208 レオンとマリアの体調不良
リオンブラン王国の執務室で早朝からレオンは一人仕事をしていた。いつもなら側にいてくれるマリアがいないだけでこんなにも部屋が広く心が落ち着かない。食事も味がしないから食べる気もせず…暫くするとマリアから魔力が送られてくる。まるでしっかり食べろ!と怒られているようだ。あぁタスワンズ湖を駆け回ってきたのだな…と少し違う温かい森の香りがしてマリアの体調が良くなってきていることがわかりそれだけで一日気分よく仕事ができた。殆どの業務を自分一人でできるようになったがこれを何年もマリアが整え夜遅くまで仕事していたことを思うとマリアに会いに行く気持ちにはなれなかった。マリアが帰ってきたい気持ちがないのならもう良いなと諦めもついた。
「おはようございます。母上からこれが届きましたよ。母上も同じように作って欲しいそうです。」
「何?これ?マリアの魔力の匂いがするね…飴?」
「はい。マクアリール公爵領のりんごでルノア様に教えてもらいながらルルと一緒に作ったそうですよ。こちらはルルから僕たちに送ってくれました。朝からマクアリール公爵家にお邪魔することになっていますが父上も来て欲しいそうです。一緒に行きましょう。」
「いいや行かないよ。またマリアが体調悪くなってもいけないし…僕も仕事を片付けたいから楽しんでおいで」
「そうですか…わかりました。では口を開けてください。」小さな飴をジュニアがレオンの口の中に飴を入れた。
「父上が食べないと母も食べれないみたいですよ…ベッドで眠る時間が増えて心配してるそうです。行かなくて大丈夫てすか?」
「そうか…あまり私も体調が良くないんだ。でももういいかな…という気持ちなんだ。仕事を見ていても三兄弟で任せても安心だとよくわかったし僕より優秀だからジュニアあとは任せたよ。とにかく気をつけて行っておいで。飴も美味しかったと伝えておくれ。」レオンはそのまま書類仕事を再開させた。
「……まずいな」
執務室の補佐官に10時のお茶の時間をつくり母上が魔力を入れて作ったテンサイを紅茶に入れて飴と一緒に必ず出して飲ませて欲しいとお願いした。
三兄弟でマクアリール公爵家に急いだ。
マクアリール公爵家の応接室でやつれた母とルルに久しぶりにあった。
「レオンは何も食べていないのね?先程魔力を送ったのだけどいつもなら送り返してくれるのに…体調が良くないのね。」
「此方にも誘ったのですが…また母上が体調が悪くなるといけないと仕事を終わらせるそうてす。私達三兄弟に仕事を任せても安心だから後は任せたと言われました。飴も美味しかったと伝えてと。あまりにも遠いのでせめて同じ王城内で過ごされませんか?もう殆ど一人で仕事もこなせていますし元々優秀な方だったのだなと驚いてます。もう父上が天に還ったと聞いても後悔はしませんか?お願いです。かなり良くない状態だそうです。シルバーライオンは番がいなければ一ヶ月と持たないそうですよ。私もシルバーライオンの伝記や先生方からも習いましたから…」
「……あぁ…ごめんなさい。直ぐにもどります。支度も終わっていますから…たくさん心配をかけてしまい時間をありがとう。ただ移転出来る魔力がないの…レオンの執務室にこのまま移転させてもらえる?しっかり怒らないと…ラルフ様本当にありがとうございました。急いで戻ります。」また手で眼を押さえた。
「お母様。早急に戻りましょう。父上にも承諾いただきたいですし…」
「承諾って?何?」三兄弟の視線が一斉にルルに向いた。
「マクアリール公爵家で飛び級試験を受けて合格したの。ヨーリアン帝国の留学試験にも合格したから色々誘拐とかあったし…心機一転ヨーリアン帝国の学院で勉強したいことが見つかったから。お兄様達応援してください。お願いします」
「その話はあとで!とにかく移転します。ラルフ様本当にバタバタと失礼いたします。ムナ後を頼んでいいかい?」ムナが頷いた。
「ライ ロア 魔力貸してくれ 移転!」真ん中にマリアとルルを入れ三人が手を繋ぎ一瞬で消えた。




