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転生したのでレアアイテム集めたい…えっヒロイン退場してしまいました  作者: 5H


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13 茶会後のルノアの変化

実のところ、魔鳥便のような使役魔は、本来なら便利な道具とほとんど変わらない。


魔力を与え続ける必要があるため、必要な時に作り、役目を終えれば消してしまう。それが一般的な使い方だった。


ラルフも、使役魔を家族のように大切にしている者を見たことはない。


もちろん、冒険者や魔術師の中には、魔獣をテイムし、自分を守るパートナーとして共に生きている者もいる。


けれど、ルノアと福の関係は、それとは少し違っていた。


福を家族として大切にすることで、ルノアの中にある家族への情や、自分より立場の弱い者を大切にする心が育っていくのではないか。


ラルフは、そんなことを考えていた。


もともとのルノアは、幼く、我儘なところがあり、周囲をかなり困らせていた。


高位貴族としての立場を当然のように受け入れ、自分の望みを通そうとするところも強かった。


けれど、王宮の茶会を境に、ルノアは急に大人びた。


周囲をよく見て話すようになり、相手の立場を考えるようになった。


以前の苛烈さが嘘のように消え、今では驚くほど穏やかだ。


それは良い変化だった。


だからこそ、ラルフの中には、どうしても消えない違和感があった。


――いったい、何があったのだろう。


そんな時、ラルフはふと、エミリアが昔話していたことを思い出した。


『女の子は、急に成長する時があるの。

違和感を感じるかもしれないけれど、自分の立場を考えて変わったのなら、じっくり様子を見てあげて。

もし辛そうだったら、寄り添ってあげてほしいの。

そして、どんなきっかけがあったのか、聞いてあげて。

今までの自分の行動を恥ずかしいと思っているのなら、慰めてあげてほしい。

私もラルフに会って、すごく変わったでしょう?

……あの頃は、恥ずかしかったけど』


エミリアの言葉を思い出し、ラルフは決めた。


やはり、一度ルノアに聞いてみよう。


「ルノア」


「はい?」


「お父様はね、王宮の茶会の後から、ルノアが急に大人びたように感じているんだ」


ルノアが不思議そうに顔を上げる。


「何か、きっかけがあったのかい?

誰かに何か厳しいことを言われたのかな?」


ラルフは少し心配そうに続けた。


「もし誰かに何か言われたのなら、お父様が相手の真意を聞いてみるから、話してほしい。

もちろん、何もなかったのなら、それでも大丈夫だよ」


ルノアは、あっと驚いたように目を見開いた。


けれど、すぐに少し苦笑いを浮かべた。


「……サリド殿下が、私を嫌なものを見るような目で見たんです」


「……そうか」


「私は、すごく楽しみにしていたんです。

王族だからって、私は公爵令嬢でしょう?

そんな態度を誰かにされたことがなかったので、すごく驚きました」


ルノアは少し考えるように視線を落とした。


「私が何か、サリド殿下に嫌なことをしたのかなって……」


「……」


「でも、考えてみても、男女で学び舎が違うから、サリド殿下と直接お話ししたことはほとんどありませんでした。

学園で女の子たちと、サリド殿下の噂話をしていたくらいで……」


ルノアは少し寂しそうに笑った。


「それなのに、あんなふうに見られて……悲しくなりました」


そして、しばらく黙ったあと、小さな声で続けた。


「それで……私は今まで、どうだったんだろうって考えてしまったんです」


ラルフは黙ってルノアの話を聞いていた。


「考えていたら、自分がすごく我儘で、横暴な子供だったことに気が付きました」


ルノアは恥ずかしそうに俯く。


「……すごく恥ずかしくなってしまったんです」


その言葉に、ラルフは何も言わず、娘を見つめた。


ルノアは父から聞かれるだろう質問の答えを、ずっと前から自分の中で考えていた。


実際、サリド殿下から嫌な顔をされたことも、無視されたこともある。


学園でも以前の自分は、


――サリド殿下に相応しいのは私しかいないでしょう?


そんな態度を、当たり前のように取っていた。


だからこそ、ルノアは思っていた。


サリド殿下に嫌な顔をされたのは、自分にも原因があったのだろう。


絶対に自分が悪い。


そう思ったからこそ、今までの自分を振り返ることができたのだ。


ルノアがそっと父の顔を見る。


「……お父様?」


ラルフは、少しだけ険しい顔をしていた。


怒っているようにも見える。


ルノアは不安そうに首を傾げた。


するとラルフは、小さく呟いた。


「……我が家は、王家に舐められているな」


「え……?」


「考えを改めなくてはならないな……」


低い声だった。


ルノアは、その言葉の意味が分からず、ただ父の顔を見つめていた。


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