135 お父様の思い出の場所
食事する所は少し離れていると聞いてお父様が水ちゃんにお店の連絡を頼んで皆を一緒に移転させてくれた。二階建ての二階テラス席に支配人が立っていた。
「お待ちしておりました。公爵様。ルノア様ご卒園おめでとうございます。オハギと緑茶も皆で美味しくいただきました。ありがとうございました。」深いお辞儀をされた。
「今日はエミリア様とお二人でタスワンズ湖を見ながらお食事をされていた席をご用意いたしました。ごゆっくりお過ごしください。」
前は遠くに見えたタスワンズ湖も今は壮大な大きさになりマクアリール公爵領側の元々あった散歩道は変わらず民の憩いの場所となっていた。前までは湖水に入ることができたが今は岸から離れ湖水までは手が届かない。散歩道からは結界がはられていた。対岸は遠く薄く霧がかかっていて岸は見えなかった。澄んだ湖水が続いていて晴れてはいるが立ち入りを拒んでいるような幻想的な雰囲気だった。
「どうだい?タスワンズ湖は?」
「はい。大変落ち着いていて心地の良い感じです。良かった。喜ばれている感じがします。対岸はよく見えないのですが沢山の妖精様や精霊様が湖上でこちらを見て手を振っていらっしゃいますね。」ルノアは軽く対岸の方向にお辞儀をして席についた。小さな妖精様達が周りに飛んではいるが少し離れて見守っているという感じだ。
「食事量は伝えてあるから大丈夫だからね。ここは竜皇国からも竜人の方の旅行先でも人気があるそうだよ。オハギや緑茶も十個までは買えるから予約されて取りに来る方もいると聞いてる。竜皇国もまだまだオハギの量が足りていないんだ。魔道具の導入を考えているんだけどルディノール様が色々と試作されているけどまだまだ先の感じだよ。」
「一度職人が作っている所を見学して手の動き方や時間や作業工程をしっかり数字化した方がいいと思います。見た目や感だけでは駄目ですから。産地が違えば食材の水分量もちがいますから…豆やモチゴメその日の天候により水分量を調整するのが一番大変とお母様が話されてましたね。今でも料理長は必ず水分を魔道具で計って見た目と味と確認してます。豆は特に気を使うと…潰れすぎては駄目だし硬すぎても気になると…良いものが作れるといいですね。楽しみです。」
「そうかぁ数字化か…早速帰ったら言ってみる。前進するといいな。あっ料理が来たよ。今日はエミリアとルノアの好きなものを中心の献立にしてもらったよ。沢山食べよう!」




