167 ムトンブラン伯爵家のムナ
マクアリール公爵家に衣装飾店のイマルが新商品の布を持ってきて欲しいと呼ばれた。
「サラ様今日は?」と質問した。
「あぁ…そうでしたね。イマルは見分けることができましたね?お久しぶりです。実はリオンブラン王国の王妃マリア様と王女様のルル様が療養で滞在されておりまして…お二人は獣人なので尻尾があります。ドレス対応をして貰えるとは分かっていますが…あと獣人に対しての礼儀作法も大丈夫だとは思いますがそれも一応の確認です。新しく従業員の方も増えたと聞いたので…あっそちらが?ムナさんですか?あぁ…」
「サラ様…大丈夫です。そうなんです。ムナさんも獣人なんです。ただ記憶を失っていて…実は飛込で面接希望だったので警戒もしたのですが…新商品の布をとにかく興味を持たれて全く不快感がなく布に触ったのです。そこから微かな記憶が戻ってムナと名前がわかったので…魔法が得意で警護もお願いしました。変幻も…解いてもよろしかったらそのままの姿で大丈夫でしょうか?」
「はい。是非…」その場でムナさんが変幻を解いた。
「あぁ…白羊…もしや…すみませんが少しお待ちいただいてよろしいですか?」慌てて退室していった。
二人は頭を傾げお見せする香木の新商品の織物生地を並べていった。
慌ただしく一人の女性が入室してきた。
マリア王妃様が「あぁ、間違いありません。サラありがとう。間違いなくムトンブラン伯爵家のムナです。行方不明になって…あぁ良かった。本当に…ムナのお母様ユリアナと小さい頃からお友達で…ルルを覚えていますか?」
「ルル?…ルル…?あぁ…もしかして甘えん坊のルルちゃん?」
「はい。甘えん坊ルルのお母様です。」
「ああぁ…お母様の…王妃様…はい…ルル様…近くにいらっしゃるのですね。ルル様の侍女をしておりましたから…だから布にもドレスにも…あぁ…ルル様が呼んでると黒豹の侍女に後から薬草を嗅がされて倒れて頭をぶつけて…全て思い出しました。両親や兄は大丈夫ですか?心配させてしまいましたね…」
「大丈夫です。魔術騎士団長として指揮をとっております。直ぐに連絡するからね!」マリアはすぐに魔鳥便を送った。
イマルが言った。「所作と言葉使いが貴族ではないかと思っておりました。ドレスの着用も教えなくても出来たのです。なるべく貴族対応をお願いしたんです。情報があるかもと…残念ですが寂しくなります。」
部屋にノック音がしてルルが入室してきてそのままムナに飛びついた。「ムナ…さっきからムナの匂いがして…まさかって思ったけどムナで良かった。お母様からムナも誘拐されたと聞いて…グスッ」
「やっぱり甘えん坊泣き虫ルル様ですね。しっかりしてくださいませ。王女様。ムナも頑張って逃げて…香木のいい匂いがして…きっと安全だと思って駆け込んだんです。」




