年、品質確認が行われるからな。魔力の質や効果が変わっていないか、きちんと調べられる」


そして、少し嬉しそうに笑った。


「それから俺は、ヨーリアン帝国の魔術学院で時々講義も頼まれる」


「学院で講義を?」


「そうだ。あそこは本当に実力主義だから面白いぞ。

貴族も平民も、獣人も竜人も関係なく集まってくる。職業も年齢もバラバラだ。

しかも、自分が学びたい分野を選んで学べるから、必要のない勉強を無理にする必要もない」


ルノアは目を輝かせた。


「それでは、好きなことをたくさん勉強できるんですね」


「ああ。それに、なんと全部無料だ」


「無料……?」


「ただし、半年に一度、試験がある」


ヴァリー伯父様の笑顔が、少し意地悪そうなものに変わった。


「成績が基準に届かなければ、容赦なく退学通知が来る。だから、かなり厳しいぞ」


「半年に一度……」


「俺とラルフは、最短の飛び級卒院記録を持っている。六ヶ月だ」


ヴァリー伯父様は、楽しそうに笑った。


「ルノアも目指してみろよ」


「私もですか?」


「ああ。次の記録は、ヨーリアン帝国の長男、次男、長女の九ヶ月だからな」


ヴァリー伯父様は、何故かそこで顔をしかめた。


「……あいつらの記録には負けるなよ」


「ヴァリー様?」


「本当に、口が生意気でムカつく奴らなんだよ」


「……」


ルノアは、なんとも言えない顔でヴァリー伯父様を見つめた。


どうやら、魔術の話をしている時の伯父様は、とても楽しそうだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。