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実は魔鳥便などの使役は本当は便利な道具と同じだ。魔力を使い続けることになるから使う時に作って使い終わったら消してしまう。家族として大事にしている者をラルフは見たことはない。冒険者や魔術師の中には魔獣をテイムしてパートナーとして自分を守らせている者もいる。
使役の福がルノアの家族感情や下の者を大事にする心を育てる事に役立つのではと考えたのだ。
元々ルノアは幼く我儘でかなり周りを困らせていた。王宮の茶会後から急に大人びて冷静に周りを見て話すようになったが元々性格も苛烈な高位貴族の一面が殆どだったのだ。今は全くその激しさがなく穏やかになった。その違和感も消えない。ラルフはなぜかエミリアの言っていた事を思い出していたのだ。
「女の子は急に成長する時があるの。違和感を感じるかもしれないけど 自分の立場を考え変わったらじっくり様子を見てあげて。辛そうだったら寄り添って欲しいの。そしてどんなきっかけだったか聞いてあげて欲しいわ。今までの行動が恥ずかしいと思っているなら慰めてあげて。私もラルフに会って凄く変わったでしょ。恥ずかしかったけど。」やはりルノアに聞こうと思った。
「ルノア。私は茶会の後からルノアが急に大人びてしまったと思ったんだが何かきっかけがあったのかい?誰かから何か厳しい言葉を言われたのかい?言われたならお父様が相手の真意を聞くから話して欲しいんだ。何もなければ無いでも大丈夫だよ。」
あっと驚いた顔をしたが苦笑いしながら話し始めた。
「サリド殿下が私を嫌なものを見るような目で見たの。私は凄く楽しみにしていたのに。王族だからといっても私は公爵令嬢でしょ。そんな態度を誰からもとられた事が無かったから驚いたんです。私が何か嫌な事をサリド殿下にしたのかな?って考えても男女と学び舎が違うからお話したことも無かったし。学園で女の子とサリド殿下の噂話はしてたけど…悲しくなりました。でも私は今までどうだったんだろうって考えてしまったの。そしたら自分が我儘で横暴な子供だったと気が付いて恥ずかしくなってしまいました。」
ルノアは父から聞かれるだろう質問の答えを準備していたのでそのまま答えた。
実際サリド殿下には嫌顔もされたし無視もされた。
学園でもサリド殿下に相応しいのは私しかいないでしょ?の態度だったから絶対私が悪いと思うが。
お父様の顔を見たが…ちょっと怒っているかも?のお顔だった。
「家は王家に舐められているな。考えを改めなくてはならないな…」ラルフは小さく呟いた。




