189 レオンの薄い証
リオンブラン王国の執務室では全く眠れなくなった衰弱したレオンが顔色悪く仕事を続けていた。「…なんで仕事が終わらないんだ!なんでマリアから魔鳥便がこないんだ!俺は会いたくて死にそうなのに…なんでこんなに無視されているんだ!」
ジュニアがもう限界だろうと思った。「父上…父上がいつも母上の気持ちを無視して従わせてきたからですよ。番でもお互いの気持ちを考えて尊重し話し合っていかなければ…気持ちは当然のように離れていくんです。父上あなたは見てましたか?母上の顔色の悪さを…父上に何度も何度も言っていましたよね?話し合いをしたいと…貴方が無視続けていたんです。だから母上の心は離れたんです。番の腕輪の契約の証を見てください。それが母上の今の気持ちですよ。」
「………!?なっなんだこの薄い証は…ここには…ここには私のシルバーと青色の私の魔石がはっきりとあったのに…身体の中に埋まってしまったのか!?何処にいったのだ!」
「父上が母上の気持ちを考えず自分だけの気持を優先し続けてきた結果です。このままでは母上も父上も天に還ります。もう父上と離れていても平気なのですよ。母上は…だから魔鳥便の返信もないし、国内の問題が片付いても帰ってこないのです。母上は父上の側にいなくても平気なのです。母上の部屋は私の小さい時は壁紙は青色でしたね。何十年前からでしたか?母上の部屋は自然木材と穏やかな色彩の部屋に変わっていったのは…王妃が自分で着付けヨレヨレなドレスで社交に出て失笑され父上がその度に罰して…結局母上の仕事が増え溜まりどれだけ寝不足の中で公務を続けていたのか?自分以外の匂いがつくのが嫌だと…どれだけみすぼらしい恥ずかしい国の代表の王妃にしたのは貴方なんです。その中で毅然と立っていた母上…笑われ続けていたのは全部貴方の我儘のせいなんです。自分の事を自分でしないだらしない男、やれるのに自分でやらない母上の負担しかならない男、嫉妬し我儘を押し通し睡眠不足の母上を働かせる無能な男、貴方の我儘で疲れ果てたんですよ。自分の希望を聞いてくれない話し合いのできない男に気持ちは離れますよ当然です。シルバーライオンがそんなに魅力がありますか?ただの色違いですよ。優しい母上は疲れ果て去ったのですよ。疲れすぎて…天に還った方が母上にとっては楽なのかもしれません。」
「…………嘘だろ?天に還るほど私が嫌なのか?番だろ?甘えていいのは番だけだろ?…マリアはマリアは俺に甘えたことがあった…はず…!?いつも私の世話を優しくしてくれてたじゃないか!」
「父上。母上の世話をしたことがありますか?ないですよね?いつも押し付けるだけです。好きだと言われた事がありますか?私は何十年も母上が父上に気持ちを伝える所を見ていませんよ。母上は貴方の母親ではないのですよ。召し使いでも侍女でも思い通りになる人形でもないんです。気持ちのある獣人なんです。父上がしてきたことを父上がされても気持ちは変わらないのですね?母上はもうあなたのそばにいません。現実を冷静に見てください。」




