14 王家からの婚約の打診
ラルフはルノアを呼んだ本題について、話し始めた。
「実は王家から第二王子のサリド殿下と、婚約の打診があった。
ヴァリー様の黒銀の鎖が解け、ルノアを婚約で繋ぎ止めたいからだと思う。
ヴァリー様は必ず断りなさいと連絡が来たよ。
ルノアに最終的な意味で断っていいか?の確認をしたかったんだ。
ルノアの話を聞いた限りもう無いと、思っているがね。」
「お父様の立場もありますし…会わずにお断りする事は、失礼にはならないですか?」
「確かに会ってサリド殿下が失態をすれば、それを理由に断る事は出来る。
だが次に聡明な第三王子ライド殿下が出てくれば、もう逃げられないだろう。
ルノアも分かっているだろう。第一王子アキド殿下14歳よりも、第三王子ライド殿下9歳が優秀な事も。
その覚悟がルノアにあるのか?聞いておきたいのだ。婚約者候補がいると話していたからね。
第一王子アキド殿下の婚約者はハーマイル公爵家の次女だ。
優秀な彼女が婚約者である限り、後ろ盾が強いから王太子の立場は変わらないだろう。
ただそれも流動的だと私は見てる。第一、第二王子は王の器ではない。
まだ第三王子ライド殿下であれば、間違いないのでは?と私は見ている。」
「会わずに済むのなら、お断りをしたいです。
出来たらお母様が留学したかった、ヨーリアン帝国に留学がしたいです。
お父様も本当は、この国から離れたいのではないのですか?」
ゲームの中で何度も父ラルフの娘に対する重い愛情を、いつも羨ましいと思って見ていたのだ。
娘が魔界の森ENDになってしまうと、毎回何行かに父ラルフの後悔と、懺悔が文章で書かれていた。
本当はこうしたかったのでは?と思う文章が…
「この国を離れたかった。」それが正解に近いのではないか?と思ったのだ。
エミリアとの約束を守るためだけに、宰相を続けている。ルノアが好きな相手と、結婚出来るように。
自分が宰相として力を持っていなければならない!そう思いこんでいる言葉がいつもゲームの中にあった。
でももうルノアの中では、「結婚ではなく誠実に真面目に生きる。魔界の森ENDを回避したい」になっている。
ただもう元凶のアテリアナ伯爵家マリナはいない。
ヴァリー伯父様も、自分の意志で、自由に、国を守りたいと話していたから。
宰相として働くことが、本当に父がしたいことなのか?聞いておきたかったのだ。




