第82章 リスタート
ここはゼロ・ワールドと呼ばれるとある異世界
世界大戦と円環の騎士団による侵略
更には女神令による世界のリセットを乗り越えた事で世界には平和な日常が戻っており
ここ魔王城においても
大戦前のような日常が戻っていた。
マリー『魔王様…ただいま戻りました!』
カズマサ『マリー!もう天界は大丈夫なのか!?』
マリー『はい!天界を復元させた功績でこの世界の女神令も正式に取り消されました!また以前の暮らしに戻れますね!』
2年ぶりに再会する最愛の側近マリー
親友である麻美と和解出来た関係か、その顔は以前よりも穏やかなものとなっており
そんな彼女は新たに幹部となった魔王軍の面々を確認し
苦言を漏らした。
マリー『魔王様…私という者がありながら女性ばかりをスカウトしたのはどういう事ですか!?』
カズマサ『あ…アクエリアとシルフィードの事か…?あいつら地上にも天界にも居場所がないらしくてさ…うちで引き取る事にしたんだよ…』
現在の魔王軍幹部は
アクエリア、シルフィード、テスタロッサの3人
世界の復元作業をしていた彼女達から事情を聞いたカズマサは、3人を魔王軍へとスカウトする事に決め
居場所のなかった3人は2つ返事で彼の誘いに乗っていた。
現在3人はかつての作戦拠点となっていた氷土基地にて待機中であり
マリーの帰還を知った彼女達は
すぐさま魔王城へと戻ってきた。
アクエリア『水魔騎士アクエリア!ただいま戻りました!』
マリー『アクエリア!!何なんですかそのハレンチな服装は!?魔王様を誘惑しないでください!!』
アクエリア『ハレンチって…タイダルではこれが正装なんですけど…フィディオ様の色違いですし…』
マリー『一緒にしないでください!フィディオはまだ…』
アクエリアの言葉にフィディオの姿をチラリと見るマリー…
2年ぶりに見る次期魔王の身体は大人の身体へと育っており
思わず自分の胸を触った彼女は
怒りの矛先をカズマサに変えていた。
マリー『ま…魔王様!そんな下心丸出しの眼で可愛い後輩を見ないでください!』
カズマサ『冤罪だ!俺がフィディオをそんな眼で見るわけないだろう?』
フィディオ『まぁ!魔王様まで私を子供扱いしますの!?』
カズマサ『ち…ちらり…』
マリー『やっぱりいやらしい眼で見てるじゃないですか!?』
カズマサ『落ち着け!俺は…その…』
理不尽な言いがかりに言葉を詰まらせるカズマサ
必死に弁明の言葉を考えるカズマサだったが
2人目の帰還によって弁明の余地は消滅する事なり
風魔騎士シルフィードの帰還は
最悪のタイミングとなってしまった。
シルフィード『あっ!魔王君!また私の脚見てる!そんなに見たいならサービスしちゃうよ?』
カズマサ『シルフ!!冗談でもやめてくれ!!』
マリー『シルフ…?随分と仲が良いみたいで…?』
カズマサ『う…うぅ…』
ビキニアーマーで現れた挙げ句にカズマサをからかうシルフィード
無論彼女の悪ふざけではあるが
カズマサが幹部の3人と仲が良いのは事実であり
そんな彼に救いの手を差し伸べたのは最後の1人だった。
テスタロッサ『カズマサ?側近が戻ったら挨拶まわりに行くんだろ?こんなところで話してていいのか?』
カズマサ『そ…そうだったな…すまないマリー…作戦に関してはお前に任せるよ…ちょっと行って来る…』
マリー『……』
テスタロッサの言葉を受け
逃げるように挨拶まわりへと出発するカズマサ
ブラックドラゴンに乗った彼を見送ったマリーは、申し訳なさそうな表情を見せており
カズマサが見えなくなったのを確認したフィディオは
優しく彼女を抱きしめていた。
フィディオ『マリーさん…素直になれないのはわかります…けれど…あれでは魔王様が可哀想ですわ…』
マリー『フィディオ…子供なのは私の方みたいね…』
フィディオ『私はもう18歳…もう立派なオ・ト・ナ!ですのよ?』
天使の眼でカズマサを見ていたマリーは彼が冤罪である事を理解しており
フィディオの対応を見たシルフィードは自身の行いを反省していた。
他の者へ全く視線が向かわなかったわけではなかったが
カズマサの視線の5割はマリーに集中しており
彼がマリーに対して好意を持っているのは誰が見ても明らかだった。




