139 オハギの魔道具
扉を激しく叩く音がしたが扉が開くことはなかった。
「扉が開かないのは悪意があるからだ…他の店に行ってくれ。俺にも扉は開けられねぇ。」
「お節介をしていいか?ナイン?この扉が悪意あるものからは見えなくするように結界を追加したよ。見えてしまっては狙われるから…」
「あぁ。程々にな…多分さっきのは俺の義弟なんだ。毒も呪もあいつだよ。これが妖精達が隠していた酒だ。いつも高く買ってやってたんだよ。生活に困ってたから…母親に頼まれてたけどな…俺は嫁と仕事と街を守らなければならん。父親と約束したんだ。充分にしてやったと諦めもついた。」ラルフが水ちゃんに言った。
「そうか…水ちゃん憲兵に連絡を。この酒を渡してくれる?頼みます。」
ルノアも水ちゃんの頭を撫で魔力を少し渡した。ブルブルと震え少しまた大きくなり一瞬で消えた。
「なぁ…あれも使役ではないよな。お前の守護獣?水ちゃんって水色ですんごく可愛いけど凄いな…」可愛いものが大好きなんだとルノアも笑った。
「俺が来ない間に何が新しい物が発売されてる?」
「あぁ家事の手伝いをする新しい物は公爵家には卸してるから…調理場は立ち入らないか…料理長から時々頼まれるからこちらも楽しませて作成させてもらってるよ。何か必要な物があるのか?」
「あぁさっきルノアとも話してたんだが…竜皇国にも支店を出したんだが全然数が足りなくて…はじめて魔道具を使用して大量生産出来ないか開発してる人がいるんだけど…オハギの味が全然程遠い完成度なんだ。ルノアが数字化した方が良いと言うんだが…」
「たしかに…美味いからなぁ…沢山食べたいけどあれも紙に書いてあるだろ。一日一包みにしろって。エミリアの言うとおりだぞ。守った方がいい。」
「たしかに…人族にはな。竜人とか獣人とかエルフは関係ないんだよ。やっぱり体力や運動量や魔力量や身体能力が全然違うから足りないんだよ。俺も魔獣を食べるようになったんだ。前は食べなくても平気だったけど…この指輪でなぁ…」
「そっか大変だな…全部を一つで作るより精密に何個かに分けて開発してくといいぞ…エミリアの要望は細かすぎたからな…懐かしいよ。でも魂が刺激されるんだよ。」ナインが笑った。




