17 お父様の準備
ヴァリー伯父様の魔鳥便が届いた。
「ルノア。明日のお昼過ぎに行こうと思っている。
買い物に一緒に行っても良いが、ラルフから私もまだ買い物も一緒に行ってないから駄目だと言われたよ。エミリアの時は譲ったからルノアは駄目だと、昔のことを愚痴愚痴言い始めて…全く大人げない。
あぁ仲が悪いわけではないから心配するなよ。
今回は何か美味しい茶菓子を買って行くからな。ルノア楽しみにしてくれ!明日な!」
白い鳥がルノアにすり寄って嘴で指を突付いた。
可愛いなぁと顎下を触り魔力をあげた。
頭の中に名前をつけて!と声が聞こえた気がしたが…白ちゃんかな〜と声を出しながら撫でてあげた。
全身の白い羽根が大きく膨張してブルブルと震えて少し大きくなったような気がした。
「まぁいいっか!」と顎下を撫でヴァリー伯父様に返した。
福ちゃんも近づいてきたので同じように魔力をあげた。
福ちゃんに魔空間に入る?と聞いたら首が左右に振られた。
そう最近何となくこちらの言葉を理解している感が出てきた。
お父様に言われた通りこの大きさで止めるよ!と伝えたら頭を上下に振った。
理解してそうだったから、「えらいね」とまた撫でて抱きしめた。機嫌よくフゥフゥと鳴いた。
最近お父様は毎日夕方に帰ってきて、夕食は二人で食べるようになった。
仕事が忙しい時は、家に持ち帰ってくることにしたそうだ。
そして宰相補佐官の五人に、仕事を平等に振っていると話を聞いた。
「ルノア。私は二年後に宰相を降りる準備を始めたよ。ヨーリアン帝国に一緒についていこうと思う。
勿論、誰にも伝えてはいない。領主の仕事も今任せている執事と相談している。領主としての仕事を、ルノアにも教えていきたいと考えている。
もしルノアが魔術師として生きたいと考えても、領主として生きたいと考えても、冒険者になりたいと話しても、何人にもなれる可能性を潰さないであげたい。
私の仕事を押し付けたくないと思っているんだ。
私は本当は魔術師団に入り魔術師として国を守りたかったと、思い出したんだ。
ただ両親からは宰相として今の基盤を、引き渡したいと言われた。家は私しか子供がいなかったからね。
国を整えることは大変でもあったが、楽しさもあった。
でも私は尊敬出来る人の下で働きたいと、考えるようになった。
ヴァリー様の今までの精算と請求支払い額が大きくて、王が税率をあげると言い出したんだ。
自分達の贅沢を辞めずに。いくら諭しても変わらない人なんだと見切りがついた。
国替えを今の所するつもりはないが、ハーマイル公爵に体調不安を理由に、宰相職の打診をしてみたんだ。
そうしたら思いの外好感触で、調整をしながらゆっくり外堀を埋める準備を、始めたよ。
ライド殿下からは何度か面会の要請が来たんだが、王に直接お断りを伝えたんだ。
この程度の妨害で諦めるようなら、ライド殿下もまだ九歳だから…仕方もないがね。
第一と第二よりはマシな位。少し王族特有なのか?横暴なところもあるのが見えた。
魔術が得意と少し自惚れが気になる。私の方が魔力量は多いのに…他を知らないなと。
あとはハーマイル公爵を、味方に付けるしか方法は無いだろうと見てる。」ちょっと黒い笑顔で笑っていた。




