第72章 炎神鳥スヴァローグ
マヤ『はぁ…はぁ…悔しいな…全然役に立てないや…』
ジャック『こいつは厳しいな…敵の炎は魔王以上の威力…全身が炎で近づけない…更には不死身と来たもんだ…』
炎神鳥スヴァローグと交戦するイオリ達5人
ジャックの言うとおり戦力差は圧倒的であり
近づく事すら容易ではない炎神鳥を相手に打つ手がない状態だった。
イオリ『せめてアサミかディーネが居てくれたら…私の魔法じゃ誘導するだけで精一杯だよ…』
アザエル『奴は俺に良く似ているな…倒せないのも無理はない…』
アルテミス『私の攻撃程度じゃすぐ再生されちゃうよ!船長!何とかならないの!?』
自らを囮に回避盾となっているマヤが一番仕事をしている現状…
どう見ても絶望的な状況にしか見えなかったが
5人の中で諦めている者は1人もおらず
闘いの中で得た情報をまとめたジャックは
1つの結論にたどり着いた。
ジャック『確かに…奴はアザエルに良く似ているな…』
アルテミス『ジャック…何か閃いたの…?』
ジャック『あぁ…炎神鳥は不死身…そして4体の守護神の中でも最強だったな…?』
アルテミス『そうだけど…』
ジャック『なら答えはこうだ…倒せない相手ならば…倒さなければいい!!』
アザエル『ふぁっ!?何言ってんだ!?』
ジャック『俺達に出来る事は誘導だけ…守護神とは言え知能がモンスターレベルなのはマヤが証明してくれた…なら奴を誘導して同士討ちを狙うのが俺達の闘い方だ!!』
直接ダメージを狙わず
誘導による同士討ちを狙う
それは力を持つ魔王や女神には思いつかない戦略であり
元円環の騎士団の2人もその発言には驚愕していたが
イオリとマヤは待ってましたと言わんばかりに別エリアへの誘導準備を開始した。
盗聴によって他グループのエリアを知ってるジャックは雷エリアが穴であると判断しており
アルテミスの指示にて大規模なエリア移動が行われると
消耗したマヤに変わって
アザエルがみずから囮役を引き受けた。
攻撃を最低限で済ませる事で、アルテミスはヒーラーに専念する事が可能となり
見事なパーティプレイでスヴァローグを雷エリアと炎エリアの境まで移動させた。
アザエル『ハァ…ハァ…ようやく雷エリアか…』
マヤ『そろそろ限界じゃない?替わるよ?』
アザエル『いや…万一被弾した時に耐えられるのは俺だけだ!替わるのはその時でいい!』
ジャック『エリアの境もお構い無しか…天使達には悪いがこのまま突撃するぜ!!』
目前の敵を攻撃するスヴァローグはそのまま雷エリアへと侵入
雷エリアでは雷神龍ボルレイスが見失ったバルフォースゼロを探して徘徊中であり
5人は2体の守護神を衝突させる事に成功した。
雷神龍も他の守護神達に決して劣らない強さであり
互いを侵略者だと思い込んだ炎神鳥と雷神龍は真っ正面からぶつかり合い
そのエネルギーは周囲の建造物を破壊…
天使達はその原因を作った5人に襲いかかってきた。
イオリ『天使達に恨みはないけど…私達の世界を消させるわけにはいかない!ゴーレムさん!!力を貸して!!』
ジャック『媒介にはこれを使え!戦闘中に回収した不死鳥の血だ!』
イオリ『不死鳥の!?』
ジャック『俺の計算が正しければ最強のゴーレムが誕生するはずだ!そいつで天使達を蹴散らせ!!』
イオリの宝石より召喚されるゴーレム
炎神鳥の血を媒介として誕生したゴーレムは、不死男爵と呼ばれるに相応しい圧倒的な力と不死身の自働修復能力を兼ね備えており
その力で天使達を圧倒した。
少女天使『どうして…こんな…』
イオリ『私達は女神令による世界消滅の話を聞いて天界に来た…決して天界の滅亡が目的ではないわ…』
少女天使『女神令…じゃあ…ゼロ・ワールドの…』
イオリ『貴女達と私達は明確な敵同士ではないわ!話を聞いて欲しいの!』
襲ってきた天使達を制圧したイオリは戦闘を中断し
天使達に事情を説明した
守護神も天使達も攻撃を受けたから応戦しただけの話であり
女神令を止めたいだけのイオリには
本来闘う理由などなかった。
青年天使『事情はわかった…君達はリベリオンの仲間ではないのだな…』
イオリ『リベリオンは私達の世界を天界襲撃に利用した敵です…彼女とは闘う理由があります!!』
青年天使『君が嘘をつく理由等ないからな…よし…協力して守護神を止めようじゃないか!』
事情を説明した事で敵だった天使達との共闘を成功させたイオリ
そのコミュ力は勇者としての天性の資質であり
天空城に居る元勇者とはまさに真逆の力を持っていると言えた。
勇者パーティの5人は最も劣る戦力で
守護神2体とエリア2つを無力化する大戦果をあげる事となり
これには天空城の最高神も考えを改める意向を示していた。




