190 番だからの免罪符はない
「母上に会いに行くのならせめて風呂に入り清潔にして行って下さい。リオンブラン王国の国王として…番だからの免罪符はないです。現実を見てきて半日で戻ってください。」
マクアリール公爵家ではマリアが殆ど眠りにつくようになった。とても気持ち良さそうに眠っており…時々起きて沢山食べて耳長兎になってタスワンズ湖を駆け巡り帰ってきてお風呂に入りまた眠るを繰り返していた。公爵家の主治医も死に向かっているのではなく、自然が多いマクアリール公爵領が今のマリア様にあっていて癒され本来の自分で自然治癒する力を取り戻していると皆を安心させた。
久しぶりにレオンの匂いがして目が覚めた。ベット横の椅子にもたれかかり座りスヤスヤと眠っていた。
目の下には酷いクマがあり体も一回り小さくなった気がした。やはり番を見ても心が弾むこともなく…ただ家族としての情が残っているのだなと冷静に自分の気持ちを理解した。スッと癒しと魔力回復をレオンにかけた。
「マリア…すまなかった。許して欲しい。」一応は反省したのかと言葉を待った。
「ジュニアにかなり怒られた。ドレスのことも恥をかかせてしまい、今更だが申し訳なかった。殆ど眠っていたと聞いて…心配したし驚いた。今は体調は大丈夫か?痛いところはないか?」
「はい。痛いところはありません。毎日ゆっくり休めて…快適に過ごせております。私は仕事に戻りません。」
「分かった。ゆっくり休んで…明日また来る。」
「いいえ。今は忙しいはず…ジュニアに任せて自分のしたいことをする国王…無責任は許しません。自分の仕事をよく考えてまわりの迷惑にならない国王になって下さい。自分がされて嫌なことは当たり前ですがまわりにしないように…機嫌を取らなければ仕事しないなど最悪です。今までの生活を思い出すと気分が悪くなるので帰って下さい。あとこちらを…」
未開封の手紙を渡された。「ルルに言われるまで気が付きませんでしたが番の腕輪が薄くなっていました。貴方を見ても…心が弾むことがありません。手紙も嬉しくありません。自分で書いたこの手紙をよく読んでみてください。贈り物も…まわりに準備をさせ仕事を増やしているだけだからやめて下さい。よくまわりの顔色を見て下さい。貴方の機嫌を取らなくてはいけないまわりが疲れていることを。国王をすると最終的に決めたのは貴方なのですから…シルバーライオンだからではないです。民が望んでいても…やめる選択もあると私は何度も言いましたよ。仕事は仕事なんですよ。退室を…」表情のないマリアを見てもレオンは信じられなかった。




