115 ブランシュ公爵家シェット
他の教師全員が退室していった。
学園長が「使役様の事で少しお話が…」福ちゃんが現れて結界を張った。
「福が結界を張り直したから大丈夫だよ。」ルノアの横に立った。
「やはり我が家に伝わる伝承は本当だったのですね。白梟が守る方が世界を守る方だと…
そんなふうに我が一族全員に語り継がれております。」学園長がすっと立ち上がり右掌を左胸に腿近くまで頭を下げた。
「竜神様の愛し子様でいらっしゃいますね。
カーナリアン王国ブランシュ公爵家シェットです。」
ルノアが驚いてサライを見たら頷いたので
「頭を上げてくださいませ。式典以外は今後も目礼でお願いします。」
「はい。承知いたしました。その時々の時代により魔力の強い方に譲りますので必ずではありませんが、魔塔の長、魔術学園の学園長をする者と伝承されております。
白梟の獣人と竜人の祖をもっており博覧強記の竜人と呼ばれて長いです。
お休み明けからルノア様から竜気と神気を感じておりました。」
福ちゃんが言った。「懐かしい…というか…温かい気持ちになるのは同胞の血が騒いでいたんだね。抱きしめていい?」
「はい。よろしいのですか?」学園長が白い羽根の中に埋まった。
「うん。ちょっと夫婦で内臓が悪かったから治したよ。
竜神様がね…古竜種なんだから番とちゃんと長生きしてって。
伝承をしっかりこれからも伝えて欲しいって。
新しい王にも、しっかり伝えるから心配するなって。」
「…私共などに大切な…精霊様の問題の後から…なんと愚かな世の中に生きる事に疲れてしまいました。
ご心配を申し訳ありません。
どんな感謝の言葉を伝えたらよいか…必ず番にも伝えます。」涙声の学園長にルノアが言った。
「今は私が近くにいて大丈夫ですか?」
「はい。福様が結界を張ってくださったので大丈夫です。
番様がもういらっしゃるのですね。誓いの腕輪がしっかりと見えますので…
私の匂いが逆鱗に触れないか心配ですが…」
「大丈夫ですよ。番以外は誰も私には近付けませんので…
この距離でも大丈夫ですから安心してお話下さい。
気を使っていただきありがとうございます」
「まだ全て秘匿なのですね…」
「はい。色々と時期をみて安全にという感じですが…正解はよくわかりません。隠秘魔法が完璧すぎて…とお話を聞いて正直に申しますとやはり普通の暮らしを望んでおります。
このままで何もなければと言うのが私の理想でしたが…。
先程のように家同士のお話となると…未来ある若者の人生が変わるのですから。未成年とはいえ厳しいかったでしょうか?」
「規則を守っている人がいる限り、守らない人も自分の行動に責任を取らなければ社会は保たれません。
残念ですが、そこからもまた学びはあります。
改めて見直し生きるしかないです。
この後はヨーリアン帝国か竜皇国への学院の入学の推薦状をお書きすればよろしいですか?
両方の推薦状をお書きすることもできますのでまたお伝えください。
今後も愛し子様が静かにゆっくり学べますようにお祈りいたします。」
「はい。ありがとうございました。学園長先生もお体を大切にお過ごしくださいませ。
福ちゃん大丈夫?もう一回抱きしめても大丈夫ですか?
福ちゃんが同胞に会える事はないと思いますので…
できればこれからも交流を持たせていただけないでしょうか?」
「よろしいのですか?私としては妻にもあって貰いたいですね。
久しぶりに白梟に会いましたので…シェットと呼んでください。」
「うん。シェット!ルノアの先生だから福ちゃんで大丈夫だよ。福ちゃんって呼んで。」
そう言って学園長を思いっきり白羽の中に埋めた。
「はい。福ちゃんまた遊びに来てください。いつでも大丈夫ですからね。」
学園長は不思議な懐かしさに涙が出た。嬉しかった。




