第80章 闘いの終焉
カズマサ『マリー…心配かけたな…今戻ったぜ…』
マリー『魔王様…』
カズマサ『さて…最高神様に交渉といきますかね…』
守護神達を失い呆然とするクリムに歩み寄るカズマサ
殺そうと思えば殺せる状況であったが
カズマサは彼女に人間達の強さを伝えるつもりであり
戦闘に集中していたクリムは
ゼロ・ワールドの状況に気づいていなかった。
カズマサ『最高神クリム…俺達は天界を消滅させに来たわけじゃない…地上の…ゼロ・ワールドのリセットを止めに来たんだ…』
クリム『それなら止まりましたよね…天界は中核と守護神を破壊され消滅する…最高神である私はこのまま天界と最期を共にするでしょう…』
カズマサ『クリム…あんたは地上の人間達を見ていないのか?人間達は1度理不尽に絶滅させられたのに自らの力で立ち上がり復興しようと頑張っているんだ!!神であるあんたが諦めてどうする!!?』
クリム『!!?』
彼の言葉で地上の様子を知るクリム
彼女が監獄の代わりとしていた世界の人間達は、天界の神々よりも強い心を持っており
復元されていく世界を見たクリムは敗北を認め
ゼロ・ワールドの消滅危機は
こうして回避される事となった。
クリム『女神である私が…魔王から人間の強さを教わる事になるとは思いませんでした…我々も彼らを見習わなくてはなりませんね…』
アサミ『クリム様…天界の復元…私もお手伝いしますよ!』
クリム『女神マミ…』
マリー『核の復元は私がやります…破壊の原因となったのは私ですから…』
カズマサ『マリー…』
マリー『魔王様…私は少しの間天界に残ります…先に戻っていてください…』
天界の復元の為
アサミとマリーは天界へと残る事となり
残るメンバーはゼロ・ワールドへと帰還していった。
彼らの長く厳しい闘いはようやく一段落する事となり
帰還したメンバーは休む間も無く世界の復元を手伝う事となった。
カズマサ『魔王が復興の手伝いに来るのもおかしな話だが…何もしないわけにもいくまい…』
フィディオ『火の国ブラスター…もう半分くらいは戻っていますのね!』
勇者パーティと行動するわけにもいかないカズマサとフィディオはイオリ達と別れてブラスターへと向かい
そこで復興作業を手伝う事に決めていた。
魔王である事を隠してさりげなく手伝うつもりだったが
ブラスターの国民達は彼に対して予想外の反応を示し
それは魔王としては致命的な事となった。
ブラスター『魔王様!よくぞおいでになられました!火の国ブラスターは貴方を歓迎しますぞ!』
カズマサ『歓迎…?俺は魔王だぞ?』
ブラスター『魔王様は炎魔王バルフォースと闇魔王リベリオンを倒し世界を救った英雄ではありませんか!ブラスターのみならず世界各国が貴方の来訪を歓迎しますぞ!』
カズマサ『な…なん…だと…?』
ブラスターの王子ホルスにプラントの女王フローリアン
カズマサと共に闘った王族達の影響によって、魔王カズマサは既にこの世界の英雄となっており
とても魔王としての仕事を遂行出来る状態では無くなっていた。
魔王就任時に挨拶周りをした事もあり
彼の顔は一般人にも認知されており
いくら魔王とはいえ
友好的に接してくる一般人を相手に
残虐な行為が出来るはずもなかった。
フィディオ『ふふふ…まるで勇者様の凱旋でしたわね…』
カズマサ『笑い事ではないぞ…魔王としての仕事が出来なくなったら解任だ!』
フィディオ『そうでしたわ…』
カズマサ『まぁ…しばらくは復興作業で手一杯だろう…魔王軍も手伝いながら再編成しなくてはな…』
事の深刻さを理解しながらも復興作業を手伝い
更に好感度を上げていく魔王
彼にとっての問題はそれだけではなく
城へと帰還したカズマサは
更なる問題に直面する事となった。
カズマサ『ぬああああっ!!』
フィディオ『ま…魔王様!?大丈夫ですか!!?』
城へと帰還し
次期魔王に稽古をつけてやろうと剣を抜いたカズマサは
魔王の力を継承したフィディオに血祭りにあげられ
ボロ雑巾のように岩盤へと叩きつけられた。
魔王としての立場に加えて
力すらも失ったこの状況は深刻極まりないものであり
ボコボコにされたカズマサは思わず抗議の声を発した。
カズマサ『そ…そう思うなら少しは手加減してくれ…』
フィディオ『ま…魔王様の苦痛に歪むお顔が珍しいのでつい…』
カズマサ『参ったな…これでは俺を討伐するイオリに失礼過ぎる…今から4年間修行しても魔王補正には届かないだろう…どうするか…』
フィディオ『ごめんなさい…』
カズマサ『べ…別に君を責めたわけじゃないさ…大丈夫!他に方法はいくらでもあるんだ!』
カズマサの言葉に泣きそうな顔で謝るフィディオ
意図せず彼女を傷つけてしまった彼は彼女を慰めるべく魔王軍の再編成を始めたが
そこでも新たな問題が発覚する事となった。




